こんにちは。ビジネスマナー講師の金森たかこです。今回は、多くの若手ビジネスパーソンが知っておくとよい「上司との飲み会のマナー」についてお伝えします。

社会人になると、業務の終了後に上司や先輩との酒席、いわゆる飲み会に参加する機会があります。飲み会でつい飲みすぎてしまったり、油断をして羽目を外してしまった経験もあるのでは。でも、そこでの振る舞いを上司はしっかりと見ているかもしれません。

上司に気分よく過ごしてもらい、自分自身の評価も上がるかもしれない、「飲み会でのマナー」をみていきましょう。

 

お店の予約から当日の案内

若手社員が飲み会の幹事を務めることは少なくありません。自分が幹事を任された場合、適切なお店選びのためにも事前のリサーチが大切です。ポイントは4つあります。

 

①参加者の食事の好みを調べる
②交通の便を考える(会社の近くがいいのか、駅の近くがいいのかなど)
③予算、支払い方法などを確認する
④幹事経験のある先輩社員に相談する

 

事前のリサーチをもとに候補のお店が決まったら、予約の電話を入れます。日時、人数、予算、そして利用目的やメニュー内容など、なるべく具体的にこちらの情報や希望を伝え、お店にも相談にのっていただきましょう。

ここでお店側と良好なコミュニケーションを築くことができると、お得なプランやちょっとした便宜を図ってもらえるかもしれません。

当日は開始時間の20分前には到着し、お店の人にあいさつをして、料理の内容やお酒の種類など必要事項の再確認をしましょう。事前に化粧室の場所などを確認しておくと、参加者に聞かれたときにすぐに答えられます。部屋のレイアウトを見て席次のチェックをしておくことも大切です。

また、部屋に座って待っているのではなく、お店の前で上司を出迎え、部屋までご案内するとより丁寧です。

 

参加者が着席、乾杯をするときに気をつけることは

上司には上座、入口から遠い席に座っていただきましょう。幹事である自分は当然下座、入口近くですぐに動ける場所に座ります。

乾杯の準備として、オーダーの仕方にも注意が必要です。飲み物は勝手に頼まず、上司や先輩方に「お飲み物は何がよろしいでしょうか」と確認してからオーダーするとよいでしょう。
そして、全員に飲み物が行き渡ったことを確認したら、いよいよ乾杯です。

 

①乾杯の発声に合わせ、「乾杯」と声を出し、グラスを目の高さまで上げ周りの人に会釈をします。
②一口飲んでからグラスを置きます。会の目的や会場によっては、ここで拍手をすることがありますので、周りの状況をよく見てそれに合わせるようにしましょう。
③自分が幹事の場合は、乾杯の発声をしてくださった方に対して「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えましょう。
④改まった場では、グラスは合わせなくてもOKです。
いずれにしても、会の進行をスムーズかつ和やかに進めるためには、常に周りの状況に気を配り、その場に合わせて臨機応変に対応することをおすすめします。

 

お酌をするときに気をつけたいこと

ビールの注ぎ方、いただき方

瓶は両手で持ちます。ラベルを上に向けて右手で瓶を持ち、左手を下から添えるようにして持つと安定感もあり美しく見えますよ。その状態で、泡が立ちすぎないようにゆっくりと注ぎましょう。

ビールを注いでもらうときも、グラスは両手で扱います。右手でグラスの下のほうを持ち、左手の指先をグラスの底にあてます。お酌を受けた後は「ありがとうございます。いただきます」の言葉を忘れないようにしましょう。

 

日本酒の注ぎ方、いただき方

お銚子(首が細く下部が膨らんだ形の、お酒を入れる陶製の容器)の下部の膨らんだほうを右手で持ち、下から左手を添えます。注ぎ口を、相手の方が持つ杯から少し離して杯の8~9分目くらいまで注ぎます。

お酒を注いでもらうときも、右手で杯を持ち、杯の下に左手の指を軽く添えて両手でいただくようにすると美しく見えます。
お酌を受けたら、一口いただいてからテーブルに置きましょう。

 

ワインの注ぎ方、いただき方

正式な場では、ワインを注ぐのはお店の人に任せるのが一般的です。しかし飲み会などのカジュアルなお店では、互いに注ぎ合っても問題ありません。お店やその場の雰囲気、状況に合わせ、和やかにスムーズに進むよう振る舞うことが大切です。

また、ワインを注いでもらうときは、グラスは持ち上げず、注いでもらっている間は手を触れないことが基本です。注ぎ終わったら「ありがとうございます」とお礼を言いましょう。

 

グラスの残量のチェックや気配りについて

上司や先輩方の食事のペースや、お酒の進み具合はしっかりとチェックしましょう。グラスの中の飲み物が少なくなったり空いてしまっていたら、お酌をするタイミングです。
「いかがですか」と声をかけ、残量が十分にある瓶から注ぎます。その際、「いつもお世話になっております」などの言葉を添えると、雰囲気が和らぎます。

お料理や飲み物が少なくなってきたら、適宜追加注文をするなど、常に周りの状況に目を配り、気付いたらすぐに行動しましょう。また、お酒が苦手な方にはソフトドリンクをすすめるなど、皆がたのしめるような雰囲気づくりをすることも大切な役目です。

飲み会の席では、会話の内容にも注意が必要です。特にうわさ話やその場にいない人の悪口などは禁物。また、「無礼講で」と言われたからといって、何をしても、何を言っても許されるということではありません。

相手の表情に注意して、自分の態度や話が相手にどう思われているかに気付けることが大切です。そのためにも、けじめを忘れず、最後まで節度ある態度で臨みましょう。

 

飲み会の締めくくりは

飲み会がお開きになったからといって、全てが終わったわけではありません。上司にごちそうしていただいた場合はもちろん、会費制の場合であってもキチンとお礼の気持ちを伝えましょう。

 

「本日はごちそうになり、ありがとうございました」「とてもたのしく貴重な時間でした。ありがとうございました」など、その状況に合った適切な言葉でしっかりとお礼を。また、翌日会ったときにも「昨日はごちそうさまでした」「昨日は貴重な時間をありがとうございました」などと、再度お礼を言うことをおすすめします。

 

会えない場合は、メールでお礼の気持ちを伝えるとよいでしょう。目上の方に対して、しっかりと感謝の気持ちを伝える。ただそれだけであなたの印象は大幅にアップすることでしょう。

 

まとめ

上司との飲み会は気を使うから行きたくない、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、上司との飲み会で気をつけることは、取引先を接待する場合や、プライベートで目上の方と食事に行くときなどにも、応用できることが多々あります。

また、業務終了後の飲み会の場だからこそ聞ける話もあるかもしれません。飲み会はコミュニケーションの場、上司や先輩方の知らなかった一面を知り、また、自分自身を知ってもらえるチャンスの場であると前向きにとらえるとよいでしょう。

マナーを心得た振る舞いで、上司に信頼され、かわいがられるビジネスパーソンになってくださいね。

 

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識者プロフィール

金森たかこ(かなもり・たかこ)
京都市在住。ビジネスマナー講師。食品メーカーのOLとして勤務後、フリーアナウンサーとして独立。仕事をする中において、人間関係、コミュニケーションの重要性を感じ、マナーある人間関係づくりのため、マナー講師としての活動を開始する。アナウンサーとして培った話し方、ボイストレーニングを取り入れた独自のマナー研修が人気。テレビ番組などのメディア出演やドラマのマナー指導なども行う。ウイズ株式会社の社長としても活躍中。