テレビにラジオ、雑誌やインターネットにSNS…。情報を取得する手段は多数あるものの、20代の皆さんにとっては気になることや調べたいことはインターネットで検索する、というのがスタンダードかもしれません。

現代の情報社会において知識の習得と同等に大事だといえるのは、インターネット上の膨大な情報のなかから自分のほしい情報へ“確実に”たどり着くための「検索」スキルではないでしょうか。

検索の達人である株式会社インファクトの岡田ゆうかさんは、それらの総合スキルを「検索力」と呼んでいます。ビジネススキルをグンとアップさせるための「検索力」とは、一体どんなものなのでしょうか?

 

現代人には必須? 検索力の高め方

皆さんはインターネットで何かを検索する時、自分が本当に知りたい情報にスムーズにたどり着けていますか?

 

なかなか目的の情報にたどり着けず、何時間も検索を繰り返し、気づけば1日の大半を検索の時間に使ってしまっていた……。あるいは、インターネットで得た誤った情報をうのみにしたばかりに、後々痛い目にあってしまった……なんてこともあるのではないでしょうか。

 

WEB&ソーシャルメディアマーケティングを得意とする株式会社インファクトで「企業のメディア化®」アドバイザーを務める岡田ゆうかさんは、検索の達人。岡田さんは「検索は1つのスキルである」と考え、そのスキルを「検索力」と呼んでいます。

 

「この世にある話題で、インターネットで触れられていないテーマはほとんどないと言っても過言ではないと思います。しかし、当然ながらネット上にあるすべての情報が正しいというわけではありません。だからこそ、正しい情報・自分の欲しかった情報にたどり着くための『検索力』が必須スキルになるのです」(岡田さん、以下同)

 

分からないことは“そのまま”検索

岡田さんいわく、検索する時には「分からないことは素直にそのまま検索する」のが一番のコツなのだとか。

 

「たまに『なんて検索すればいいんだろう?』と悩む方がいますが、分からないことをそのまま検索すれば、意外と目的の情報が見つかるものです」

 

例えば、以前にたまたま入ったライブハウスで知らないアーティストが演奏していた曲が気になり、検索で探そうとした場合……。

 

「たとえアーティスト名、曲名が分からなくても、それを聞いた日時、場所、男性or女性……といったことを盛り込んで、文章にしてから検索するんです。例えば、

 

[●月●日、▲▲のライブハウスで歌っていた女性シンガー]

 

といった具合に、そのままの言葉で検索窓に入力します。最初の検索ワードから“助詞”を除き、ある程度短文のキーワードに絞り込めた状態にできれば、サジェスト機能(※)も有効活用したいところですね」

※サジェスト機能:検索窓に文字を入力すると、続く候補として言葉が上がる機能

 

ディスクリプション(説明文)も活用しよう

岡田さんの話は続きます。

 

「また、検索結果画面ではいくつかの検索結果が表示され、見出しやURLの下にはディスクリプションが表示されます。このディスクリプションが、目的に合致した情報であるか否か、の大きなヒントになります」

 

ディスクリプションとは、下の画像のように、検索結果表示時に表れる説明文のことです。

 

ディスクリプション

 

「この部分に、自分の目的にしていた情報がそのサイトでどこまで手に入るのか、ヒントが書かれています。それらのヒントを手がかりに、

 

①そのサイトが目的に合致したサイトであるか

②違っていれば、検索結果の下位のほうまで探してみる

③それでもなければ、他のキーワードも組み合わせてみる

④そうして何度も検索を繰り返すことで本来の目的にたどり着ける

 

といったステップを踏むことができるのです。インターネットへの知識やリテラシーがあまりない人ほど『一発で答えが見つかる』と思っている節があり、一発で見つからなければ途中で『答えがなかった』と諦めてしまいがちです。しかし検索は何度も繰り返すことで、やっと欲しい情報にたどり着けるもの。最初のうちは何度も繰り返すことが大変かもしれませんが、検索力が向上することでその回数も減っていくでしょう」

 

仕事&転職にも役立つ、検索時の基本テクニック

さらに、検索時の基本となるテクニックもあるそう。

 

例えば「完全一致検索」は、検索ワードの前後にダブルコーテーション(" ")を入れることでスペースを含む語句と完全一致した言葉を検索できるテクニックです。ほかに検索ワードが複数ある時に使用する、「OR検索」もあります。こちらは[○○ OR △△]と検索することで、○○と△△、両方の検索結果が表示されます。

 

さらに便利なのが、検索ワードのあとにマイナス(-)を入れることで特定の語句を除外する、通称「マイナス検索」です。

 

「仕事で何かパブリックな情報を得たい時は、誰かが書いたブログの情報なんかが検索結果の上位に表れると、邪魔に思いますよね? そんな時は[-blog]とするのがオススメ。仕事上で不要なものになりがちな、個人のブログから発信される情報がいっさい除外されます」

 

マイナス検索なし

 

マイナス検索あり
比べてみると、表示に違いがあることが分かります。

 

さらにマイナス検索は「転職時にも有効活用できる」と岡田さん。

 

「例えば、[会社名 -会社のドメイン]。その会社のHPから発信される情報が除外され、クチコミやプレスリリースなどのニュースが検索されやすくなるほか、その会社が第三者機関から表彰された時のリリースや、外部メディアによる社員インタビューの記事などが引っかかることも。企業のオフィシャルなサイトからは得られない、有益かつ意外な情報が取得できるかもしれません」

 

岡田さんオススメのブラウザは?

