仕事上のトラブルやアクシデントはできれば避けたいものですが、それらをゲームのイベントのように考えられたら、楽しみながら乗り越えられそうな気がしますよね? そんな、“仕事のゲーム化”を実現するための理論があるのです。

 

今回は、『人生ドラクエ化マニュアル―覚醒せよ! 人生は命がけのドラゴンクエストだ!』の著者であり、「人生ドラクエ化理論」を唱える元エニックス社員のJUNZOさんに、仕事をドラクエ化して楽しむ方法について伺います。

 

「人生ドラクエ化理論」とは?

「仕事のドラクエ化」の前に、その前提となる「人生のドラクエ化」について学んでいきましょう。JUNZOさんの唱える「人生ドラクエ化理論」とは、いったいどんな考え方なのでしょうか。

 

「僕が定義するゲームとは、『目的を達成するための、ルールにのっとった、敵との楽しい闘い』なんです。『ドラゴンクエスト』も、世界の平和を取り戻すことを目的に、独自のゲームルールに従いながら、スライムやドラゴンなどの敵と闘うことを楽しむゲームですよね。

 

人生のドラクエ化とは、このゲームの構造(目的・敵・ルール)を人生に持ち込み、人生をゲームのように楽しむことを目指すものです」(JUNZOさん:以下同じ)

 

「人生は、ドラクエよりも何万倍も刺激が強くて面白いゲームにすることができることに多くの人は気づいていません」と語るJUNZOさん。自分の人生も、ドラクエのように徹夜するくらい面白いものにしたいと、この人生ドラクエ化理論をエニックス勤務時代に編み出したのだそうです。

 

仕事をドラクエ化すると、嫌いな仕事も楽しくなる

人生の中に、ゲームの三大構成要素(目的・敵・ルール)を組み込めば、人生がドラクエ化するのと同様、仕事にゲームの三大構成要素を組み込めば仕事がドラクエ化します。

 

仕事をドラクエ化すると、仕事嫌いの原因となる不安や不満に対して、『攻略したい!』とプラス思考で考えることができるようになります。

 

例えば、現実世界では『安定=善』『不安定=悪』と受け止められていますが、ゲームの世界では、これが逆転します。何の変化もないゲームなんて、つまらないですよね。つまり、ゲームの世界では『安定=悪』『不安定=善』となり、価値が反転するんです」

 

仕事をドラクエ化すると、もともと楽しいと感じるものは楽しいままに、そうでなかったものも楽しいと感じられるようになるため、どんな出来事に対しても好奇心を持って楽しく向き合うことができるようになるのだそうです。

 

仕事のドラクエ化に必要な「ゲームの三大要素」

では、どのように仕事に「目的・敵・ルール」を組み込めばいいのでしょうか。

 

◎目的:仕事の目的に自分がワクワクする要素を付加する

「自分の体が思わずうずいてしまうほど、ワクワクすることを仕事の目的として設定しましょう。体がうずくほどワクワクする目的じゃなかったら、その実現を目指して行動しようとは誰も思いませんからね。たとえば村上春樹さんが好きなライターの場合、『村上春樹さんのインタビュー取材をする!』と目的を設定します。

 

会社員の場合だと、仕事の目的は、『その仕事をやりとげること』と最初から設定されています。このような場合まず大切なのが、仕事の目的に自分がワクワクする要素を付加したり、自分流に面白く目的を解釈し直すことです」

 

◎敵:目的達成を阻む物事や人をゲームのモンスターと捉える

「ゲームの目的ができたら、その目的達成を阻む制度や物事、人、自分の内面を、ゲームに登場する敵(モンスター)と捉えてみるのです。すると、『出たな!モンスター! どうやって攻略してやろうか、弱点はどこだろうか?』とワクワクしながら闘いに臨めるようになるのです。

 

現実世界で敵と出会うと大抵落ち込みますが、ゲームの場合は落ち込まないですよね。例えばドラクエに出てくる敵のメタルスライム。倒すと高い経験値がもらえるから、遭遇すると落ち込むどころか『やった!出てきた!』と、敵との遭遇を喜びます。そのような、敵と出会った喜びを仕事にも組み込むのです。

 

たとえば村上春樹さんへのインタビューを目的としたライターなら、『自分には村上春樹さんへのインタビューなんて無理だろう』という自己イメージが敵として設定できるでしょう。

 

その敵と対峙したら、頭のなかで対戦時のBGMを流したり、ドラクエのコマンドウィンドウを出し、『さあ、どのコマンドを選ぼうか?』と楽しみながら闘いましょう」

 

◎ルール:現実世界のルールを見極め、活用する

「ドラクエのルールと現実世界のルールはかなり異なります。例えばドラクエには『ゲーム目的は変えられない、敵に勝ったときだけ経験値がもらえる、選択できるコマンドは8個に限定されている』といったルールがあります。

 

一方、現実世界のゲームルールでは、たとえば次のようなルールがあります。

 

