社会人になって自分でお金を稼ぐようになったけれど、いつまでたっても貯金残高が0円のまま……。「将来のことを考えると、このままじゃヤバイかも?」なんて心配をしている方は多いかもしれません。「結婚」「子どもの教育費」「住宅購入」など、ライフステージが上がるごとに、まとまったお金が必要になります。未来の選択肢を広げるためにも、まずは毎月の「マネープラン」の設計を基礎から身につけませんか?

 

あなたは知っていた? これから必要になるお金は○○万円!?

「20代の社会人がまず身につけなければいけないのは“お金の流れづくり”です」

そう話すのは、数々のメディアで12本の連載を抱えるファイナンシャルプランナー、山崎俊輔さんです。

「お金の流れは『稼ぐ・節約する(使う)・貯める(増やす)・借りる(返す)・備える』の5つに分類され、整理ができます。基本的には『稼ぐ・節約する(使う)・貯める(増やす)』という3つの流れのなかでお金を制約し、稼いだ以上に使わないことが大切です。たった3つのお金の流れをきちんとコントロールできないと、貯金はいつまでたっても増えていかないのです」(山崎さん、以下同)

 

『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』
出典元:『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』(日経BP社)

 

学生時代は、アルバイトで稼いだお金でその都度欲しいものを購入する……というやりくりでなんとかなったかもしれません。しかし、社会人になってからの人生は、「あらかじめお金を貯めておいてから、使う」の繰り返し。例えば、結婚ならば100万円、マイホームを購入する頭金には500〜800万円、子どもが生まれれば学費には最低でも1,000万円はかかりますし、リタイア後の資金として退職までに2,000〜3,000万円は……と、今後のライフプランとともに大きなお金が必要となります。

 

「給料が振り込まれた分は使い切り、給料日前には残高0円。もし今のあなたが、そんな“ある分だけ使う”お金の使い方をしている場合は、いち早く脱却しましょう。人生のイベントごとに必要になるお金をあらかじめ貯めておく――ちょっと先のライフプランを立てながら、計画的に貯蓄できるようにしましょう」

 

支出の多くを占める「固定費」を見直してみる

「なかでも留意すべきは、お金の稼ぎ方と使い方の2つ」。その第一段階として山崎さんは「自分の稼ぎを見直してみましょう」と指南します。

 

会社にずっと在籍していれば、「もうこれ以上給料が上がらないかも……」「こんなスキルがあればもっと給料が上がるかもしれない」など感じる時がありますよね。

 

「お金の流れは総合的に解決していくことが大事ですが、若い方であれば、まずはこの二段階で解決ができればベスト。例えば、同じ会社にいても資格を取ることでいくらかの手当がつく場合もありますよね。スキルを身につけておけば給料を増やす手段にもなりますし、転職を考えたときに有利に働くこともあります。転職して年収が増えるならチャレンジしてみるのも選択肢です」

 

このように「稼ぐ」手段をいろんな角度から検証した上で、第二段階として、月々の出費を見直し「より効率的なお金の使い方」へ変えていきます。

 

「とはいえ、なんでもかんでも節約して、使えるお金も削っていく生活では楽しくないですし、続かないものです。今まで通りの生活を維持しつつ、削れる出費を身辺から探してみる――そんな賢い節約法を考えましょう」

 

では、具体的にどんな節約の仕方が考えられるのでしょうか? 山崎さんオススメの節約法として、「家賃・光熱費・通信費」、3つの固定費の見直し方法をご紹介いただきました。

 

※一人暮らし、20代の平均より給与20万、手取り額16万を条件として考えています

 

家賃:理想をいえば家賃は手取りの3割以下。手取り16万円なら、5万円くらいの家賃が相場です。会社までの通勤時間などによって相場よりも高くなることはありますが、急行停車駅の隣に住む、駅から3分遠くに住む、築古賃貸を選ぶなど、家賃を下げる方法はいくつかあります。そして、住む場所は稼ぎが大きくなるにしたがってランクアップさせていきましょう。

 

光熱費:2016年4月に始まった、電力自由化の恩恵を受けるのがオススメ。契約条件次第ですが、多くの場合、電気料金が節約できます。別に新電力会社が電柱を立てるわけではないですし、電力会社の切り替えは簡単です。オンラインで手続きが完結するケースも多く、それまでとまったく同じ生活をしながら月1,000円程度も節約できます。

 

