「今年こそ英語をマスターしよう!」

キャリアアップやスキルアップを目指して決意をしたものの、20代は業務で覚えることも多く仕事と勉強との両立が難しい……。これまで何度も英語学習に挑戦して、結局身につかないまま勉強から遠ざかってしまった方も多いのではないでしょうか?

 

一般的にビジネスでは、TOEIC®の点数が英語力の評価基準になることが多く、目安としてはスコアが700点を上回れば、英語での業務を任せられるとみなされる傾向があるそうです。

 

そこで今回は、フィリピンのセブ島にある語学スクール「3D ACADEMY」の代表でありTOEIC®スコア970点を誇る森田裕さんに、TOEIC®700点を突破するための「英語学習の流儀」をインタビュー。英語力ゼロの超初心者から、もう一歩で700点に手が届きそうな人まで、レベル別のTOEIC®対策をくわしく解説していただきました。

 

これまで独学での英語学習に挫折した人、あきらめるのはまだ早い! 英語学習でつまずきやすい壁を乗り越えるための考え方や具体的なメソッドを詰め込みました。ぜひ、永久保存版としてご活用ください。

 

ビジネスパーソンの英語学習に欠かせない3つのポイント

日々時間に追われているビジネスパーソンにとって、英語を学ぶために欠かせないポイントとはなんでしょうか? 英語学習を始めるにあたり、まず心得ておきたい3つの肝を森田さんが教えてくれました。

 

1.好奇心

「英語を上達させるには、まず“前のめりの好奇心”が必要です。外国人とコミュニケーションをとりたい、英語でのビジネスの可能性を追求したい、英語の記事を読みたいなど、知らない世界を追い求める気持ちが強ければ強いほど、英語学習を楽しむことができ、語学力の向上を促す着火剤になります」(森田裕さん:以下同じ)

 

2.向上心

「中途半端なことを許さずに、どうやったら改善できるかを考えて努力できる“向上心”も、英語の上達に大事な要素。そもそも英語が母国語でない私たち日本人が、英語を完璧に話すのは不可能に近いこと。『昨日よりも一言でも多く話せるようになろう』というように、向上心が強い人は必ず英語力が伸びますよ」

 

3.環境

「継続して学習を続けるためには、勉強しやすい“環境”も重要になります。時間を確保できるということ以外に、英語に触れ続けることができる環境や、上述した好奇心や向上心を刺激するような環境に身を置くことを意識してください」

 

森田さんいわく、「上記の3点をバランス良く伸ばすことを考えながら勉強を継続するのがベスト」ですが、3つのうちどれか2つが突出していれば、英語力の上達は期待できるそう。

 

「英語に触れる機会がない環境にいても、『海外でビジネスを展開したい』『ニューヨークに住みたい』など強い好奇心と向上心があれば、自ら英語を上達させることができるはずですし、好奇心で海外へ移住して英語を話せないと生きていけないような環境に追い込まれれば、嫌でも勉強せざるを得ないですよね(笑)」

 

ビジネスで英語を活かすなら「TOEIC700点」を目指そう

ビジネスで英語を活かしたい場合、語学力の目安になるのがTOEICです。TOEICとは、「Test of English for International Communication」の略で、「国際コミュニケーションのための英語力測定試験」を指します。初・中級者向けの『TOEIC Bridge Test』や、スピーキングとライティングの力を測る『TOEIC Speaking & Writing Tests』などの種類がありますが、ここではビジネスシーンで英語力を測るものとして一般的な『TOEIC Listening & Reading Test』をTOEICとし、その攻略法をお伝えします。

 

TOEICは、リスニング・リーディングが各100問で構成されており、その詳細は以下のとおりです。

<リスニングセッション>

●Part1……写真描写問題(6問)

●Part2……応答問題(25問)

●Part3……会話問題(39問)

●Part4……説明文問題(30問)

<リーディングセッション>

●Part5……短文穴埋め問題(30問)

●Part6……長文穴埋め問題(16問)

●Part7……1つの文書(29問)、複数の文書(25問)

 

「TOEICはビジネス英語が中心に構成されているマークシート方式のテストで、満点は990点です。ライティングとスピーキングは含まれないため、リスニングとリーディングの実力があれば高得点をとることができます」

 

このTOEICでビジネスパーソンが目指すべきは「700点」を突破すること。ビジネスで英語を使う場合、700点がスタートラインだと森田さんは言います。

 

「日本国内でのTOEICの平均点は512点。正直、このレベルではビジネスで英語を使うには不十分で、700点に到達してこそ“スタートラインに立った状態”といえます。700点を突破できる人の英語力というのは、スピードは十分でないものの、ある程度の長文をリスニングとリーディングで理解できるレベルです。

 

