こんにちは。ビジネスマナー講師の金森たかこです。今回は、多くの若手ビジネスパーソンが知っておくべき他社訪問の基本をお伝えします。

 

訪問時の行動が、自分の会社への印象につながる

新入社員であっても、仕事上の用件で他社を訪問する機会は少なくありません。

訪問先でのあなたの印象は、そのままあなたが所属する会社の印象へとつながっていきます。どんなときも、自社の代表であるということを自覚し、相手の立場に立った行動を意識することが大切です。

 

訪問の基本─訪問前の準備編─

・約束(アポイントメント)をとる

他社を訪問することになったら、必ず事前に相手の都合を確かめ、約束(アポイントメント)をとりますよね。

電話の際は、はじめに自分の会社名と所属部署、名前をはっきりと伝えましょう。今、電話で話しをさせていただいてもよいか、相手の都合を伺い、了承を得た後、「訪問の目的」「訪問の日時・場所」「所要時間」などを話します。

その際、必ずおさえておきたいのが以下の3つのポイントです。

 

1.訪問の目的は手短に

新商品の説明、転勤のあいさつなど、なるべく手短に訪問の目的を伝えます。

 

2.訪問日時・場所は、極力相手に合わせる

基本的に、日時や場所は相手の都合に合わせるのが原則です。どうしても都合が合わないときは、こちらからいくつか日程や場所を提示し、相手に選んでいただくという方法もあります。しかし、あくまでも「相手の都合を伺う」という姿勢を忘れてはいけません。

 

3.所要時間の目安を伝えておく

相手の都合を優先することが原則ですが、30分や1時間などとあらかじめ時間の目安を伝えておくと、相手も予定が立てやすくなります。

 

この3つポイントに沿ってアポイントをとったら、最後にもう一度日時と場所の確認をしましょう。もし、会社以外の喫茶店などで会う場合は、事前に互いの連絡先を交換しておくと安心です。

また、やむを得ずアポイントメントを変更する必要がある場合は、それが分かった時点ですぐに連絡をします。直前の変更は、どんな理由であれ相手に迷惑をかけてしまいます。その際は、丁寧におわびの言葉を述べ、変更の理由を説明し、あらためて日時や場所の調整をお願いしましょう。

 

・訪問先の情報収集をする

初めて訪問する場合は、訪問先の事業内容や経営方針などの必要な情報を入手しておきましょう。すでに取引がある場合は、今までの取引状況を調べ、分からないことがあれば上司にたずね、把握しておくとよいでしょう。

また、事前に訪問先の住所、電話番号、交通手段を調べ、訪問先までの所要時間を確認しておきます。遅くても約束の時間の15分前には到着するように逆算して、会社を出る時間を割り出し、手帳に書いておくと当日慌てることがありませんね。

 

訪問のコツ─訪問当日編─

・持ち物、身だしなみのチェック

必要な資料や書類、筆記用具など、忘れ物がないかチェックします。訪問先の担当者名、所属部署、連絡先も控えておきましょう。名刺入れに十分な枚数のきれいな名刺が入っているか確認します。予備の名刺入れも準備しておくと安心です。

上司など、同行者がいる場合には、相手と自分に必要な資料を準備するだけでなく、上司など同行者の分も準備するのが鉄則です。

 

【身だしなみのチェックポイント】

ビジネスでの身だしなみの基本は「清潔感」「機能性」「上品さ」です。相手に不快感を与えない身だしなみができているか、自分自身を客観的にチェックしてみてください。

 

□頭髪は整っているか

□ひげの手入れはできているか

□肩にフケは落ちていないか

□スーツは派手すぎないか、汚れていないか

□スカートは短すぎないか

□ズボンに折り目は入っているか

□爪は整えられているか

□ストッキングは破れていないか

□靴は磨かれているか

 

・余裕を持って会社を出発する

ビジネスにおいて遅刻は厳禁。遅くても約束時間の15分前には到着するよう、余裕を持って出発しましょう。

 

・車で行った場合は後から来る人へ配慮する

社用車で出向き、訪問先の駐車場に車をとめる場合は、入口から遠くの場所にとめましょう。理由は後に来るお客さまへの配慮。訪問先に車でお越しになったお客さまが、入口に近い便利な場所に駐車できるようスペースをあけておくという、相手の立場に立った心遣いです。

 