通信費:一人暮らしの20代にとって、意外と高額な携帯電話の利用料金は気になるもの。どうしても最新機種でなければいけないというこだわりがないならば、買い替える際に格安スマホを検討してみてください。1年前くらいのスマホでもほとんど利用に支障はなく、スマホの分割払い込みで月々の支払が3,000円くらいで済む場合もあります。もし現状の利用料金が月8,000〜1万円くらいかかっているならば、格安スマホにすることで月5,000円近くの節約になります。

 

また、「クレジットカードや銀行引き落としの明細書を見てみると、他にも固定的に払っている料金があるはず」。手元に明細がある人は手にとって目を通してみてください。

 

「例えば、映画やスポーツの動画配信サービス、雑誌の読み放題サービスなど、複数契約していることがありますよね? そのうちあまり時間を投じていない、費用対効果の悪いものはこの際“断捨離”してみるのがよいでしょう。家でしか見られない衛星放送なども、この際解約してしまうと一気に家計が浮きます。ほかにも、1つあたり数百円程度の出費かもしれませんが、昔やっていたけど今はやっていない月額課金制のソーシャルゲームなど、細かく削っていくことでかなりの節約になりますよ」

 

5つのお金の流れに沿った家計の収支確認表

こうして「稼ぐ」「節約する」の両面から見直していけば、月々の生活に使える金額・貯められる金額がわかっていきます。

 

「月々、手取り金額の1割くらいを貯金できるのが理想です。給料を20万円とするならば、手取りは16万円ほどでしょうから、まずは1万5,000円〜2万程度を貯金に回せるようになりましょう」

 

以上を整理するためにも、下記のような「収支確認表」を作成するとより月々の収支計画が具体的になるのだとか。手取りの給料から、毎月決まっている固定費、貯金額を差し引けば、1カ月に使える費用、そして1週間あたりの出費がいくらになるか、わかっていきます。

 

〈収支確認表の例〉

●稼ぐ 16万円(手取り)

●節約する(使う)固定費8万円

(家賃5万5,000円、光熱費2万円、通信費5,000円)

●貯める 月に2万円を目標に

●備える 保険料に1万円

  ↓

●日常生活に使えるお金

月間 →16万-(8万+2万+1万)=5万円

週間 →(5万÷30日)×7=約1万2,000円

 

食費、飲み代、洋服代、日用品の購入等々、1週間の出費はこの「1万2,000円」のなかでなるべく収めていきます。日用品の購入が多ければ食費を少し控えるなど、1週間に使ってよいお金を頭に入れて、買い物のときはその金額のなかでコントロールすることがポイント。

 

そして出費のうち多くを占める、食費の抑え方も伺いました。

食費の節約というと「外食をなくし、自炊を増やす」ことが節約だと考えがちですが、山崎さんは「一人暮らしの自炊は食材のロスが増えがちなため、結果的に節約にならないことが多いのが要注意です」と話し、「中食(スーパーやコンビニで売られているできあいの惣菜や冷凍食品など)をうまく食事に取り入れることで節約になることもある」と続けます。

 

「例えば、1週間で3,000円をランチに使えると考えた場合、週に5回、同じ600円の社食のランチを食べるのではなんだか素っ気ないですよね。月曜は600円のランチにして、火曜はコンビニのおにぎり、木曜は牛丼。そこで浮いた分、水曜・金曜は外に出て800円くらいのご褒美ランチを楽しむ……みたいに調整してみる。同じ3,000円でも、メリハリをつけたり、自分なりに満足度のコントロールをしたりすると、満足度が増えたりします。そうやってお金を使ってみると節約も楽しめますし、きっと長続きしますよ」

 

楽しみながらプランニングしよう!

「お金のライフプラン」を想定しながら生活をしてみると、ちょっとしたゲーム感覚で楽しめるようになりそうですね。

 

「そうなんです! お金のライフプランは、楽しくやるのがコツ。がまんをすることだけを考えると全然楽しくないし、実行が伴いません。“やらされ感”に満ちた節約術から卒業し、賢く、楽しくお金を貯める方法を身につけてほしいです」

 

将来のことを考えて、まずは今月から、お金のライフプランを見直してみませんか? 決して無理はせず、できることからはじめてみてくださいね。

 

(取材・文:安田博勇/編集:東京通信社)

 

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識者プロフィール
山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
1972年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。
ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。近著に『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』(日経BP社)などがある。執筆、講演多数。日経新聞電子版、東洋経済オンライン、ライフハッカー他、連載12本を抱える売れっ子FP。
URL:http://financialwisdom.jp/