そんな岡田さんが検索時のブラウザとしてオススメするのが「Google Chrome」です。

 

「iPhoneユーザーならデフォルトアプリであるSafariを使っている人が多いかもしれませんが、検索においてはGoogle Chromeのほうが優勢。Googleのアカウントにログインした状態で検索していれば、スマホアプリとPCアプリのクラウド連携も可能です。検索履歴も残せますし、無料で追加・拡張できる機能も充実しています。

先述した通り、検索は地道に、そしてある程度時間をかけて行うべきものなので、会社のPC―スマホ間で同期をしておけば、やりかけだった検索作業を帰りの電車のなかでも続けられ、仕事上のメリットも盛りだくさんだといえるでしょう」

 

ただし、Googleで検索時には「パーソナライズ」という機能が有効になっている時があり、時には注意が必要なことも。

 

「ログインした状態で検索するとパーソナライズという機能が働きます。この機能をオンにした状態だと、同じGoogleの検索システムで同じキーワードで検索しても、AさんとBさんの検索結果は、それぞれの過去の検索履歴によって異なってきます。やっかいなのは、パーソナライズが動いている時は過去に何度か検索したサイトが通常(ログアウト状態)で検索した時よりも上位に表示されること。

Googleのほうで『このユーザー、過去に何度かこのページにアクセスしているな。きっと信頼している、またはユーザーにとって有益な情報サイトなのだろう』と判断してくれ、検索上位に表示させるのです。すなわち、あるユーザーが、ある特定のサイト―例えば堀江貴文さんのブログ―を頻繁に見ているとしたら、堀江さんはよく時事ネタに関する話をブログでも書いているので、時事のキーワードで検索した場合、他のニュースサイトよりも堀江さんがブログで書いた時事ネタのコラム記事が上位に検索される可能性があります。

 

パーソナライズ機能を利用したくない場合は、ブラウザのシークレットモードで検索するなどの対処方があります」

 

シークレットモードでの検索はこのように行います。

通常のブラウザを開いたら、検索窓の端にある三本バーをクリック。すると、「新しいシークレットウインドウ」という項目が出てきます。

 

シークレットモードでの検索

 

この新しいシークレットウインドウをクリックすると…

 

シークレットモードでの検索

 

このような画面が出てきます。ここで検索をすれば、閲覧履歴は残りません。

 

検索結果の“見極め”は、いかにして養うべき?

最後に、岡田さんは昨今のネット検索について次の問題を指摘します。

 

「世の中にはインターネット上に流れている情報がすべて正しいと思っている人が少なからずいます。もちろんそんなことはなくて、誤報もあればフェイクニュースもある。たとえ著名な人が発信している情報でもそれが全て正しいとは限りません。そうした方は、検索をかけて一番上に表示されたサイトの情報が“答えのすべて”であるとうのみにしてしまいがちです……。

 

検索力にはノウハウももちろん大事ですが、第一に『同じモノゴトでも見え方が違う』『人によって考え方も違う』ということを知り、多くの情報のなかから、自分にもっとも有益であるものを“見極める”、そんな能力が必要だと考えられます」

 

では、見極める力を養うためには…? 岡田さんは「ネット以外の情報にいかに触れているかが、案外大切なのです」と話します。

 

「例えば、皆さんが毎朝スマホで見ているニュースアプリ(ニュースサイト)を思い返してください。多くのアプリ、サイトではサービスの利便性が上がり、事前にユーザーが登録したカテゴリーやキーワードに関連したニュースを、自分自身で探さずともさまざまなメディアから集めて提供してくれていますよね」

 

対して、新聞を読むことが習慣づいた比較的年配の人たちは……。

 

「新聞を読んでいるといっても、隅から隅まで読んでいる人なんてほとんどいません。多くの新聞購読者は記事の“見出し”をチェックしていて、興味・関心があればその記事を拾い読むようにしている。これはネット検索の作業にも似ていて、これが検索力の向上に効果があると私は考えています。この時に大事なのは『誰が発信しているのか』。キュレーターやインフルエンサーが発信したキュレーションサイトやニュースサイトではなく、パブリック性があり、新聞社によってきちんと裏取りもされている情報は何なのかを知った上でいろいろな情報を見る。そして正しいかどうかが分かること――それが大きなポイントです。

 

自分の興味・関心にかかわらず、世の中の情報が網羅されている新聞、あるいは(例えば日経電子版のような)特定のニュースサイトを常日頃から購読しておくことで『多くの情報のなかから、どれが自分に必要なのかを見極める』『正しい情報なのかどうかを見極める』という習慣が生まれ、おのずと検索力アップにつながっていくのではないでしょうか」

 

日々膨大な情報に囲まれながら生きている私たち。その中でも自分が本当に必要とする情報を的確に得て、それを咀嚼(そしゃく)して考えたり知識として蓄積していくためには、まずは自分自身で情報を見極めることが重要になってきます。そこで今回ご紹介した「検索力」のスキルが思考力をも伸ばしてくれ、あなたの仕事や成長をきっとサポートしていってくれることでしょう。

 

(取材・文:安田博勇/編集:東京通信社)

 

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識者プロフィール
岡田ゆうか(おかだ・ゆうか)

岡田ゆうか(おかだ・ゆうか)
株式会社インファクト「企業のメディア化®」アドバイザー、同社 京都office責任者、インファクト スタッフブログ4代目編集長。大手システム会社で3年間、広告代理店で8年間、営業兼ディレクターを務めた後、インファクト入社。「企業のメディア化®」アドバイザーとして、企業のオウンドメディア立ち上げ、コンテンツマーケティングの導入、WEBマーケティング コンサルティング、WEBサイト、ECサイト、その他アプリの制作まで、企業の集客・販促を支援する。