あなたは普段、どんな夢を見ていますか?

夢といってもいろいろなシーンやシチュエーションがありますが、20代のビジネスパーソンの中には「寝ているときも仕事の夢を見てしまう……」という方がいるのではないでしょうか。

 

「仕事の夢」は、あなたの仕事に対する意欲や能力を暗示しているのだそう。今回は、カウンセリングサービス所属・心理カウンセラーの熊谷佐知恵さんに、仕事の夢と心の関係性や、仕事の夢を見るときはどんな心理状況であるのか、話を伺いました。

 

夢はあなたへのメッセージ

まず、夢と心にはどのような関係性があるのでしょうか?

 

「私たちが眠りにつくと、頭の中では顕在意識が静まり、代わりに潜在意識が活発に活動を始めます。睡眠中の潜在意識は日中の活動内容の情報処理をしてくれているのです。そのため、夢はものごとが順調にいっているのか、どこで行き詰まっているのか、どこへ向かっているのか、あるいは自分のどんなところに目を向けるといいのかについて、メッセージを教えてくれることがあります。

 

また心理学では、夢に登場する人物はすべて自分であると解釈します。夢に出現する登場人物のものごとの見方や感じ方に対して、『なんで私はこんな夢を見たのだろう』と興味を持っていただければ、より深く自分を理解するチャンスになるかもしれません」(熊谷佐知恵さん、以下同)

 

夢を理解することは、自分を理解するための一つの手段となるかもしれませんね。

 

よくある?9つの仕事の夢とその解釈法

夢の中でも仕事をしていた……というビジネスパーソンの話を聞くことがありますが、よくある仕事の夢のパターンには、それぞれどのような意味があるのでしょうか? 9つの夢について紹介するとともに、それぞれの夢の解説をしていきましょう。

 

⑴ 仕事に不安を感じながら、追い立てられる夢

「普段、目の前の仕事に一生懸命取り組んでいるときには、自分の感情は抑えていませんか? そのような感情に対するプレッシャーやストレスを、眠っている間に解放しようとしている場合に見る夢といえるでしょう。

もし、このような夢を立て続けに見るようであれば、一人で抱え込まずに誰かに相談したり、協力や応援を求めるなど、仕事中のプレッシャーやストレスを解消できそうなことを取り入れてみるといいかもしれません」

 

⑵ 好きな人と仕事をする夢

「もしかしたら、あなたの願望を表しているのかもしれませんし、実際に好きな人と仕事をする機会があり、それがとても心躍るような充実した時間になっているのかもしれません。

この夢は、夢の中であなたがどんな感情を体験しているのかが最もポイントとなります。もし、好きな人と仕事をしているのに、うまく話せないなど相手との壁を感じるような夢であれば、それは今のあなた自身の課題を表しているのかも」

 

⑶ やったことがない仕事に挑戦する夢

「これまでの仕事の姿勢や実績が認められて、新たなチャンスが近づいているのかもしれません。また、希望に胸を膨らませながら、新しいことにもチャレンジしていける準備が整った状態である場合にも」

 

⑷ 恋人と一緒に転職の話をする夢

「あなたが自分自身の変化を望んでいることを表しているのかも。何かを変えるのにまだ不安や迷いがあるため、誰かに聞いてもらいたい、応援してもらいたい、背中を押してもらいたい、あるいは反対される怖れを、夢という形で表しているのかもしれません。

普段から人の目や意見を気にし過ぎる傾向はありませんか? 反対に恋人から転職の相談をされるような夢は、二人の将来を心配するような場合に見ることも。もしそうでなければ、あなた自身が何かを変えていきたい意欲があることを自覚させられるような夢、ということでもあります」

 

⑸ 休職・求職中にもかかわらず忙しく働いている夢

「あなたにエネルギーが戻ってきて、仕事をしたい意欲が湧いてきていることを示す場合もありますし、休職が必要になった当時の忙しさやストレスを、感情や感覚的に解放していることも考えられます。

夢の中であなたがどのような感覚や感情を持っているか。それが仕事に対する今の気持ちの表れ、ということも」

 

⑹ 仕事を引き継ぐ夢

「ステージアップの時が近いのかも。実際に昇進や異動の見込みがある場合や、同僚や先輩の異動、休職、あるいは退職が予定されているときなどにも、その後の展開を想像して見ることが多いといえるでしょう。

自分の潜在的な“思考癖”を材料として見ていることが多いので、自分が何かを予測する傾向が強い夢になっているかもしれませんね。

いずれにしても、仕事を引き継ぐということに対しての“心の姿勢”が表れます。変化を前にしてなんとなくプレッシャーやストレスを感じやすい方、あるいは抵抗したり拒絶したりしてしまう癖のある方にとっては、嫌な夢を見たというような体験になることも。変化への準備がある人にとっては、任されることへの意欲的な自分が感じられたり、やる気がみなぎる自分へのOKサインとして受け取れるものになるでしょう。