ビジネスでいえば英語でのメールや電話をはじめ、専門的な内容でなければ交渉やプレゼンなどもなんとか可能といったところ。就職面接などでも、強みとして十分認められる英語力だと思います。とはいえ、700点以上を取得できるのは上位30%くらいなので、到達するのは決して簡単ではありません。一般的には1,000時間ほどの勉強が必要だといわれています。つまり、毎日1時間勉強して3年弱かかるということですね」

 

TOEICで高得点を狙う場合の勉強法も、「上述した3つのポイントが重要」だと森田さん。

1、やっていて楽しいこと(=好奇心)

2、効率が良いこと(=向上心)

3、継続可能であること(=環境)

この3つのポイントを念頭に置きながら、対策を解説していただきましょう。

 

レベル別TOEIC対策【~250点、~400点、~550点、~699点】

続いてレベル別のTOEIC対策について、くわしくお聞きしました。【TOEICの未経験者~250点まで、~400点まで、~550点まで、~699点】の4つのレベルに分けて、具体的な対策をまとめました。

 

●TOEICの未経験者~250点まで

「英文を読んでもちんぷんかんぷんで、勉強するにも何から始めていいのか分からないといった超初心者の状態。このレベルの人が第一にすべきことは、『英語への心理的障壁を壊すこと』です。漫画でもいいので、とにかく分かりやすい中学英語レベルの参考書と単語帳を使って、中学校英語の復習から始めましょう。同じ参考書や単語帳での勉強を2度3度と繰り返すことで、文法のパターンと単語をインプットしてください。

 

もし、参考書を読んでも文法が理解できなかったら、語学スクール等で教えてもらうのが上達の早道です。英語学習にいたっては、分からないことを悩んで自分自身で解決することはあまり効率が良いとはいえず、時間のムダになってしまいます。それならば、ベースをつくるまでは誰かに教えてもらうほうが効率的です。

 

また、参考書での勉強と同時進行で英語のアニメやYouTubeの英語チャンネルなどを見て、リスニングのレッスンも行いましょう」

 

<おすすめの参考書>

要点がわかる 中学英文法(シグマベスト)

中学英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。(学研教育出版)

 

●251~400点まで

「ここからが本格的な英語の勉強になります。といっても、このレベルも超初心者と同じく、中学英語の文法と単語を中心に勉強することには変わりはありません。しかし、より計画的に勉強を進める努力が必要でしょう。このレベルの人は『例文付きの単語帳』を使って、単語の使い方を例文で学ぶのがベスト。そして、先ほど同様に同じ本で繰り返し勉強するのが、もっとも効率の良い学習法です。

 

加えて、『瞬間英作文』というトレーニング方法を取り入れるのもおすすめ。これは、簡単な日本語の文章に対応する英文を反射的に作成する超有名なトレーニングで、基本的な英語の文法・構造を脳に染み込ませるのに効果を発揮します。ただし、瞬間英作文は単純なので、面白みに欠けるのが一番の難点。これはトレーニングだと割りきって、朝活や寝る前など確実に確保できる時間を見つけて継続してください。

 

リスニングは中学校英語の教科書、あるいは参考書に付属しているCDを使いましょう。ただ聞き流すだけでは身につかないため、これまで学んだ基礎的な文法や単語がどう使われているかを理解しながら聞くこと。そして、その文章を繰り返し声に出して読むことで、価値ある学習になります」

 

<おすすめの参考書>

【新形式問題対応/CD-ROM付】改訂版キクタン TOEIC TEST SCORE 500(アルク)

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング(CD BOOK)(ベレ出版)

 

●401~550点まで

「このレベルまで到達したということは、中学英語レベルの基礎的な文法が身についているといえます。大学受験で英語を勉強していた人は、大体このあたりからのスタートになるでしょう。ここではレベルアップして、高校英語の文法が学べる参考書を使いましょう。とはいえ分厚いものではなく、なるべく薄くて分かりやすいものを選ぶこと。

 

瞬間英作文や例文付きの単語帳での学習にプラスして、高校レベルの参考書を何度も解いていきます。結局、超初心者から550点までは、『復習』が一番効率的な方法であることに変わりはないんですよね。

 

さらに、文法の『穴埋め対策』と『発音』の勉強もスタートさせてください。穴埋めはTOEICでいうPart5の対策にあたります。また、発音のトレーニングはリスニング対策に非常に役立ちます。実は自分が発音できない英語って聞きとれないんですよ。カタカナ英語ではない正しい発音を身につければ、リスニングを突破することができるはずです」

 

<おすすめの参考書>

【新形式問題対応/CD-ROM付】 改訂版キクタン TOEIC TEST SCORE 600(アルク)

1駅1題 新TOEIC TEST文法特急(朝日新聞出版)

英語耳[改訂・新CD版]発音ができるとリスニングができる(アスキー・メディアワークス)

 

