複数の会社で代表を務めている起業家・岡田充弘さん。多忙な毎日を送っている岡田さんですが「どんなに忙しくても、仕事は定時で終えている」と話します。

そんな離れ業ができる理由の一つが、パソコンでの作業仕事を“超速”で処理するための裏ワザを使っているからなのだとか。

 

岡田さんは裏ワザのうち厳選した80個を著書『仕事が速い人ほどマウスを使わない! 超速パソコン仕事術』にまとめています。岡田さんが実践している仕事がもっと効率化する!“超速”のパソコン時短術とは一体どんなものなのでしょうか? 今まで以上に仕事がサクサクはかどるパソコン技をいくつかを紹介していただきました。

 

20代の今のうちに一つでも多くパソコンの時短ワザを身につけておけば、より自分の仕事を効率よく進めることができ、まわりとの差もつけられるはずです。

 

今回解説いただいたソフトウェアのバージョンは以下のものになります。基本的に以下のどのバージョンでも使える「基本のワザ」を紹介していますのでぜひ試してくださいね。

・MicrosoftWindows 8.1     ・MicrosoftWord 2010

・MicrosoftExcel 2010     ・MicrosoftOutlook 2010

・MicrosoftInternetExplorer 11

 

まず見直したい、パソコンで仕事が遅くなる3つの理由

パソコンの使い方が原因で仕事が遅くなるのは、たいていの場合「次の3つに集約されている」と岡田さんは指摘します。

 

①パソコン自体が遅い

②パソコン上で探し物をするから遅い

③マウスを使っているせいで遅い

 

特にMicrosoft WindowsのOSは、初心者のユーザーを取り込むように開発されているため、業務上で利用するにはかなりおせっかいな機能もたくさんついているのだとか。ムダな視覚効果を取り除いたり、常駐ソフトを停止したりして初期設定をちょっと変更するだけでもパソコンの動作が高速化し、パフォーマンスの速度が改善されるそうです。

 

「また、デスクトップにフォルダやファイルをたくさん置いておくと、メモリが圧迫されて起動が遅くなる要因となります。スタートメニューには、アプリケーションだけでなく、ドラッグ・アンド・ドロップすることでフォルダやファイルを格納することができますから、よく使うフォルダやファイルはここに保管しておくのがオススメですよ。

 

そうすれば、パソコン使用中は【Windowsキー】でスタートメニューを開き、【十字キー】→【Enter】の操作で開きたいファイルを選択できます」(岡田さん、以下同)

 

アプリケーションは使用頻度で分類すべし

では「②パソコン上で探し物をするから遅い」「③マウスを使っているせいで遅い」について解決するには、どのような対策を行えばいいのでしょうか?

 

「自分のパソコンに入っているアプリケーションの使用頻度を見直し、『よく使うもの』と『たまにしか使わないもの』に分類するだけで、パフォーマンスは大いに改善されますよ。なかでもオススメなのが、次の2つの時短術です」

 

◎その1「タスクバーからのアプリ瞬間起動」

タスクバーに、よく使うアプリケーションを登録します。タスクバーとは、画面の下にある帯状の部分。以下の準備から始めてみましょう。

 

■準備

1.タスクバーにアプリケーションのショートカットをドラッグ・アンド・ドロップ。

2.最大10個まで登録が可能、使用頻度が高いものを置きましょう。

 

こうしておくことで、マウスを使うことなく、次の方法でアプリ起動ができるようになります。

 

■使い方1

Windowsボタン(以下【Windows】)+対応する数字キー(【1】〜【0】)

※アプリを並べた左からの順に「1、2、3、4、5、6、7、8、9、0」のキーに対応

■使い方2

【Windows】+【T】を押してから【←】【→】で使いたいアプリを選択

 

◎その2「よく使うアプリケーションを一発起動する(ランチャー機能)」

その1「タスクバーからのアプリ瞬間起動」で登録できるのは10個まで。これよりも多く「よく使うアプリ」がある場合は、以下の手順でランチャー機能を使いましょう。

 

■準備

1.スタートメニュー→指定のアプリ→プロパティ

2.ショートカットの欄に任意の半角英字1文字を入力

3.何か1文字でも入力すれば【Ctrl】+【Alt】の部分が自動入力される

 

■使い方

【Ctrl】+【Alt】+【指定した任意の半角英字1文字】の同時押し

 

「これら以外の『たまにしか使わないアプリケーション』は、スタートメニューから起動すると便利です。もしくは【Windows】を押せば、自動的にスタートメニューが一瞬で開き、ここから十字キーで選択することができます」

 

日頃の業務はショートカットを使いこなして時短せよ

「パソコンで作業をしていると、複数のアプリケーションを同時に起動している状態になることがよくあります。実はこういうときにも“キーボードショートカットキー”を使えば、ファイルやアプリケーションをさくさくと瞬時に切り替えることができるんです」

 

ショートカットとは、パソコンのキーボードを使い、パソコンの操作を簡単に行うための機能のこと。20代のビジネスパーソンの中には、日々のデスクワークでよく使用するコピーやペースト、カット、プリントなどコントロールキーをメインとしたショートカットの基本操作に慣れている方も多いでことでしょう。

