ビジネスや人間関係の形成において、自分を一発で相手に覚えてもらうことができれば、仕事をとても有利に進められます。

そこで今回は、一発で自分を覚えてもらう方法を、株式会社話し方研究所 代表取締役の福田賢司さんにお聞きしました。

 

自分を一発で覚えてもらうメリット

まず、ビジネスにおいて自分を覚えてもらうメリットとは、なんなのでしょうか。福田さんは次のように言います。

「相手が毎日たくさん出会う人の中から、自分のことをより強く覚えてもらうよう努力しなければ、自分はその他大勢の中に埋没してしまい、覚えてもらえないという結果になります。それは、ビジネスチャンスを自分より印象の強い誰かに奪われてしまうことにつながるのです。

たとえば名刺交換をしてから数週間後に、相手に電話をして『どちら様ですか?』などと言われてしまえば、その先ビジネスに発展する可能性は極めて低いでしょう。

逆に言えば、自分を一発で覚えてもらうことができれば、のちに大きな利益を得られる可能性が高くなるのです」

 

相手に一発で覚えてもらう7つの方法

それでは、相手に自分を一発で覚えてもらうためにはどんなことをすればいいのでしょうか。福田さんは次の7つを挙げます。

 

◎自己紹介は、情報と具体例を結びつけて伝える

「誰かと出会ったとき、自己紹介はとても大切です。しかし自分の前職や会社内での役割など自分に関する情報だけを話しても、ほとんど覚えてはもらえません。

そこで、情報をヒモ付けることで記憶に残す、という記憶術を使い自分自身の個性や特徴といった、情報の具体例を結び付けて伝えることが大切です。たとえば、「イチゴが大好きで、イチゴ狩りで100個食べたことのある前田さん」というように、エピソードがくっついていると覚えやすいものです。

 

◎“そこそこ”ではなく“徹底した明るさ”をアピールする

「『なんか暗そうな人だな』といったネガティブな印象では、誰も自分を覚えてはくれません。万が一、覚えてもらっても、結局は話を聞いてもらえない、次の約束につながらない、という結果になってしまいます。そこで、ビジネスの基本である『明るいイメージ』を強く演出し、自分を覚えてもらうことが重要です。

ここで強調したいのは、“そこそこの明るさ”では逆に印象に残らないということです。“徹底した明るさ”を意識し、あいさつ時の声や笑顔の表情も忘れずに会話をして『この人、明るい人なんだな』という印象付けをしましょう」

 

◎自分が話すことより、相手を知ることを優先する

「誰しも、自分の話を聞いてもらいたいという心理的な欲求を持っています。自分の話を一生懸命聞いてくれる人に、嫌悪感を持つ人はいないでしょう。人との最初の出会いにおいては、まくしたてて話すのではなく、相手にしゃべらせるような工夫をすると、好印象が残ります。

たとえば、相手に『ご出身はどちらですか?』という質問をした場合、相手が答えたあとすぐに『私は○県なんです。○県はですね……』と自分の話を展開するのではなく、『ご出身の〇県は〇〇が有名でしたよね』と相手の話題で話を展開させましょう。自分のことを分かってもらおうと焦らず、まずは相手を知ることから始めるのです」

 

◎相手との共通点と相違点を発見する

「自分と同じ趣味を持っていたり、自分と同じスポーツチームを応援していたりといった共通点は、好意・好感を持ってもらうために大事な要素です。

会話の中で共通点が見つかれば、相手の距離を縮める絶好のチャンス。ですが、ここでも自分の知識をひけらかすことなく、相手の話を聞くことを優先させながら、共通の話題を盛り上げていきましょう。

同時に、相手と自分との相違点も見逃さないようにしましょう。たとえ相違点であっても、ちょっとした意見交換が相手の関心を引く重要なチャンスにつながる場合もあるからです」

 

◎関心のない話題こそ掘り下げる

「共通点探しに気をとられていると、『自分は関心がない相手の関心ごと』を聞き流してしまう可能性があります。自分は関心がない話でも、実は良いチャンスになります。

そういった話に対して、『そうなんですね』と相手の言動に安易に同調するのではなく、『えっ、そうなんですか? 初めて知りました』と話を掘り下げましょう。すると、『自分の話に興味を示してくれている』と相手は思い、記憶に残りやすい存在となるのです」

 

◎相手に有益な情報をプレゼントする

「人間には『返報性(へんぽうせい)』という心理があり、何かをもらうとお返しをしなければいけないという思いを持ちます。自分のことを覚えてもらうにはこの心理を応用するのが有効です。つまり、相手の好む情報をプレゼントすることで、返報性の心理を持たせるということなのです。

両者の仕事には直接関係ない話でも全く問題ありません。流行や面白い小説、おいしいお店など、相手が知って得する情報を紹介してあげましょう。それをされて悪く思う人はいないと思います。

そして、その情報が役立ったときに、『お礼に今度はこちらから紹介しよう』と相手に思わせ、自分を思い出してもらうことができれば、相手の記憶に強く残ります。そのおかげで再度連絡が来て、長い付き合いをしているという例もあります」

 

◎メールで、相手にもう一度自分を思い出させる

「ポジティブな態度で楽しい雑談を行い、共通点や相違点が見いだせたとしても、相手はあなたと会う時間が終われば、多忙な現実に戻っていきます。

すぐに最初の印象は薄れ、数日経つと忘れられてしまうものです。そのため、ここで終わりにしてしまうと相手の頭の中に自分は残らず、せっかくの自己紹介をした意味がありません。

そこで、後日メールでお礼を送るとき、出会った際の会話を思い出すような一文を添えましょう。そのちょっとした一手間が、相手に自分を印象付ける秘訣です」

 

まとめ

いかがでしたか? いつも「出会ったのだけどあまり相手に覚えてもらえていない気がする……」という方は、この機会にどのようにすれば相手に一発で覚えてもらえるのかという、“出会いの戦略”について考えてみてはいかがでしょうか。

 

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識者プロフィール

福田賢司(ふくだ・けんじ) 株式会社話し方研究所 代表取締役。創立34年の話し方研究所は、「話し方で損をすることがないようにノウハウを伝えていく」をモットーに企業や官公庁での教育研修を担当している。6月11日(土)には自己PR力向上セミナーを開催予定。誰でも受講可能な公開講座も多く担当する人気講師。