メールは仕事上においてクライアントや上司、その他、多くの相手との大事なコミュニケーション手段の一つ。相手から好印象を持たれるようなメールを送ることができれば、きっと仕事をスムーズに進める助けになるはず。

20代が身につけておきたい「ビジネスメール」術の第2回は、一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗さんに「クライアントとの打ち合わせなどで日程調整をする時のメール」の書き方を解説していただきました。

 

普段はメールや電話を中心にクライアントとコミュニケーションをとっていても、時には直接会って打ち合わせをすることもあるでしょう。その面会の約束のとりつけ方に、意外とビジネスパーソンとしてのスキルが垣間見えることがあります。では、メールでどのように連絡するのが好印象でスムーズなのでしょうか?

 

第一回「謝罪メールの基本」はこちらをチェック!

 

どんな相手に連絡するかで手段が変わる

面識のない相手へ初めて連絡する時や面会を申し込む時、また、急な依頼をする時などは、電話をかける人が多いのではないでしょうか。電話であれば相手の反応を確認しながらこちらの要求を伝えることができますが、メールは相手の顔が見えず文字だけで伝えるため、意図しない解釈をされることがあります。そのため、まずは日程調整を行う時の連絡手段として、メールでの連絡が妥当であるか否かを判断しましょう。

 

互いの関係や状況を考慮せずにいきなりメールを送ってしまうと、唐突でぶしつけな印象を与えることにもなりかねません。そうなると、面会の約束を取る以前に、返事すらもらえない場合も…。

 

一方、面識がある、関係が構築できている急な依頼ではない時は、メールで打診することが一般的です。しかし、メールでのやりとりも「打ち合わせをお願いします」「お会いしたいです」と面会を求めるメールを1本送って終わりではありません。打ち合わせの日時を決定させるまでに何通かのメールが行き来します。

 

日程調整メールの注意点

候補日は具体的な選択肢をいくつか提示することがポイントです。相手の都合を優先したいという気持ちだけが先走り、「いつでも構いません」と伝えたのでは相手も動きにくいもの。仮に「それでは、2月21日(水)でいかがでしょう」というピンポイントな日時の返事をもらえたとしても、連絡をもらう前にたまたま予定が入ってしまえば「申し訳ありませんが、その日は都合がつきません」と返すことになり、無駄なやりとりが続くことになります。

 

ですので、打ち合わせを依頼する側から候補日や時間などの条件を絞り込んだ選択肢を提示したほうが、選ぶ側の負担は軽くなります。その上で「こちらの日程でご都合が悪ければ、ご都合がよい日時を複数、教えていただけますか」と補足説明する。そうすれば日程を押し付けた強引な印象になりませんし、やりとりにも無駄がありません。

「打ち合わせをお願いしたい」「時間をもらいたい」という気持ちを伝えることは大切ですが、相手に配慮するあまり丸投げになってはいけません。それが打ち合わせの日程調整を依頼するメールの最も大きな注意点です。

 

もちろん、誰に対しても、どんな関係でも、候補日を必ず提示するのが礼儀というわけではありません。面識がない相手への連絡、初めて面会を求める、電話がつながらないからメールを使う、一方的な営業の連絡になるなど、これらの場合に候補日を列挙してしまうと、かえって無礼な印象を与えることがあります。効率を重視するあまりに相手の感情を無視してしまっては、目的は達成できませんよね。

そのような時は、まずは面会を求める目的と理由、「お会いしたい」という気持ちを伝えることに終始して、返事がきたら日程調整に進むというように、段階を経たほうが丁寧だといえるでしょう。

 

打ち合わせ日程調整メールの流れ

打ち合わせの日程調整を依頼する、一般的なメールの流れを整理しましょう。

 

(1)打ち合わせの目的と理由、候補日を伝える

(2)相手からの返信

(3)日程確定

 

基本は一往復半。これが、最もシンプルなやりとりです。

 

打ち合わせに参加してもらうというのは、相手の貴重な時間をもらうこと。参加する理由が分からないと忙しい相手は応えられませんので、納得してもらえる理由が必要です。

「なぜ」「いつ」「なぜその日に」会いたいのか、目的と候補日を伝えるとともに、その理由も添えてメッセージを送りましょう。

 

打ち合わせ日程調整の流れにそったメールの文例

それでは、打ち合わせ日程調整の流れにそったメールの例を参考に、書き方のポイントを押さえていきましょう。

 

