「契約の際、給料に反映させているので退職金の支払はない、と言われました。外資系ライクなドライな会社とは思っていたのですが、こうしたケースは法的には問題ないのでしょうか?」
結論からまず申し上げますと、退職金制度がなくても違法とはいえません。なぜなら、労働基準法その他の法律のどこを調べても、企業などの使用者に対して、退職金の支払を義務付ける内容は書かれていないからです。
労働基準法には、毎月の給料(労働基準法では“賃金”といいます)や残業代(同じく“割増賃金”といいます)については、その計算方法や支払方法などを詳細に定めていますが、賞与や退職金については、特段の定めがありません。賞与や退職金制度を設けるか否かは、あくまでも企業側に委ねられているのです。しいて申し上げるならば、企業が退職金制度を設ける場合は、適用される労働者の範囲や計算方法、支払方法、支払時期について、就業規則に定めておかなければならない、ということです。
したがって、皆さんが就職活動において、さまざまな企業の情報を収集することでしょうが、退職金制度があるかどうかを含め、労働条件をしっかり確認しておく必要があります。労働条件の明示が不明確な企業は、要注意であるといえるでしょう。
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なお、一口に退職金といっても、退職一時金と退職年金があります。簡単に言うと、「退職一時金」とは退職金の一回払いで、「退職年金」とは退職金の分割払いというものです。また、企業によっては、厚生年金基金制度、確定拠出年金制度、中小企業退職金共済制度などに加入して退職金の原資を準備しているところも少なくありません。なぜなら、せっかく退職金制度があっても、現実に支払うお金が企業になければ、絵に描いた餅になってしまうからです。したがって、このような制度に加入していると、万一その企業が倒産しても、一応退職金の支給は担保されているといえることでしょう。 退職金制度は、終身雇用制を背景として成り立ってきたものなので、転職が一般化しつつある現在、内容を見直す企業が増加しています。働く側も、こうした状況をしっかり把握して、中長期的な人生設計を考えることが求められるでしょう。 |
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