●551~699点

「ここまでくればあと一歩で700点に届きますが、実はここからの壁もまた厚いんです。ここからはTOEIC本番模試という参考書を使って、100点がとれるまで繰り返し解いていく。何度か続けるうちにおのずと自分の弱点が見えてくるので、弱点を克服するためのトレーニングを取り入れましょう。レベルアップさせた参考書類を使って苦手なポイントをつぶしていくことで、夢の700点を突破できるはずです。ラストスパートがんばりましょう!」

 

<おすすめの参考書>

【新形式問題対応/CD-ROM付】改訂版キクタン TOEIC TEST SCORE 800(アルク)

TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編

 

スクールor独学。英語学習のスタイルの違いによる特徴や傾向

セブ島留学にて授業中 セブ島留学にて授業中

 

最後に、【スクール・オンライン・留学・独学】といった英語学習のスタイルの特徴やメリット、向き不向きについて伺いました。

 

●語学スクール

「語学スクールの最大の特徴は、なんといっても文法をやさしく説明してもらえること。独学よりも費用はかかりますが、自力では文法が理解できない、勉強を継続させるのが難しいという人に向いている学習スタイルです」

 

●オンライン学習

「オンライン学習は英語を教えてもらうというより、独学で英語を勉強した人が覚えた知識を使ってトレーニングするのに最適な学習法です。語学スクールに比べて料金もリーズナブルですし、いろいろな外国人講師がいるので楽しく継続できる点も特徴といえます」

 

●語学留学

「費用は決して安いとはいえませんが、英語学習に打ち込める環境をつくり出してくれるのが圧倒的な語学留学の強み。英語力ゼロの超初心者の方や、異文化に触れたりさまざまな国籍の友達をつくったりして、好奇心を刺激しながら学びたい人にはうってつけです」

 

●独学

「正しいやり方ができれば、実はもっとも効率的なのが独学なんです。費用もほとんどかかりません。ただ、楽しく勉強する工夫も必須となるので、継続が難しい点が最大の壁といえるでしょう」

 

それぞれの学習スタイルを組み合わせたり、自分の状態によってスタイルを柔軟に変化させたりしてもOKとのこと。無理せず、継続できる方法を見つけましょう。

 

英語が身につけば人生の可能性は10倍にもなりえる!

森田さん自身は英語力ゼロの状態でタイに移住して、10年間にわたり現地での仕事を通して英語力を磨き、TOEIC970点までたどりついたとのことでした。ただ、森田さんのような特殊な環境に20代の皆さんが身を置くのは難しく、日本で仕事と並行しながら英語を学ぶ人がほとんどだと思います。そんなビジネスパーソンに向けて、森田さんはこんなメッセージを送ってくれました。

 

「英語学習は継続が一番の壁であるともいえ、実際に挫折した経験を持つ方は少なくないでしょう。モチベーションを維持させるには、“楽しさ”を追い求めることが大切だと思います。海外旅行に行って学んだ英語を使ってみたり、外国人が集まるイベントに参加して彼らとコミュニケーションをとってみたり、面白がりながら学習の成果を感じられる工夫をしてみましょう。

 

TOEIC700点レベルの英語力が身につけば、人生の可能性は5倍にも、10倍にだってなりえます。たとえば情報収集一つとっても、英語で検索できれば、日本語で検索するより何十倍、何百倍もの情報量が取得できます。それだけ選択肢が増えれば、きっと選ぶ道も変わってくるでしょう。1,000時間の勉強は決して生やさしい道のりではありませんが、それだけの時間をかけるだけの価値は十分にあります」

 

森田さんによれば、短期で英語を習得しようとセブ島へ留学に来た20代の英語学習ビギナーたちも、2週間ほど英語漬けの日々を送るなかで「今まで聞こえなかった英文が聞こえる」「簡単な英文が理解できるようになる」など、英語力がUPしている手応えと同時に英語を学ぶ楽しさも実感することが多いそう。毎日30分でも学習を継続していけば、誰しも「英語が身についている実感」を感じられる瞬間が必ずやってくるはず。

 

まずは自分のレベルに合った学習スタイルを確立して、スタートダッシュを切ってみませんか? 英語を操り世界で活躍する自分を思い描きながら日々コツコツと学習していくことで、きっと新しい人生の扉が開くはず。そして、それを成し遂げた努力こそが自信につながり、きっとあなたを輝かせる財産になることでしょう。

(取材・文:小林香織/編集:東京通信社)

 

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識者プロフィール

森田裕(もりた・ゆたか)/
京都大学法学部卒業。日本国内で産業機器の営業を経験後、IT系企業にて海外事業展開及び海外子会社運営の責任者となる。タイを拠点として世界中で展示会への出展や代理店網の構築、技術営業に従事。並行して子会社でのソフトウェア開発、データ構築も管轄する。退職後英語ビジネスを志し、フィリピン・セブ島の語学学校の3D ACADEMYに留学して学生を経験後、運営に参加。2015年6月よりCEOとなる。
3D ACADEMY公式ホームページ:http://3d-universal.com/