昨日、ちゃんと寝たはずなのに、なんでこんなに眠いんだろう…。

 

20代ビジネスパーソンの中には寝起きや昼食後の眠気と毎日戦っている、という人も多いのではないでしょうか。長時間寝たはずなのになぜか頭がスッキリしていない。睡眠不足でスッキリしないけど今日中に片付けないといけない業務がある…。そんなとき、眠気を覚ますべく濃いめのコーヒーを飲んだり、ストレッチをしたり、それぞれに対策をしていることでしょう。しかし業務中ならば、すぐにでも眠気を解消してシャキッと気持ちを入れ替えたいもの。

 

そこで今回は『ホントによく効く リンパとツボの本』をはじめ、ツボにまつわる書籍を多数出版し、JHT日本ホリスティックセラピストアカデミー校長を務める加藤雅俊さんに、仕事中でもさりげなくできてスグに効く、眠気覚ましのツボを教えていただきました! ツボって本当に効くの?という疑問についてもお答えします。

今すぐにでも実践すれば、仕事中の眠気に惑わされることなく効率アップも望めるはず!?

 

体の不調は脳からのSOSサイン

ピンポイントに肌の上から指圧しただけで、本当に眠気はなくなるもの? そんな半信半疑な読者の方もいるはず。そこで体のしくみから順を追って加藤さんにご説明いただきます。

 

「『自律神経のバランス』が悪い、という言葉を耳にしたことはありませんか? 自律神経とは、内臓や血管などの働きを制御して体内の環境を整える役割を担っており、意識しなくても勝手に働く神経のことを言います。何をすれば自律神経は整うのでしょうか? 直接脳に塗る薬なんて、この世には存在しませんよね。

痛みを和らげたり、かゆみを止めたり、薬はあくまでも症状を一時的に止めるためのもの。治すのは自分自身が持つ自然治癒力で、それをコントロールしているのは脳なのです。

 

私たちの体は神経を通して全身からの情報を脳に集め、脳は全身をチェックしています。特に私たちが寝ている間は、体のメンテナンスを集中的に行っています。食べものから摂取した栄養素を体のあちらこちらへ送り届け、傷ついているところを再生させるなど、全て脳が指令を出した上で修正を行っているのです。なので、まず何よりも睡眠は大事。

 

そこでですが、腰痛や腹痛など、体のどこかに痛みを感じたことってありませんか。これらの症状は、体が脳に『気づいてほしい』というSOSサインを出しているということ。本来ならば、自分が痛みを感じる前に脳が先に体の不具合に気づいて、寝ている間に自然治癒で勝手に治しているはず。自分の意識で先に体の不調に気づくということは、脳に神経からの情報が届いていないということです」(加藤雅俊さん、以下同じ)

 

届くはずの神経からの情報が脳に届いていないと不調を解消することができない――。

それを解決するためのヒミツが、実は“ツボ”にあるのだとか。次の項ではさらにそのメカニズムについて詳しくお伝えしましょう。

 

ツボは“神経の交差点”

では、なぜツボを押すことで症状が軽減するのでしょうか?

 

「神経は体中のあらゆるところに張り巡らされています。そして毎日体に関する多くの情報を脳に届けているのですが、情報量が多ければ多いほど車の流れと同じように詰まってしまい交通渋滞が起きやすくなります。道路でも交通渋滞が起きれば、それを緩和するために交通整理をしなくてはなりませんよね。

渋滞が起きている、そこはつまり神経が一番集まっているところであり、神経の交点になっているのがツボなのです。そこで交通渋滞が起きているのならば、ツボを押すことで交点を刺激し、スムーズに流れるようにしてあげるといい。交点は道路が増え、複雑になるほど渋滞が多くなりますから」

 

ツボを押すことで、不調が解消されるメカニズム

1 ツボ押しによってその部分の鈍った神経が活性化して流れをスムーズにする

2 体に関する情報が脳の司令塔である視床下部へ届く

3 脳からの調整命令が出ることによって症状が緩和される

 

「ツボは押せば治る“魔法のスイッチ”ではありません。私たちの体にはもともと自然治癒力が備わっているので多くの場合放っておいても治るものなのです。ただし、運動不足や疲労などで血行が悪くなってしまったりすると体に関する情報がどこかで滞り、脳からの調整命令も出づらくなってしまう。ツボ押しによって痛みが治まったり自然治癒力が高まったりする理由は、刺激によって滞っていた情報が脳にちゃんと届くようになるからです」

 

ツボの効果については大学などの研究機関によって科学的にも証明されています。薬のような副作用もなく、費用が一切かからないのも大きな利点といえるでしょう。近年の研究では、血管を拡張して血液の循環を良くする神経伝達物質が神経から放出されることや、免疫系の細胞が活性化され自然治癒力を向上させることなどが分かっているのだとか。

 

きちんと知っておきたい正しいツボの押し方!

