「都心の窮屈さから解放されて、将来はのびのびと働きたい!」。そんな若者の思いに応えるように、いま、IT企業を積極的に誘致する地方の動きが増えています。

そこで今回は、IT企業を誘致している地方都市のなかから、いまぜひとも目をつけておきたい5つの地域を“◯◯バレー”としてご紹介します!

 

その① IT企業誘致の先駆け! “限界集落再生バレー”「徳島県神山町」

徳島といえば阿波踊り。老若男女を問わず、全国からも多くの人が訪れる観光の目玉となっています。また、四国八十八カ所巡礼のスタート地点として、巡礼者が一年を通して訪れるのも同県の特長。比較的温暖な気候に加え、このように県外から人を迎え入れる基盤があることから、徳島県は多くのサテライトオフィスの進出先として選ばれています。

なかでも注目されているのは、かつて限界集落であった神山町。神山町は、従来の「企業誘致」ではなく、町の人口を増やすことで地域活性化につなげる「人材誘致」という視点から集落を再生。全国屈指のブロードバンド環境を生かして、空き家や古民家、遊休施設をサテライトオフィスとして展開し、現在は、IT企業の地方誘致における理想的モデルとまで呼ばれています。
(参考:「神山町 徳島サテライトオフィスプロモーションサイト」 Tokushima Working Styles)

 

その② 自然のパワーを独占! “自然を満喫バレー”「鳥取県鳥取市」

北に日本海、南に中国山地の山々が連なる鳥取県は、なんといってもその豊かな自然が魅力。なかでも鳥取市にある鳥取砂丘は、観光可能な砂丘としては日本最大の規模を誇ります。

そんな同県が掲げるIT企業誘致のテーマはずばり、「自然の中のリゾートオフィス」。オフィスとしてはもちろん、鳥取の自然を満喫するバケーションの拠点としての利用も推奨しており、土地を楽しむ体験型のサテライトオフィスを打ち出しています。

つまり、仕事が一段落したらリラックスしに温泉へ……なんてぜいたくな暮らしが実現するかもしれません。県内の空き家、空き店舗情報はウェブ上での検索が可能なほか、県内の空き家、空き店舗を1年間以上賃借し、サテライトオフィスとして活用する場合、改装経費等を助成してもらえるのもうれしいポイント。

 

その③ メリットたくさん! “アクセスばっちりバレー”「兵庫県丹波市」

「丹波栗」、「丹波大納言小豆」、「丹波米」など、豊かな土壌の産物で全国的に知られる丹波市。山々に囲まれるここもまた、徳島県神山町を見本に、積極的に企業誘致に取り組む都市の一つです。

特長はその多方面へのアクセスの良さ。神戸はもちろん、京都、大阪へも電車で2時間以内で出られるとあって、のびのびと働く拠点を手に入れながら、都会のスピード感も失うことなく感じることができるのです。

今では続々と企業が進出し、県外出身者が丹波市の魅力を発信するメディア「移住者が綴る、地方創生情報サイト ご近所」も立ち上げられています。また、企業に対する手厚い補助も誘致に一役買っており、空き家や空き店舗の賃借料、通信回線料、人件費、建物改修費で助成金が受けられるのだとか。

 

その④ 世界からも注目! “ルビーバレー”「島根県松江市」

世界中で使用されているプログラミング言語、「Ruby(ルビー)」が開発された地として知られる島根県松江市。2006年には、多額の補助金を掲げて企業を誘致するのではなく、地元のIT企業とともに町おこしをする、「Ruby City MATSUEプロジェクト」がスタートしました。

プロジェクトでは、技術者たちによる勉強会や講演会、10代からルビーが学べる若者向けの講座まで、さまざまな取り組みを実施。IT分野での育成に積極的であるため、県外の企業にとっても進出しやすく、数々の大手IT企業がこの松江市にサテライトオフィスを構えています。

 

その⑤ 憧れの土地で働く! “はいさいバレー”「沖縄県うるま市」

透き通る海はもちろんのこと、年間を通して温暖で過ごしやすいことから、観光地として抜群の人気を誇る沖縄県。どうせなら、ゆったりと時間が流れる沖縄で働きたいと、一度は憧れた人も多いと思います。そんな人は本島中部に位置する、うるま市に注目してみてはいかがでしょうか。

同市では、広大な土地に国内外のIT産業の一大拠点の形成を目指すプロジェクト「沖縄IT津梁パーク」を展開。都心に本社を持ついくつもの企業が既に進出しています。地震が少ないという沖縄の特長も、進出を図る企業にとっては安心材料になっており、今後のさらなる発展が期待されています。

 

いかがでしたでしょうか。パソコン1台持ち出すだけで、どこでも同じように仕事ができるなど、働き方が多様化している現在。地方の企業誘致が全国的に広がれば広がるほど、固定の場にとどまる必要性はなくなり、むしろ「どこで暮らすか」「どう働くか」について、自由で豊かな選択肢を得ることができます。

仕事のための暮らし場から、暮らしと共にある仕事場へ。この機会に、自分と仕事の良い関係を築いてみては?

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