(1)打ち合わせの目的と理由、候補日を伝える

件名:

「◇◇」お打ち合わせ日程のご相談

 

株式会社○○○○

鈴木様

 

お世話になっております。

△△△△の高橋です。

 

このたびは弊社の新サービス「◇◇」について

お問い合わせいただきありがとうございます。

 

早速ですが、お打ち合わせに伺います。

サービスの詳細および導入効果について、

ご説明の機会を頂戴できればと存じます。

 

今月中ですと以下の日程のご都合はいかがでしょうか。

 

■日時

2月20日(火)11時~15時

2月22日(木)13時~18時

2月26日(月)10時~16時

 

お時間は1時間ほど頂戴できれば幸いです。

 

こちらの日程でご都合が悪い場合は調整いたしますので、

ご都合のよい候補日を複数いただけますでしょうか。

 

■場所

貴社へ伺います。

 

当日、弊社からは私が1名で伺います。

 

よろしくお願いいたします。

 

(署名省略)

 

伝えるべき情報は、面会の目的や理由、候補日時、場所などです。また、訪問者の人数を知らせておくと相手も心構えができます。事前に確認したいことや準備してほしいことなど、打ち合わせに必要なことがあれば補足して説明します。

件名は、打ち合わせ日の相談であることが一目で分かるよう、具体的に書きましょう。

 

(2)相手からの返信

件名:

Re: 「◇◇」お打ち合わせ日程のご相談

 

高橋様

 

お世話になっております。

○○○○の鈴木です。

 

早速のご連絡ありがとうございます。

 

お打ち合わせの日時ですが、

2月20日(火)11時~15時でお願いします。

 

この日であればどの時間帯でも構いません。

高橋様のご都合のよい時間をご指定ください。

 

ご足労おかけいたしますがお待ちしております。

よろしくお願いいたします。

 

鈴木

 

> 株式会社○○○○

> 鈴木様

>

> お世話になっております。

> △△△△の高橋です。

>

> このたびは弊社の新サービス「◇◇」について

> お問い合わせいただきありがとうございます。

>

> 早速ですが、お打ち合わせに伺います。

> サービスの詳細および導入効果について、

> ご説明の機会を頂戴できればと存じます。

 

相手からきた返事の内容を確認して、締めの1通を送ります。

 

(3)日程確定

件名:

Re: 「◇◇」お打ち合わせ日程のご相談

 

株式会社○○○○

鈴木様

 

お世話になっております。

△△△△の高橋です。

 

日程のご連絡ありがとうございます。

 

それでは、お打ち合わせは

2月20日(火)11時~12時でお願いします。

 

よろしくお願いいたします。

 

高橋

 

> 高橋様

>

> お世話になっております。

> ○○○○の鈴木です。

>

> 早速のご連絡ありがとうございます。

>

> お打ち合わせの日時ですが、

> 2月20日(火)11時~15時でお願いします。

 

相手は日程を選択し、時間の指定を求めていますので、打ち合わせの時間をいただけることに感謝し、希望する時間を返信します。この時、件名は書き換えません。件名の用件が済み、話題が変わった時が件名を書き換えるタイミングです。

 

まとめ

面会を求める1通目のメールは、その前にどのようなやりとりがあったかによっても切り口が変わります。相手が会いたいと思っていることが分かった上で返事を送る時と、相手は会いたいとは思っていないけれどなんとか面会の約束をとりつけたい時では、会話の構成が変わるようにメールの文章も変わりますので、相手との関係や状況を見て書き分けてくださいね。

 

どのようなケースにも共通するのは、こちらの伝えたいことだけでなく、相手の知りたいことにも触れる。そうすればあなたが相手のことをきちんと考えていると伝わりますし、無駄なやりとりも減るでしょう。要求を通すには、相手を知ることと思いやることが必要不可欠です。

 

(寄稿:平野友朗/編集:東京通信社)

 

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識者プロフィール
平野友朗(ひらの・ともあき)

平野友朗(ひらの・ともあき)
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事。株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。ビジネスメール教育の第一人者。メールマナーに関するメディア掲載1000回以上。メールスキル向上指導、メールのルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。官公庁や企業などへのコンサルティングや講演、研修は年間120回を超える。著書は『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)など26冊。