知的障害/20代/事務職への転職ストーリー

知的障害の方の転職体験談知的障害の方の転職体験談

就活が思うようにいかなかった―。大学卒業後アルバイト生活を経て、29歳で大手企業に就職

M.R.さん 20代 知的障害(大阪)

転職活動期間
3ヶ月
前職
就労継続支援B型事業所 支援員
現職
運輸業 事務

芸術系の高校から芸術大学に進学

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私は、絵を描いたり、写真を撮るなど、表現活動が好きです。絵や写真の仕事をしていた母の影響が大きいと思います。物心ついた頃から、いつも楽しく絵を描いていましたし、母のカメラで写真をよく撮っていましたね。私には知的障害があり、小学校、中学校は普通校に通っていましたが勉強は苦手でした。学校は嫌いではなかったので、美術系の高校に進学し、その後も芸術の勉強がしたくて芸術大学の写真学科に進学しました。

大学では、デッサンを勉強したり、暗室でフィルムを現像したり、好きなことに没頭できました。サークル活動はしていませんでしたが、いくつかのアルバイトを経験し、大学生活はとても充実していました。カラオケ店やネットカフェの接客のアルバイトは長く続かなかったのですが、駅の清掃バイトは1年半やりました。きっと、周りのスタッフが親切で、仕事がきついときに声をかけてくれたり励ましてくれたり、アットホームな環境が自分に合っていたからだと思います。

一般枠と障害者採用枠の両方で就職活動しても、うまくいかず

就職活動は、大学3年生の終わりから始めました。そのとき両親が、障害者採用枠で就職する方法があることを教えてくれました。一般採用枠と障害者採用枠とで、何が違うのかよく分からなかったのですが、2つの選択肢があるなら、両方やってみよう、そんな気持ちでいました。しかし、実際に合同説明会に参加したり、就活をしてみると、全然うまくいかないんです。だんだんと自信をなくしてしまい、動けなくなってしまいました。結局、在学中に就職先は決まらず、大学の副担当の先生が薦めてくれた写真学科のアシスタントのアルバイトに就くことになりました。

大学卒業後、5年続いたアルバイト生活

アシスタントとしてはたらくことになってはじめて、大学には知的障害があることをオープンにし、2つの配慮事項をお願いしました。1つは、仕事の説明は、口頭だけではなく文章や絵でも伝えて欲しいこと、もう1つは、ゆっくり話して欲しいことの2つです。先生も私の障害を理解し対応してくださったのですが、アシスタントの仕事は事務的な作業が同時進行でいくつもあったり、また自分のペースで仕事ができなかったりして、思うようにはかどりませんでした。自分には向いていないと感じて、1年でアシスタントを辞めました。辞めた後は、気持ちがダウンしてしまい、3ヶ月ほど休養することになりました。

少しずつメンタルも快復してきたので、求人誌で見つけたクリーニング工場でアルバイトを始めました。私はYシャツのしわを伸ばす担当になったのですが、やったことが成果として見て分かるので、仕事にやりがいを感じました。また職場の人たちは優しく、仲間もできて居心地が良かったです。2年ほど経つと、仲の良かった仲間が辞めるなど、メンバーは入れ替わっていきます。このタイミングでクリーニング工場を辞め、倉庫で梱包を行う派遣アルバイトや、ファーストフード店でのアルバイトを掛け持ちすることにしました。

知人の紹介で、就労継続支援B型事業所の複合施設支援員に

アルバイト生活を続けた後、知人からの紹介があり、就労継続支援B型事業所の複合施設支援員として2年間、正社員として就職しました。そこでは安定してはたらいていたのですが、事業所が閉鎖することとなり、再度就職活動を行うこととなりました。

30歳を前にして、ハローワークで就職活動を始めました。しかし、やっぱり自分ひとりでは就職先は見つけることができませんでした。そんなとき、友人が、障害者専門の転職エージェントを紹介してくれたんです。いくつかのエージェントに登録しましたが、お返事をいただいたのはdodaチャレンジだけでした。

紹介された企業は大手企業ばかり

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dodaチャレンジのキャリアアドバイザーは、登録後すぐに電話とメールをくれました。当時の私は、就職活動が進まず心細い思いをしていたので、とても嬉しかったです。丁寧に希望条件を聞いてくれて、10社以上の企業を紹介してくれました。私が提示した希望条件は、通勤が1時間以内であることと、残業が少なめであることです。「やりたいこと」を見つけることがなかなかできなかったのですが、なんとなく事務作業の仕事がいいとは伝えました。キャリアアドバイザーが紹介しくれた企業は、どれも大手企業ばかりで、自分ひとりでの活動とはまったく違い、ほっとしたことを覚えています。

何度も面接練習してくれたキャリアアドバイザー

私が就活で一番不安だったのは、面接でした。私は文章を覚えることが苦手なので、準備したことを話せるのか、面接で失敗してしまうのではないかと、とても心配だったんです。そんな私の不安をキャリアアドバイザーは汲み取ってくれて、何度もWEB面接の練習をしてくれました。質問に対する回答も一緒に考え、文章化をサポートしてくれました。スマートフォンに文章を入れてお風呂で覚えたり、きっとひとりではここまで努力できなかったと思います。

1社目の面接ではとても緊張して失敗しましたが、2社目3社目と面接するとだんだん練習通りできるようになりました。

これからもキャリアアップしていきたい!

入社した会社は運輸会社で、面接は3回ありました。1回目は、大手企業としてしっかりした体制からなのか堅い印象を持ちましたが、2回目以降は現場の方との面接でとてもフランクで優しい印象に変わりました。今まで経験したアルバイトや支援事業所はアットホームな少人数の職場だったので、大きな企業でのオフィスワークに多少不安もありましたが、配属予定の上司との面接で、ここでならやっていけると安心したのを覚えています。

現在の私の担当業務は、パソコンの入力作業と備品管理です。入社してもうすぐ1年。ようやく仕事にも慣れてきたので、これから少しずつ業務の幅も広げたいです。今後のキャリアアップについても、キャリアアドバイザーに相談していきたいと思っています。

知的障害の方からのメッセージ知的障害の方からのメッセージ

メッセージ

転職活動がなかなか進まず、焦っている方へ。私も焦りや不安を感じた経験があるので、気持ちがよく分かります。そんなときは、むりやり進めようとせず、立ち止まってもいいと思います。そして、焦りや不安を自分ひとりで抱えるのではなくて、誰かに話してみると良いですよ。きっと応援してくれる人が現れて、力になってくれます。もし、ひとりで悩んでいる方がこのメッセージを読んでくれているなら、ぜひdodaチャレンジに相談してみてください。

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