・目的を何回でも変更できる

・敵との闘いに負けても、挫折から学ぶことで経験値が増える

・次の一手を無数の選択肢から選べる

・自分の想像と現実の結果は常にズレる

 

このような現実世界のルールを正確に見極めた上で、それをうまく活用しながらゲームを進めていくのです。たとえば『想像と現実の結果は常にズレる』というルールを活用し、『断られるだろうな』と想像しても、現実では、『ダメもとで村上春樹さんへのインタビュー企画を雑誌社に提案してみると、企画に共感してもらえて実現した!』といったようにです」

 

パターン別仕事の楽しみ方

実際に、職場でありがちなそれぞれの悩みに対して、目的・敵・ルールをどう設定して楽しむべきか伺いました。

 

◎仕事のミスで落ち込むことが多い

目的:ミスをしても落ち込まない自分、ミスをしても楽しめる自分、ミスを次の攻略に生かせる自分になること。

敵:ミスをしたらどうしよう、という自分の中の不安。

ルール:負けても(ミスをしても)経験値は増える。

楽しみ方:ミスをしても、こうやるとダメなのだと分かり、それを次回に生かせる。つまり、ミスをしてもそこから学ぶことで経験値を得られるため、経験値は増える一方であり、レベルも上がる。経験値のたまるミスとの遭遇を、メタルスライムとの遭遇だと思い、楽しむことにする。ミスをしても、ミスの原因と次回ミスをしないための方法を考えついたら、「経験値ゲット!レベルアップ!」と心の中で叫びながら、ゲームを進める。

 

◎人前に立って話すことに自信が持てない

目的:人前で話すことが楽しくなること。

敵:自分に対する自信の無さ。

ルール:目的の難易度に応じた敵が現れる。

楽しみ方:まずは家族や友人など、気心の知れた人の前で、相手を笑わせる訓練をする。相手が笑ってくれると、自分も楽しくなってくる。

 

この場合、弱い敵しか出現してこないので、軽くこなすことができ、経験値と自信が増す。レベルが上がったと思えたら、徐々に話す相手の人数を増やしていく。笑う人が増えれば増えるほど、楽しみも増していく。

これを続けていけば、人前で話すことが楽しくてたまらなくなる。いきなり「会社の朝礼で流ちょうにしゃべる」と、難易度の高いゲーム設定にすると苦痛になるだけ。ドラクエ同様、最初はスライムから倒していけば、最後にはラスボスも倒せるようになる。

 

◎やりたいことじゃないとやる気が出ない

目的:どんなことにも情熱的に取り組める自分をつくる。

敵:これは自分のやりたいことじゃない、という思い込み。

ルール:仕事は細分化できる。

楽しみ方:やりたいことじゃないと思っていることでも、内容を細分化していくと、やりたいと思える部分が必ず存在する。その部分に意識を集中して、やりたいことじゃないという思い込みを崩して、仕事に取り組む。

 

まとめ

JUNZOさんは転職についても、次のように語ります。

「日本では、転職を繰り返すと我慢の足りないダメ人間だと見られがちですが、転職はいろいろな世界を垣間見ることのできる冒険ゲームだと捉えることができます。ドラクエには『ダーマの神殿』という転職制度がありますが、その制度を活用しないで、ずっと同じ職業だけでゲームクリアする人は、よほど好奇心のない人だとみなされるでしょう。

人生はゲームなのですから、実在しない世間体などにとらわれず、自分が転職したいと思ったらどんどん転職して、新たな冒険ゲームを始めればよいだけの話です」

皆さんも自分の人生や仕事を、ドラクエのように楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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(参考書籍)
『人生ドラクエ化マニュアル―覚醒せよ! 人生は命がけのドラゴンクエストだ!』JUNZO著 ワニブックス

人生ドラクエ化マニュアル
著者プロフィール

JUNZO(ジュンゾー) 大学4年時、ゲームメーカー4社の面接試験を受け、エニックスに就職。エニックスで仕事をしている最中に、人生ゲーム化理論を発見。「人様のテレビゲームを作っている場合じゃない! 自分の人生をゲーム化するほうが先決だ!」と気づき、エニックスに辞表を提出し独立。独立後は、情報誌創刊、電子ペット企画開発、銀座で占いビジネス展開、商品評価サイト企画運営、著書出版などなど、あらゆるゲーム目的(やりたいこと)を楽しみながら全て実現させる。自ら編み出した「人生ゲーム化理論」を自分だけのものにするのはもったいないと気づき、新たに「本として出版する!」というゲーム目的を設定し、実際に「人生ドラクエ化マニュアル」の出版に至る。電子書籍『人生ドラクエ化マニュアル オーサーズエディション』。人生ドラクエ化マニュアル公式ページ。※実際に「人生ドラクエ化理論」を実践されている方のブログがありますのでご興味のある方はぜひこちらをご覧ください。