会いたいビジネスパーソンや新規営業先にメールでアプローチする際、勢いで連絡してしまい、相手が返信しにくいメールを送ってしまった……。そんな経験ありませんか? せっかくのチャンスをメールひとつで潰してしまいたくはないもの。

 

そこで今回は、「言葉をつくる」仕事であるコピーライターの森田哲生さんに、相手が「会ってみようかな」と思ってもらいやすいメールの書き方を教えてもらいました。

 

メールは装置。1段落に1機能を搭載する。

「いきなりですが、メールは装置です。装置には当然目的があり、その目的を達成するための機能が求められます。今回のテーマは、『会いたい人に送るメール』。となると、下記の3つが最大の目的です。

 

1.相手があなたに興味を持つこと
2.会うに値する信頼を得ること
3.会う予定を設けてもらうこと

 

しかし、この目的を満たす機能を一言で発揮するのは困難です。そこで注目して欲しいのが“段落”です。1段落に1機能を搭載して、会うという目的へと向かっていく。それが基本的な考え方です。それから、段落ごとに1行程度スペースを空ける方が読みやすくなりますので取り入れてみるとよいでしょう」(森田さん)

 

目的を達成するための機能を、各段落に搭載する。これは非常に分かりやすい組み立て方ですね。以下、段落ごとに搭載させる機能を具体的に教えていただきました。

 

1段落目:お前は誰だ? を伝える「名乗りの段落」

大前提として、相手はあなたのことをまだ知りません。だからこそ、まずは自分がいったいどこの誰なのかを示す「名乗り」の段落が必要になります。個人情報を晒せばいいというわけではなく、所属している企業や団体、住んでいる場所、どんな活動・仕事をしているかなど、具体的な名称を明記して、あなたの存在にリアリティーを与えてください。「名乗り」が丁寧で、真剣であるほど、「こいつのメールは読まないと失礼かもな……」と思ってくれる確率は上がるはずです。

 

2段落目:どうしてそのメールを書くに至ったのかを伝える「動機の段落」

次に必要なのは「動機」です。相手は、なぜ、自分にこのメールが届いたかを知りません。まずはメールを送ろうと考えたきっかけやプロセスを簡潔に伝えましょう。ここで重要なのはオリジナリティー。とはいっても、とっぴなことを書けということではありません。あなたがメールを送るに至った「経験」を織り交ぜれば、そこには独自性が生まれるはずです。相手のことをいつ、どこで、どう知ったのか? そこで何を感じたかなどを誠実につづっていきましょう。

 

3段落目:どうしてほしいのかを伝える「希望の段落」

今度は、このメールを読んだらどうしてほしいのか。相手のアクションを促すような、具体的な要望を書きましょう。この場合は「ぜひ、○○について、一度、お話だけでも聞いてはいただけませんでしょうか」といった要素になると思います。名乗り→動機というプロセスを経て、ようやく本題に入るわけなので、この段落の書き出しは、可能な限り明確にする必要があります。

 

4段落目:クロージングする「約束の段落」

最後は、具体的に予定をつくってもらうために書く、クロージングの段落です。相手のスケジュールなども鑑みた上で、どこで、どのような形で会いたいか。もしくはどのような形でメールのお返事をもらいたいかを明言しましょう。明確な期限を切るのは失礼かも知れませんが、おおよその時期などを軽く入れておくのもアリです。

また、返事が来なかったことも考え、「あらためて、お電話でもご連絡差し上げます」と書き加えるという手も。「ご連絡差し上げてもよろしいですか?」のような返事を求めるニュアンスを避けるのがミソです。もちろん、電話番号が分からなければそれ以上のゴリ押しは困難ですが。

 

……なるほど。段落ごとに機能を与え、「このメールは何を目的にしているのか」を明確にする。この点を忘れずに注意すれば、いつもより格段に良いメールが書けそうです。

メールは一方的に言葉を渡すことができる便利なツールですが、それと同時に相手の反応をリアルタイムで確認できないものでもあります。だからこそ「このメールを読んだ相手はどう思うか」を常に意識したいものですね。

 

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(識者プロフィール)

森田哲生/1978年生まれ。多摩美術大学卒。雑誌編集・ライター、広告制作などを経て2007年にコピーライターとして独立。個人事務所『Rockaku(ろっかく)』を立ち上げ、2012年に法人化。コピーやネーミングを中心に、ブランディング、広告、Webサイト、セミナー講師、イベント企画などの仕事を手掛ける。