「仕事は完璧を目指すもの」、そう思っている若手社員は案外多いかもしれません。しかし、実は優秀な人ほど「手抜きが上手」といわれていることを知っていますか? そこで、仕事術やタイムマネジメントをテーマにした著書が30万部に迫るベストセラーとなっている作家およびセミナー講師の松本幸夫さんに、仕事を効率よく進めるための「手抜き習慣」を教えていただきました。短い時間で効率よく成果をあげる人は、一体どこが違うのでしょうか?

 

手を抜くことは悪いことではい

「手抜きというとネガティブに聞こえるかもしれませんが、そんなことはまったくありません」という松本さん。もちろん、完璧にこなさなければいけない仕事もありますが、逆にすべてにおいて完璧を目指す「完璧主義」の人には、こんなデメリットがあるそうです。

 

・ひとつの仕事が遅れるとすべてが後手後手になり、残業が発生する

・さらに後回しにした仕事の納期が遅れてしまうと、信用度が下がる

・「完璧に仕上げなければ」というプレッシャーがストレスになりやすい

 

「仕事を効率よく進めるには、“バランス”が大事です。仕事においての手抜きとは、あくまでも“重要度が高い仕事に集中するための必要な休息”、“無理なく仕事を効率化するための方法”だと捉えましょう」(松本幸夫さん:以下同じ)

 

手抜き術を取り入れる前に、これだけはやっておこう!

手抜きワーク術を取り入れる前には、1つ覚えておくべき必須ポイントがあるそう。

 

「まず、自分が上司にどんなイメージを持たれているか考えてみましょう。日頃から一生懸命に取り組み『真面目に働く人間だ』という印象があれば、すぐにでも手抜きワークを実践して大丈夫。しかし、そうでない場合は『サボっている』と思われてしまう可能性も……。

そのため、新入社員など若手にあたる人はとくに実践してほしいのですが、まずは上司に『がんばっている姿勢』をアピールすることから始めてください。少々あざといと思うかもれませんが、あえて上司が見ているときに電話をかける、取引先と打ち合わせをするなども取り入れ、『安心して仕事を任せられる人間だ』という印象を相手に植え付けることも必要です」(同)

 

実践しやすい7つの手抜きワーク術

それでは、手抜きワークを成功させるポイントを踏まえたうえで、誰でも実践しやすい「手抜きワーク術」を7個に絞り伝授していただきました。

これらを実践することで、無理なく仕事の効率をUPさせることができるそう。なかには意外なテクニックもあるかもしれませんが、固定観念をもたずに柔軟に受け入れることが大切ですよ。

 

1:「完璧にすべき仕事」と「手抜きができる仕事」を振り分ける

「完璧にすべき仕事には、いくつかポイントがあります。『明確な納期がある仕事』、『社外に向けた仕事』、そして『自分にしかできない仕事』。基本的にこれらは手を抜いてはいけない仕事です。それ以外の仕事については、手抜きができる仕事に振り分けましょう」(同)

 

2:隙間時間にできる仕事をリスト化しておく

「仕事をするなかで、ときどき自分ではコントロールできない隙間時間が生まれることがあります。たとえば、アポイント先のお客さんが遅れている、電車が事故で止まってしまった、など。ちょっとした時間にできる重要度の低い、手抜きができる仕事をリスト化しておけば、隙間時間をムダなく活用できます」(同)

 

3:無理せず余白込みのスケジュールを立てる

「効率よくこなすにはスケジュール調整が必須。その際、必ず“余白”をつくることを意識しましょう。余白は、タスクの整理や片付けもの、リラックスタイムに充てます。作業だけでスケジュールを埋めてしまうと、1つ遅れたときに調整ができなくなるからです。そこで組み込めなかった仕事はキャパオーバーと捉えて、先輩に相談するなり、手伝いを頼むなりするべき」(同)

 

4:集中する前に「リラックスタイム」をつくる

「重要な仕事の前には、リラックスタイムを設けると集中力が高まります。たとえば営業職なら、重要な商談の前に電車内やオフィスビルのロビーなどで、気持ちを落ち着かせるといいでしょう。それ以外の職種でも、できれば場所を変えて一息ついてから仕事に取り掛かるのがオススメです」(同)

 

5:15分作業して5分休む

「人間が集中力を維持できる時間は、決して長くありません。1時間以上、集中できる人はごくまれ。意外かもしれませんが、15分を1コマと考え、『15分作業をして5分休む』というサイクルを続けたほうが、結果的に成果があがることが多いんです。集中できる時間は個人差もありますので、自分にとってもっとも効率がいいサイクルを知っておきましょう」(同)

 

6:気が乗らないときはハードルを下げる

「誰にでもモチベーションが上がらないときはありますよね。そんなときは『とりあえず5分だけやろう』というふうに、ハードルを思いっきり下げてしまいましょう。とりあえず手を付けることさえできれば、その後は思いの外スムーズに進みますよ」(同)

 

7:休日に仕事はしない

「手抜き術とは、何も仕事中だけの話ではないんです。オフの使い方にも配慮が必要。常に心が安定している状態を保つためにも、なるべく休日は仕事を切り離すようにしましょう。何か没頭できる趣味をもったり、仕事とは関係ない人間関係を築いておくのも、将来への投資になります」(同)

 

まとめ

「仕事が思うようにはかどらない」と嘆いている方は、もしかすると力加減を誤っているだけかもしれません。リラックスした状態で力の入れ具合を調整することで、格段に効率がUPするはず。まずは、「手抜きができる仕事」を見つけることから始めてみませんか?

 

(オススメ記事)
【小山龍介のノー残業術】仕事を効率化し、残業をなくす3つのメソッド

 

識者プロフィール

松本幸夫(まつもと・ゆきお) 東京都出身。小学生時代から強度のあがり症で悩み、書籍、話し方教室、武道、ヨガ、瞑想などあらゆる克服法を試みやがて克服する。いまでは、スピーチ、プレゼンテーション、モチベーションの研修で人前で話すことを仕事とするに至る。趣味で著述を行っていたが、現在はセミナー講師とあわせて仕事の中心になっている。手書き、スピードライテイングの実践により、現在220冊を越す著書がある。最近は仕事術、タイムマネジメントのテーマも多く、関連本は30万部に近いベストセラーになっている。 「松本幸夫オフィシャルホームページ」/最新著書『仕事のダンドリ』(同文館出版)