その出来事における意味や解釈も、本当は自分で選べるのだということに気づけるとよいですね」

 

⑺ 現実と同じように忙しく働く夢

「夢の中で充実感が得られなかったのであれば、のしかかるたくさんの仕事に対してプレッシャーを感じ始めているのかも。

一つひとつ、今までどのような仕事を完了してきたかに目を向け、自分が達成してきたものに気づいたり認めたりすることができたら、永遠と続くようなプレッシャーからは解放されていくかもしれません。

この夢は、あなたが意識する日常の部分に何らかの区切りをつけて、メリハリが持てるといいよ、と教えてくれているのではないでしょうか」

 

⑻ 意欲的に働く夢

「仕事を通じて充実感を味わえることを示しているメッセージですね。世界の広がりと人とのつながりを感じながら、自分自身が大きく成長していけそうな予感が表れていると捉えることができます。

実際の日常の延長の夢だとしたら、自己肯定感も高く新しい可能性を待ちわびて、とても前向きな予感に溢れた夢だといえるでしょう。

この夢が教えてくれているメッセージは、あなたが意欲的に働いているときの感覚を、より意識化して教えてくれているもの。心を開いて私たちが何かに意欲的に取り組めるときは、決して閉鎖的な心ではないはず。

夢の中で体感した意欲的に働く自分の姿勢を日常でも心掛けることができたなら、自分が仕事を通じて成長していく喜びを実感していけるのではないでしょうか」

 

⑼ のんびり優雅に仕事をしている夢

「このようなビジョンやイメージが印象に残るシーンを夢として見ているとしたら、それはあなたの願望や憧れに由来するものかも。どんな髪型でどんな服装をしていましたか? どんな場所で、どのような仕事をしているのでしょうか? また、どのような人たちとそうしているのかを鮮明に思い出してみてください。

それはどんな感覚でどんな感じがするでしょうか。夢の実現に向けて、必要な情報を今後の選択に活かしていけるといいですね」

 

夢を客観的に捉えて仕事へ活かすべし

仕事の夢がどのようなことを暗示しているのか、なんとなくご理解いただけたのではないでしょうか。夢の啓示とは反対に、心の持ち方が変われば、仕事への意欲やモチベーション、見方も変わってくるものなのか、熊谷さんに聞いてみました。

 

「ポジティブでワクワクするような夢は、それだけで日常をより肯定的に捉え、あなたのやる気を高めてくれます。先ほどの9つの例であげたように、ネガティブな夢が必ずしも悪い予感ではないことをお分かりいただけたのではないでしょうか。

 

目が覚めても覚えているような印象深い夢を見ることの意義は、あなたが置かれている今の心理状態に気づき、客観的に据え直す機会ができるということでもあります。

夢から得た気づきをもとに、どのような姿勢で現実の機会に臨むかで、感情や意欲、モチベーションは変えていくこともできるのです。

 

このように、夢は私たちの抑圧していた感情を解放するためや、私たちが抱えている不安や疑問、願望を自覚するためのものの課題に対する解決のヒントを教えてくれるものでもあります。夢が教えてくれるメッセージは、今、現実の世界であなたが置かれている状況や心象に、気づきと考察を与えるための手掛かりになるのです」

 

時には夢に頼ってみる?

「例えば現実の中で、限界を感じて『もうダメだ!』と思ったとき、普段では考えられないようなことが起こったり、あり得ないような行動力を発揮したり、外からの導きによって助けられた、という経験をしたことはないでしょうか。

 

自分のしたいことが見えない、何をしたいのか分からない、どうしたらいいか分からないとき、寝る前に『現状を打破する方法を見せてください』と祈りを添えて眠りにつくといいですよ。そして夢の中で思考が整理されることで、あなたにとっての最適な答えやヒントが見つかるかもしれません」

 

あなたのよく見る仕事の夢の意味には、自分の心の中に眠っている感情や思いなどが反映されていることがあるようです。仕事の夢を通して、自分の本当の気持ちと向き合ってみたり、ストレスをうまく解消する方法を見つけたり、自分が目指すキャリアについて見直してみるのもいいかもしれませんね。

 

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識者プロフィール
熊谷佐知恵(くまがい・さちえ)

熊谷佐知恵(くまがい・さちえ)/カウンセリングサービス所属 心理カウンセラー。
ピンチはチャンス!! 自己成長の機会となる人生の転機のサポートを得意とし、恋愛、仕事や職場での人間関係、職業選択ほか、自己実現など幅広いジャンルに対応する。 カウンセリングでは、日常的で分かりやすいたとえ話を盛り込んだレクチャーと、感覚やインスピレーションを活用するハートフルなセラピーの両面で癒やしのプロセスを後押しするのが強み。「一人で悩まずに、もっと早く利用しておけば良かった!」「的確なアドバイスが腑に落ちた」など、自分のペースで気づき、変化、成長できると定評がある。