「仕事に行きたくないな……」。そんなふうに思ってしまう、憂うつな日はありますよね。そんなときは、仕事に一生懸命な主人公を描いた映画を鑑賞してみてはいかがでしょうか?

今回は「明日から仕事をがんばろう!」と思える“やる気映画”を、老舗映画雑誌『SCREEN』の編集長である米崎明宏さんに伺います。

 

信念を持って働くことの素晴らしさが描かれている

『スポットライト 世紀のスクープ』(2015年/アメリカ/トム・マッカーシー監督)

※4月15日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開 配給:ロングライド

 

『スポットライト 世紀のスクープ』
Photo by Kerry Hayes © 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

 

◎あらすじ

カトリック教会の神父が少年たちに性的虐待をしていたという真実を暴くため、地道な取材を続けるボストン・グローブ誌の記者たちを追った実話。本年度アカデミー賞の作品賞を受賞した話題作。

 

◎おすすめポイント

「この映画を見ていると、記者の大変さがよく分かります。カトリック教会に弾圧され、記事が掲載できない可能性もある。命が狙われる可能性もある。それでもコツコツと地道な取材を続けている。しかも休日返上で、です。

なぜそこまで頑張るかというと、“信念”があるからなんです。『ジャーナリストは真実を伝えないといけない。伝えることで悪の連鎖を断ち切る』という信念です。最後、記者たちの努力が結実するシーンを見ていると、信念を持って働くことの素晴らしさを実感できますよ」(米崎さん:以下同じ)

 

地味な仕事だって大切。自分を評価する人はちゃんといる

『LIFE!/ライフ』(2013年/アメリカ/ベン・スティラー監督/20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン)

 

『LIFE!/ライフ』
©2016 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 

◎あらすじ

アメリカの老舗雑誌『LIFE』の写真管理部で働く主人公ウォルター・ミティは、地味な仕事に就き、周囲から存在すら忘れられています。そんな平凡で臆病な彼が、1枚の写真を探すため旅に出ることに……。

 

◎おすすめポイント

「日の当たりにくい仕事ってありますよね。主人公のウォルターも地味な仕事をしているからと、職場の人からバカにされているんです。でも、たとえそういう仕事をしていても、地味だからと悲観する必要はありません。なぜかというと、その仕事ぶりを評価している人がいるからです。ウォルターにとって、それがショーン・オコンネルという写真家なんですよね。

ウォルターは、よりよい仕事をするため勇気を出して踏み出しました。そうすることで自分の世界を広げたんです」

 

仕事につまずいたら仲間のアドバイスに耳を傾けよう

『マイ・インターン』(2015年/アメリカ/ナンシー・マイヤーズ監督/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)

 

『マイ・インターン』
©2015 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 

◎あらすじ

成功した女性社長ジュールズのシニア・インターンとしてやってきたのが70歳のベン。最初は40歳も年上のベンをうとましいと思っていたジュールズでしたが……。

 

◎おすすめポイント

「ジュールズは一見、順風満帆そうに見えるのですが、実は仕事に行き詰まり、挫折しています。しかも家庭トラブルを抱えている。そんな彼女にベンが与えてくれたアドバイスが良かったですね。

自分ひとりだけで仕事をこなそうとすると限界があります。ジュールズも限界を感じました。仕事の問題を抱えているときにこそ、仲間を頼ってみることは大切。仲間が良いアドバイスを与えてくれるはずですよ。ジュールズにとってそれが、人生の先輩であるベンだったんです。行き詰まったら、仲間の言葉に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?」

 

仕事をつまらないと思っている人に見てほしい

『摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に』(1986年/アメリカ/ハーバート・ロス監督/NBCユニバーサル・エンターテイメント)

 

『摩天楼はバラ色に』
(C)1987 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

◎あらすじ

成功を夢見て、田舎からニューヨークへやってきたブラントリー。しかし与えられた仕事はメール配達という雑務。けれど彼はめげなかった。持ち前の機転の良さとガッツで、出世街道をひた走るのでした。

 

◎おすすめポイント

「つまらない仕事をしている、と思い込み、キャリアに悩んでいる方がいるかもしれません。そんな人に勧めたい作品です。ブラントリーはメール配達係の立場を利用して、いろんな会社の情報を吸収していきます。ただの雑務係として働くのではなく、機転を利かせてスキルアップを図っている。

ブラントリーのように向上心のある人は、スキルアップを努力と思っていないんです。どんな小さな仕事にも、自分を高めるチャンスは転がっているのだとこの映画は教えてくれます」

 

職場を変えることで天職に出会えるかも?

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(2014年/アメリカ/ジョン・ファヴロー監督/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)

 

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
© 2014 Sous Chef, LLC. All Rights Reserved.

 

◎あらすじ

主人公は一流レストランの総料理長カール・キャスパー。ある日オーナーと口論となり、仕事をクビに。偶然の出会いを重ねる中で、家族や仲間とともに移動式のレストランを開業し、新たなスタートを切るのでした。

 

◎おすすめポイント

「挫折した人間が仕事環境を変えることで、別の幸せを手に入れるというストーリーです。主人公のカールは総料理長という立場を失いましたが、移動式のレストランを開業したことで、自分らしい働き方のできる職場を手に入れました。しかも疎遠だった家族との絆もつくれたのです。

必ずしも大きな組織に属していることだけが幸せなわけではありません。もしかしたら小さな会社にも、自分の天職ともいえる職業があるのかもしれませんよ」

 

まとめ

今回紹介した作品の主人公たちは、困難にぶつかりながらも前向きに仕事に取り組んでいます。そして最後は成長し、新しい道を切り開いています。皆さんも憂うつな気持ちになったときは、今回紹介した“やる気映画”を鑑賞して、主人公たちのような前向きに仕事を取り組むパワーを手に入れてみませんか?

 

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識者プロフィール

米崎明宏(よねざき・あきひろ) 映画雑誌『SCREEN』の6代目編集長。1986年に近代映画社に入社し、『SCREEN』の編集を担当。2007年に編集長に就任。これまでオードリー・ヘプバーン、ジョニー・デップ、ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイなど取材した映画スターは数知れず。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を応援する会のメンバー。