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「問題点のほとんどは組織、人にある」
伊藤直也が語る、マネジメントノウハウ

株式会社一休 CTO・伊藤直也

[index]
「問題点のほとんどは組織、人にある」伊藤直也が語る、マネジメントノウハウ(2016.9.26)

[概要]

「~マネジメントに悩めるすべてのエンジニアにささげる~伊藤直也の1人CTO Night」と題したイベントが2016年8月30日に行われました。第1部のプレゼンテーションでは、2社のCTO経験と5社の技術顧問経験を持つ伊藤直也氏が登壇し、培ってきたマネジメントノウハウを余すことなく直伝。実際に経験してきた事例をもとに、プロジェクトマネジャーのあるべき姿を語りました。第1部の模様をダイジェストでレポートします。

                
同イベントの別のレポート

[profile]

伊藤直也 株式会社一休 CTO

ニフティ株式会社、株式会社はてなの取締役・CTO、グリー株式会社の統括部長を経て、株式会社一休CTOに就任。過去にKaizen Platform, Inc.、株式会社日本経済新聞社、株式会社じげんなど複数社の技術顧問、技術アドバイザーを務めた経験を持つ。著書に『入門Chef Solo』(達人出版会)『サーバ/インフラを支える技術』『大規模サービス技術入門』『Chef実践入門』 (技術評論社) など多数。

事例から学ぶ組織構造とチームマネジメント

本来あるべきマネジメントの役割とは?

今日のセミナーでは前提として、50〜300人程度の規模の会社におけるマネジメントを想定しています。また、CTOよりも、組織づくりやヒューマンマネジメントに携わる「VP of Engineering」と呼ばれる役割に関してのコツや考え方を話していきたいと思います。

最初に考えたいのは「マネジメントの役割とは何か」。マネジメント職に就いたばかりの人はよく、自分であらゆる問題を解こうとしがちですが、問題を解決することがマネジャーの役目ではありません。マネジャーの一番大事な仕事とは、何が問題なのかを正しく見極め、その問題にチームをフォーカスさせること。問題を正しく設定できていれば、あとはみんなが問題を解いてくれる…という状況を作り出すことが大切なのです。

開発組織のマネジメントは、スポーツチームのマネジメントに近く、チームワークや役割分担が不可欠です。単に、指示や命令を出して仕事をさせる、ということではなく、それぞれが持つスキルや潜在能力をどこまで引き上げられるかが鍵になります。

組織構造を考える上で重要なポイント

組織(チーム)には構造があります。ここからは過去経験した事例をもとに、組織構造を考える上で重要なポイントを解説します。

●ラーニング(知識)が、組織に蓄積されるような構造であること

例えば、1人の社員が複数のプロジェクトを兼務している場合、ラーニングが個人にだけ蓄積され、チームには蓄積されないままになりがちです。

事例1:日本経済新聞社の場合
以前は開発を外注し、1人が複数のプロジェクトを兼務していたため、個人にラーニングがたまる状態になっていました。内製開発を始めた後も、チームという枠組みは存在しないまま、1人が複数のサービスを兼務して開発に携わっていたため、依然としてラーニングが組織に蓄積されない状況でした。そこでとった方法は、内製開発チームの兼務を解消すること。1チーム1ミッションにすることで、ラーニングが組織に蓄積されるようになりました。

事例2:Kaizen Platform, Inc.の場合
チームの枠組みはあるのに、実質的にチームとして機能をしていない状態でした。原因は、PMがエンジニアを直接アサインし、1対1で仕事をする構造になっていたためです。エンジニア同士は、互いが何をやっているかを詳しく知らず、何かトラブルが発生した時に、周りはヘルプをできない状況に陥りがちでした。そこで解決策としてチームのリーダーを任命。PMの会話の相手を個々のエンジニアからリーダーに変えたことで、各エンジニアの状況をリーダーが把握できるようになりました。そうすることでチームとしてのコミュニケーションが改善。次第にチームがチームとして機能し、今まで個々で持っていたノウハウなどもラーニングとしてチームに共有できる構造になりました。

●偶然に期待しないこと

たまたま良い人が入ってきて、良い組織になる…という偶然に期待しないこと。まれにそういうことも起きるかもしれませんが、マネジャーがそこに頼っていては心もとない。いかにして望む状況に自分自身で持っていけるかが重要です。

●コントロールできる対象をマネジメントすること

個々人の意識は、基本的にコントロールできないものと思った方が良いでしょう。一方、組織構造はいくらでもコントロールができます。何か組織で問題が発生した時には、たとえそれが人に起因する問題であったとしても、「人」ではなく「構造」に原因を求める思考が大切です。

●組織構造はいじりすぎない

ころころと構造を変えてしまうと、ラーニング結果が失われることになってしまうので注意が必要です。ラーニングをできるだけ蓄積しつつ、変化を加えていくことが大事になります。

NEXT:ヒューマンマネジメントの具体的実践方法とは?

                
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