・玄関前で身だしなみの最終チェック

最後にもう一度身だしなみを整えます。スーツや靴に汚れはないか、髪は乱れていないか、女性の場合、ストッキングは破れていないかなど再確認しましょう。

また、訪問中に着信音が鳴らないよう、携帯電話は電源を切るかマナーモードにしておき、名刺入れは取り出しやすいところに入れておきましょう。寒い季節の場合はこの段階でコートは脱ぎ、裏を表にして三つ折にして腕に掛けます。

身だしなみを整えたら、受付に向かいあいさつをした後、自分の会社名と名前、訪問先の部署と担当者名、約束の時間を伝え、取り次ぎをお願いします。

 

・応接室での待ち方

案内人にすすめられた席で待ちましょう。通常は訪問した側が上座に座りますので、すすめられた席が上座であっても座ってOKです。特に指定がないときは、下座に座ります。

(基本的に出入り口から遠いところが上座、近いところが下座です)

 

待っている間は、以下のことに注意しましょう。

 

1.カバンは椅子の横か、足下に置く

机の上に置くのはNGです。

 

2.コートは軽く折りたたんで、椅子の背に

コート掛けがあり、先方がすすめてくださればそれに従いますが、勝手に掛けないようにしましょう。

 

3.待っている間に出されたお茶は飲んでもOK

応接室で待っている間に、自分だけに出されたお茶は飲んでもかまいません。打ち合わせ中に出された場合は、先方から「どうぞ」とすすめられてから、または相手が飲んでからいただきましょう。

 

4.資料や名刺を準備しておく

相手が来たらすぐに立ち上がれるよう椅子には浅く座り、必要な資料、名刺等を準備しておきます。

 

・面談開始〜終了まで

ドアのノックの音が聞こえたらすぐに立ち上がり、椅子の横に出て丁寧にあいさつします。名刺交換をするときは、テーブル越しではなく相手に近寄って行います。訪問した側(自分)から先に出し、いただいた名刺は両手で丁寧に扱いましょう。上司と同行している場合は、上司の後に続いて行います。

予定の時間内に終わるよう、時間配分を考えながら効率よく話をすすめましょう。話の途中で予定時間がきたら、一応区切りをつけそれまでの話の要点や決定事項を互いに確認し、次の面談が必要な場合は日程などを決めておくとよいでしょう。

用件が済んだ後のちょっとした雑談中、相手が時計を見だしたら、それは時間を気にしているサインかもしれません。すみやかに話を切り上げましょう。

退室の際は忘れ物がないか、自分の出したゴミなどを残していないか確認し、時間を作って会ってくださったことに対するお礼を言って部屋を出ます。予定時間が過ぎてしまった場合は、帰る際に一言おわびをすることを忘れてはいけません。仕事を次につなげるためにも、良い印象を残して帰りましょう。

 

・訪問先を出るまで気を抜かない

エレベーター内でも気を抜かず、私語は慎みます。廊下で出会った方にも会釈をし、受付の方にあいさつをして帰ります。コートは、玄関前で脱ぐと同様に、建物を出てから着用するのがマナーです。

 

・面談後の連絡は速やかに

相手からの依頼事項や、返事をしなければならないことがある場合は、期限内に結論を出してすみやかに先方に連絡しましょう。

 

まとめ

相手先への訪問とは、相手の貴重な時間を割いていただくということです。そのことをしっかり踏まえ、相手の状況や都合に配慮した節度ある振る舞いが大切。そして、相手にとって有益となる情報提供などを行えるよう心がけましょう。

そのためにも、事前の準備をしっかりと行うことはもちろん、自社のことについて質問されたときに自信を持って正確に答えられるよう、普段から自社製品や事業についても、その知識を持ち、理解しておくことが大切です。

自社の代表として訪問するという意識を忘れず、謙虚に前向きに臨みましょう。

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識者プロフィール

金森たかこ(かなもり・たかこ) 京都市在住。ビジネスマナー講師。食品メーカーのOLとして勤務後、フリーアナウンサーとして独立。仕事をする中において、人間関係、コミュニケーションの重要性を感じ、マナーある人間関係づくりのため、マナー講師としての活動を開始する。アナウンサーとして培った話し方、ボイストレーニングを取り入れた独自のマナー研修が人気。テレビ番組などのメディア出演やドラマのマナー指導なども行う。ウイズ株式会社の社長としても活躍中。