「資産運用」と聞くと、「お金がないとできないんじゃない?」とか「知識がないと難しいんじゃないの?」なんて尻込みしてしまうかもしれません。しかし最近では、インターネットやスマートフォンアプリを使って、少額で気軽に資産運用が行えるようになってきたといいます。その1つが「おつりでできる資産運用」。資産運用の知識や経験がゼロでも、おまかせ状態で無理なく資産運用ができてしまうのだとか。

将来のためにお金を貯めたい! そんなあなたに、今回はおつりで少額から投資ができる方法を伝授します。

 

資産運用は「自信がない」「損するのが心配」

日本国内――とりわけ20代において「資産運用している」という人はまだ少ないかもしれません。

そもそも資産運用とは「自分の資産(お金)を貯蓄もしくは投資し、そこから資産を増やしていく」こと。代表的な方法としては、定期預金、株式投資、投資信託、FX、外貨預金等々があります。

 

でも株式投資やFXって敷居が高く感じますよね。なによりもまとまったお金(元手)が必要です。たとえいくらか貯金があっても、それをなんの知識も経験もない状態で資産運用にまわすのは、なかなか気がひけるもの。

そんななか、クレジットカードや電子マネーなどの電子決済ビジネスに詳しい、TIプランニング代表取締役の池谷貴さんがオススメするのが「おつり投資で行う資産運用」です。「手軽に誰でも始められ、資産運用自体も簡単な新たな方法」なのだそうですが、一体、どんなものなのでしょうか……?

 

気軽に始められる「おつり投資」とは?

おつり投資とは、買い物で電子決済をした際に生じた支払いの端数を「おつり」として、投資信託などに投資して貯金・運用する少額投資の手段です。アメリカでは「Aconrs」というサービスがポピュラーになっており、日本国内でも2017年からいくつかのおつり投資に類するサービスがスタートしました。

※投資信託:個々の投資家から集めた資金をまとめて、投資のプロが運用する金融商品のことで、ファンドとも言います。少ない投資金額でも効率的な資金運用ができるようにつくられた商品です。

 

「代表的なのが、ウェルスナビ株式会社(WealthNavi)がサービス提供をするマメタスです」(池谷さん、以下同)

 

マメタスを利用するには、ユーザーはあらかじめWealthNaviのサイトまたはWealthNavi for 住信SBIネット銀行、WealthNavi for 横浜銀行、WealthNavi for ソニー銀行、いずれかで口座を開設する必要があります。

他には「マメタス」のアプリ、そしてクレジットカードや電子マネー(nanaco・WAON・楽天Edy)を登録する家計簿アプリ「Moneytree」(共に無料)を準備します。WealthNaviの最低預け入れ資産は10万円なので、ある程度の資金は必要と言えるでしょう(マメタスから1万円以上入金した場合は、1万円から運用を開始可能。ただし、通常振込およびクイック入金の入金から運用を開始する場合は、上記の最低投資額以上の入金が必要です)。

 

簡単に説明すると、マメタスでは次のようなプロセスで資産運用が行われます。

 

〈マメタスによる資産運用の基本プロセス〉

 

①クレジットカードや電子マネーを使って買い物をする

②買い物データがMoneytreeを通じてマメタスアプリに同期

③アプリでの「設定金額」と「購入商品」の差額が「おつり」と見立てられる

④月に1回「おつり」の総額が自動的に積立される

⑤WealthNavi上で、ロボアドバイザーによる資産運用が始まる

 

「マメタス」はロボアドバイザーによる国際分散投資で貯める

マメタスによる資産運用について、もう少し具体的に見ていきましょう。

 

マメタスのアプリ上では「100円・500円・1,000円」のなかから設定金額を決めることができます。この「設定金額」と、電子決済した商品の「購入金額」の「差額分」が「おつり」として登録されるのです。

 

〈例〉設定金額「500円」の場合

●カードで300円の商品を購入 500円-購入金額300円=200円

●電子マネーで150円の商品を購入 500円-購入金額150円=350円……

 

そして月に1回、これら「おつり」の合計額が銀行口座から引き落とされ、WealthNaviに預けられます。WealthNaviではロボアドバイザー(人工知能を利用して資産運用のアドバイスを行うシステム)が自動的に「国際分散投資」を行い、これにより資産運用が始まります。なので、利用者は知識や経験がなくても自動的に運用できるという仕組み。

 

※国際分散投資:資産運用に当たり、さまざまな金融資産に分散して投資すること。株式・債券・不動産など資産の種類、日本・先進国・新興国など投資先地域、通貨への分散投資を複合させるのが一般的。

 

「WealthNaviは世界中のETF(上場投資信託)のなかからロボアドバイザーが投資先を選び、『国際分散投資』と言われる資産運用を行ってくれます。運用能力という点では十分に信用できるに足るサービスです」

 

資金0円から始められるおつり投資「トラノコ」

マメタスのほかにも、TORANOTEC株式会社が展開するおつり投資アプリに「トラノコ」というサービスがあります。WealthNaviが「積み立てたお金は、WealthNaviのロボアドバイザーで運用する」のに対し、トラノコでは「積み立てたお金は、リスク許容度に応じた3段階のトラノコファンドを通じて運用」していきます。

 

「どちらのサービスも手数料や報酬料がかかりますが、最低預け入れ資産が10万円のWealthNaviに対し、トラノコは資金0円からでも始められます。その分敷居は低いといえるかもしれません。ただしアプリ自体を比較すると、マメタスが完全無料(※1)なのに対し、トラノコは月額利用料(※2)がかかります」

 

※1ウェルスナビは無料のサービスですが、運用手数料として年率1%相当が必要。3,000万円を超える部分の手数料は0.5%で計算

※2トラノコは月額300円(3カ月の無料期間あり)、出金手数料300円、運用報酬は年0.3%

 

マメタス トラノコ
口座 WealthNavi
WealthNavi for 住信SBIネット銀行
WealthNavi for 横浜銀行
WealthNavi for ソニー銀行
トラノコ
連携サービス Moneytree マネーフォワード
Zaim
Moneytree
運用 Wealthnavi トラノコファンド
投資先 海外ETF 国内および海外ETF
月額・出金手数料 無料 月額300円(無料期間あり)
出金手数料1件300円
運用手数料 年率1%相当、3,000万円を超える部分の手数料は0.5%で計算 年0.3%

※2018年4月25日時点の情報です。今後追加、変更の可能性もございます。

 

「おつりでできる資産運用」に興味がある方は、料金体系などを比較した上で自分に適したものを選択しましょう。

 

いつもは貯金箱行きの小銭でトライしてみてもいいかも?

運用のための元手を捻出しなくても、日々の生活のなかで発生する「おつり」を貯め、それを元手に気軽に始められる資産運用サービスは「資産運用の知識・経験がまったくない人でも始められるサービス」。興味がある方は手元にある小銭を元手に、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

(取材・文:安田博勇/編集:東京通信社)

 

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識者プロフィール

池谷 貴(いけたに・たかし)
株式会社TIプランニング 代表取締役
コピーライター、編集などの仕事を経て、カード業界誌の版元に入社。ディレクターとして雑誌編集、プランニング、セミナー、展示会などの運営に携わる。2009年11月、株式会社TIプランニングを設立。カード情報ポータルサイト「payment navi」(ペイメントナビ)を運営し、ペイメントカードやセキュリティ関連、ICカード、ポイントカード、ダイレクトマーケティング・CRM関連などの情報を紹介する。