その上で、意外と知られていないけど、身につけるとさらに効率が上がる・時短ショートカット操作についてお伝えします。合わせ技でご利用くださいね。

 

まずは、起動しているアプリやドキュメントの切り替えに関するもの。わざわざマウスを使わずにキーボード上で切り替えることができれば、仕事の効率も上がるはずです。

 

■【Alt】+【Tab】:起動アプリの切り替え①

起動しているアプリの選択画面が現れるので、【Alt】を押したまま【Tab】を複数回押すことで、使用したいアプリを選択できる。

 

■【Alt】+【Esc】:起動アプリの切り替え②

上記の選択画面を表示させることなく、アプリを切り替えられる。

 

■【Ctrl】+【F6】:ドキュメントの切り替え

同一アプリケーション内で複数のドキュメントを開いているときに切り替えができる。

 

さらには、パソコンで作業をしていれば、複数のウィンドウが画面上に表示されているなんてこともありますよね。そんなときには、こんなウィンドウ画面に関するショートカットが便利です。

 

■【Windows】+【←】または【→】:ウィンドウ画面の左寄せ/右寄せ

ウィンドウ画面を左端か右端に寄せることができる

 

■【Alt】+【スペースキー】+【M】:ウィンドウ画面の移動

十字キーで、自由にウィンドウ画面を移動することができる

※最大化していない状態で可能

 

■【Alt】+【スペースキー】+【S】:ウィンドウ画面のサイズ調整

十字キーで、ウィンドウ画面のサイズを調整できる

 

■【Windows】+【↑】:ウィンドウ画面の最大化
■【Windows】+【↓】:ウィンドウ画面の最小化

 

また「少し離席したい」というときには、

 

■【Windows】+【L】:瞬時にロック画面に切り替える

 

なんてショートカットも。さらには、自身のパソコンやOSのスペックを知りたいときには、

 

■【Windows】+【Pause/Break】:システム情報のウィンドウを開く

 

で、瞬時にシステム情報を確認できます(この後に【Backspace】を押せば、コントロールパネルも開きます)。

 

「ショートカットのほかにも、必要なファイルをすぐに見つけられるようにフォルダの階層を整理したり、ファイル名自体のネーミングにルールを決めたりする方法もオススメです。

ちなみに、パソコンの中にあるたくさん既存ファイルの名前は、ファイルを選択→【F2】の操作で素早くファイル名変更が可能に。さらに、ファイル名を変更した後に【Enterキー】を押さずに【Tabキー】を押すことで、その下のファイルを続けてリネームできるようになります」

これらを駆使することで、パソコンでの作業時間がぐっと早まりそうですね!

 

パソコンの制約から解放されるための、最低限の技術

1990年代後半、目まぐるしいスピードでビジネスの場にパソコンが普及していきました。しかし岡田さんは「会社でパソコンを操作している時間が大半を占めていても、完全に使いこなせている人は少ないのでは?」と指摘します。

 

岡田さんは日本電信電話株式会社の法人営業でトップの成績を収め、その後は会計系コンサルティング会社へ転職。その過程の中で、当初は「テレビゲームの裏技を試すような感覚」で、Windowsパソコン操作にまつわるノウハウを身につけていったそうです。

 

「それまでに使っていなかったショートカットを使ったり、パソコンを使いやすくするための設定変更を施したりすることで、感覚的には1日が30時間くらいになった」と岡田さん。そんな岡田さんはこうした「時短技」により仕事効率が上がった結果、「生まれた時間を自分の成長と人との交流のため――旅行、トレーニング、読書、セミナー・交流会・展示会・ワークショップ、勉強、新企画の練り上げなど――に費やしている」と話します。

 

「パソコンを操作していないときの仕事――人と会ったり、どこかに出かけて経験を増やしたり――のほうが絶対に価値あるものだと思っているので、僕が啓発しているノウハウは『パソコンで仕事をしなければいけない』という時間の制約から解放されるための、最低限の技術だと思っていただければうれしいですね」

 

すぐにでも実践できる超速パソコン仕事術、皆さんも今日から取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

キャリアコンパスでは、役に立つ時短エクセル技やプレゼン上手になるパワーポイントを駆使した資料作成術も公開中。今回ご紹介したショートカット技と合わせて効率よく毎日の仕事をこなしていってくださいね。

(取材・文:安田博勇)

 

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識者プロフィール

岡田充弘(おかだ・みつひろ)
1996年日本電信電話株式会社に入社。その後は、会計系コンサルティング会社、組織・人事戦略コンサルティング会社を経て、2006年から甲南エレクトロニクス株式会社にマネジメントディレクターとして参画。2008年よりカナリア株式会社へ商号変更すると同時に、同社代表取締役に就任。2013年、脱出ゲーム企画会社のクロネコキューブ株式会社を設立。2015年、ミニマル建築・デザインを行うウズラ株式会社を設立、いずれも代表取締役に就任。再生家・起業家・投資家など複数の顔を持ち、世界各所で多くのプロジェクトを同時進行させるかたわら、若手人材の発掘・育成にも尽力している。著書に『仕事が速い人ほどマウスを使わない! 超速パソコン仕事術』など。