「仕事も出産も育児も諦めたくない!」そう願うビジネスウーマンは、たくさんいると思います。「仕事と育児を両立させたい」と考えるビジネスマン、いわゆるイクメンを志望する男性も現在では少なくないでしょう。

でも、ネックになるのが時間の無さ。育児中は、送り迎えや子どもの病気、思わぬトラブルなどに時間をとられ、育休前と同じような時間感覚で仕事をするのは難しくなります。「育児をしながら仕事を続けるなんて、自分にはできなそう……」と思う方も多いはず。

でも大丈夫! ちゃんと仕事と育児を両立させている方がいるのです。今回は人気ブログ「働くママの時間術 馬場じむこブログ」の管理人であり、二児の親でありながら総務・労務もこなす経理主任として働いた経験を持つ馬場じむこさんに、仕事と家庭を両立させるための時間術について聞いてみました。

 

その1〜“助けて”がいつでも言える人間関係を築こう〜

まずは、ひとりで抱え込み過ぎないことが大事だと馬場さんは言います。

「自分ひとりで何もかもやるというのは諦めましょう。絶対にいつかパンクします。社内でも、家庭でも、友人関係でも、“助けて”が言えるような環境、人間関係を築いておくと、うまく自分の時間を管理することができてきます」(馬場さん:以下同じ)

馬場さんによると、友人、社内、家庭のそれぞれにおいて、ちょっとしたコツがあるようです。

「複数のコミュニティーで友人を持つことは、“助けて”を言うために最も大切だと思います。近所のママ友には言えない、仕事関係の友人には言えないなどのさまざまな状況があります。その際、ひとつのコミュニティーにしか友人がいなかったら、臨機応変にヘルプが出せません。ぜひ出産や結婚前から、いろいろなコミュニティーで友人をつくっておくことをオススメします。

まず社内では、結婚前から人に頼ることに慣れておくといいと思います。そして、問題がないときでも報告を密にしておくことで、上司や同僚との信頼関係を築いておきましょう。

次に、家庭で大切なのは、パートナーをよく観察して、話しかけても大丈夫そうな様子を見つけることと、限界まで我慢し過ぎないこと。相手が疲れているときにヒステリックに“助けて”を言っても、良い返事は聞けません」

 

その2〜「仕事」も「ママ会」も、上手に断ろう!〜

断ることが苦手な人は多いと思いますが、なんでもOKしてしまうと仕事と育児の両立は難しいようです。

「“断る”というのは、時間術の中でも特に重要なことではないでしょうか。この“断る”にはちょっとしたコツがあります。まず仕事。普段から相手に育児について知ってもらうことが大切。雑談などでさり気なく事情を伝えておきましょう」

ママ会や親戚付き合いなどのトラブルについては、しきりに週刊誌やテレビなどが煽っていますが、「惑わされてはいけない」と馬場さんは言います。

「ママ会などについても相手を納得させられる理由さえあれば、角を立てずに断ることはできます。いざという時、パッと良い理由が言えるように、親族の用事、学校の用事、仕事など断る理由をストックしておくのもオススメです」

 

その3〜幸せの尺度を家庭で決めておこう!〜

時間術というと細かいノウハウばかりに目がいきがちですが、「幸せの尺度」を決めておくことも実は大切なようです。

「時間術をいくら用いても、うまくいかないこともあります。それは会社の都合であったり、子どもの体調であったり。そんなとき、何を取捨選択するかはとても大切なことです」

幸せの尺度は夫婦が決めることであって、他人の目は関係ないと馬場さんは語ります。

「雑誌や新聞を読んでいると、『生涯年収を考慮すると、絶対に今の仕事は辞めないほうがオトクです』と、ファイナンシャル・プランナーが年収だけに注目して書いた記事などがあります。でも、幸せかどうかは年収の多寡では決まらないこともありますよね。

結局は家族が幸せであることが大切なのですから、普段から自分が今大事にしたい部分は何かや、生活のこと、将来のことについて、家族で話し合っておきましょう」

 

その4〜家事は「いかに効率よくこなすか」がキホン〜

家事はテレビを見ながらだらだらと、ではなく、サクサク効率化していくこともポイントのひとつ。

「家事が得意ではない私は、時間をつくるために食器洗い乾燥機を買いました。かなり値が張る物ではあるのですが、そのぶん家事の負担が減りました。すると、空いた時間を自分の好きなこと、リフレッシュの時間などにあてられるようになり、結果として仕事もプライベートもうまくいくようになりました」

お金で時間を買うことも、育児中の身にとっては大切なのだそう。

「そのほか、ルンバのようなロボット掃除機や乾燥機付き洗濯機など、利用できるものはなるべく利用しています。実は、子どもの勉強についても、教えるのが好きな親類に謝礼を払ってお願いしています」

 

その5〜社内の「棚の写真」を撮影しておこう!〜

子育てのつきものである“緊急事態”に対応するには、どうしたらよいのでしょうか。

「子どもというのは、本当に予測不能な存在です。急な発熱による早退やお休みといった緊急事態は、ハッキリ言って避けられません。そんなときのために、職場以外の場所から仕事を回せる仕組みをつくっておくことが大切です」

そのためには、やるべき事前準備があると馬場さんは言います。

「自分が利用している“社内の棚の写真”をスマホで撮っておくことがコツです。そうすると、たとえ自宅にいても、『上から2段目の右から4番目にある青いファイルに入っています』といった具体的な指示を出すことができるからです。もちろん、自宅のパソコンで仕事ができるようにしておくこともいいのですが、持ち出し禁止の資料もあるので限界があるでしょう」

いかがでしたか。出産・育児と仕事の両立の道が見えてきたでしょうか。これらの時間術は、時間や心に余裕のあるうちに行っておけばおくほど、効果が現れてくるようです。育児と仕事に追われてストレスがたまってしまう前に、また、まだまだ出産は先という方も今のうちに、少しだけ意識しておくと、いざという時に困らずに済むかもしれませんね。

識者プロフィール

馬場じむこ(ばば・じむこ)/短大卒業後、一般事務、専業主婦を経て、長男が1歳のときに建材メーカーに再就職。総務・労務も担当する経理主任として8年勤務。2014年3月に都内企業に転職し、9月に事務業務・コラム執筆などフリーとして活動。夫、小学5年生の男子、保育園児の5歳男子と暮らす。保育園・小学校の役員も経験。著書に『仕事も子育ても自分もうまくいく!「働くママ」の時間術』(日本実業出版社)がある。