ツボは正しく押せていないと効果が発揮されません。確実に効くツボを押すために、まずはツボの見つけ方からマスターしましょう。各所の痛みやコリ、内臓の不調など、どんな症状にも効果がある万能のツボ、「合谷(ごうこく)」をベースにしてお伝えしていきます。

 

ポイント1・ツボの基準となる骨をチェックして正しく押す

まずはツボの場所を確実に見つけましょう。

 

合谷のツボ
親指と人差し指の骨が交わったあたりから、やや人差し指側に位置するこの赤い点が合谷のツボ。ここを目安に骨をたどりながら骨の内側に指を入れ、押し上げるようにして押す。周辺でツーンと来る場所を見つけましょう。

 

骨のキワを押し上げるように
押すときは骨の上ではなく、骨のキワを押し上げるように。

 

「骨のキワをたどっていき、目当てとするツボを探り当てます。

骨の上を押すのではなく、骨のキワに指を差し込みそこからグッと押し上げましょう。このとき、「ツーン」とか「ビリッ」とする感覚が走れば、ちゃんと押せているということ。感覚がつかめない場合は、骨に沿って少しずつ場所をずらして押してみてくださいね」

 

ポイント2・押し方のキホンを知る

「息を吐きながら徐々に力を入れ『イタ気持ちいい』強さで5秒間押し続けましょう。1つのツボを押す回数は2〜3回が目安。何回も押してしまうと感覚が麻痺して逆に効果が得られなくなってしまいます。肝心なのは自分が“イタ気持ちいい”と感じる強さで押すことです。

時々、痛ければいいと思って強引な強さで押す人がいますが、痛みから筋肉が緊張して硬くなってしまい、ツボをまともに刺激することができなくなってしまいます。そうすると本来の効果が得られなくなるばかりか、患部が炎症を起こしてしまう恐れも。

 

正しい位置・正しい角度で押せば、それほど力は必要ありません。同じツボでも目的に合わせて押し方の強さは変わりますが、今回のように不調を解消するときは、イタ気持ちいいと感じる程度でやや強めに押すのがいいでしょう」

 

その眠気を吹っ飛ばせ! すぐ効くツボ3選!

今こそ頭をシャキッとさせて仕事に集中したい! 眠たいけど今すぐ目を覚まさなきゃいけない! そんなときに役立つ、瞬時に目が覚めるツボを3つ紹介します。仕事中でもさりげなくできてしまうので、周りにいる同僚や上司にも違和感を感じさせません。

 

睛明(せいめい)

重たい眼をスッキリさせます。眼の前がスッキリして眼精疲労にも効果アリ!

 

睛明(せいめい)

 

・ツボの場所

左右の目頭の上あたり、骨の内側のくぼんだ部分を探します。

 

睛明(せいめい)

 

・押し方

骨の内側に親指を当てて押し上げます。くぼみの奥に指を入れる感じで上に押し上げましょう。

 

太陽(たいよう)

自律神経を刺激して脳の疲れをとります。

 

太陽(たいよう)

 

・ツボの場所

まゆ尻と目尻の中央からやや後ろにあるくぼみの内側を探しましょう。

 

太陽(たいよう)

 

・押し方

骨のキワを意識し、骨の内側に指を入れるように押します。

 

風池(ふうち)

肩や首、頭の血行を促して脳を活性化させるため、頭をスッキリさせます。風邪や頭痛、利尿作用の効果もあるのだとか。字のごとく、頭の中に風が通るように頭や気分をスーッと爽快にさせてくれる効果が。

 

風池(ふうち)

 

・見つけ方

首の筋肉から外側にたどって行き、くぼみがあるところを探しましょう。

 

風池(ふうち)

 

・押し方

くぼみに親指を引っ掛けて持ち上げましょう。手を固定したまま頭を支えるように後ろに下げると楽に押すことができますよ。

 

ツボ押しは特別な準備も要らず、いつでもどこでも手軽に行えます。会議中についつい眠くなってしまう、という場合も、数秒間さりげなくツボを押すだけでみるみる目が覚め、頭がさえていくはず!

 

毎日のツボ押し習慣で体調の変化に気づきやすくなる

最後に、20代のビジネスパーソンに向けて加藤さんから一言いただきました。

 

「ツボ押しを毎日の習慣にすることで、自分の体調の変化や体の声に気づきやすくなります。体調の変化は他の人からは見えませんし、自分の体調を自分自身で知ることは体調管理という点でも大切なこと。押すことで自分の体の中の異変に気づくばかりか、より深く自分の体を知ることだってできるし、考えるきっかけにもなるはずです。体調から逆引きして、ツボを押したときの痛みで症状が悪化する前に対処できたりもするんです。

 

20代のビジネスパーソンの中でも、忙しさゆえに薬を多用している方を見かけます。頭痛や生理痛など、その不調とする一部のみに薬の効き目があると思っている方は多いかもしれませんが、薬は血流に乗り全身の細胞に効いているため、あまり頻繁に利用してしまうと健康な細胞まで傷つけることになります。なので、できれば最後の手段として利用しましょうね」

 

体調管理も仕事のうち。いつも最高の状態でパフォーマンスを発揮するためにも、ツボをうまく活用して毎日シャキッとした状態で仕事に集中していきましょう!

(取材・文:東京通信社)

 

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識者プロフィール
加藤雅俊(かとう・まさとし)

加藤雅俊(かとう・まさとし)
ミッツ・エンタープライズ株式会社 代表取締役社長/JHT日本ホリスティックセラピー協会会長/JHT日本ホリスティックセラピストアカデミー校長/薬剤師・体内環境師®
外資系製薬メーカー開発に勤務。プロダクトマネージャー就任後、全国の病院を見てまわり医療現場の問題点に気付く。退社後、薬剤師だから気付けた「薬に頼らず不調を治す」ための食事や運動、東洋医学など多方面からアプローチする総合的な予防医療を確立させ、1995年に起業。「心と体の両方」をみるサロンやセラピスト養成のためのアカデミーを展開。現在、昭和大学薬学部研究室にて「食と運動と脳(心)の病気」の関連性をテーマに研究を続けている。
加藤雅俊主宰サロン/アカデミー/月一セミナー情報 ⇨ http://jht-ac.com

ホントによく効くリンパとツボの本