過去最高の就職率だといわれていた2016年。転職マーケット上でも、リーマンショックの影響から抜け出した2008年ごろから求人数が毎年右肩上がりに増え、2015年度と比べると、2016年度は124パーセント求人数が増加しています。

DODAの転職求人倍率レポートでは、「IT・通信」「メディア」「金融」「メーカー」「商社・流通」「小売・外食」、それぞれの求人数の増加に加え、転職者の数もグンと増えていることが分かります。今の仕事を見直して転職を前向きに進めるには、売り手市場の今がチャンスといえるかも?
そんな市場を踏まえ、今回のはたらき世論調査では業種別で20代のビジネスパーソンに転職した理由を調査しました。その結果から見えた20代のリアルな答えとは…?

もっと詳しく業種別の転職理由のデータが知りたい方はDODA転職理由ランキング2016をご覧ください。

 

IT/通信/インターネット

 

全8業種のアンケートで、全ての業種で1位だった転職理由は「ほかにやりたい仕事がある」という転職理由でした。
IT業界ではシステムエンジニアやWebデザイナー、プログラマーなど専門的なスキルを持った人が活躍しています。そんな中で、さらなる知識を身につけ今よりも技術力を上げたいという人も多いのか、「専門知識・技術力を習得したい」が2位にランクイン。

今は企業の成長にとってもIT部門の強化やIT戦略は必須。特にITエンジニアの求人はさまざまな企業での募集拡大が見られます。もともとWebディレクターだったという人がエンジニアに、という同じ業界からのキャリアチェンジも少なくないのでは。

 

メーカー

 

メーカーの業種では、「会社の将来性が不安」が2位、「会社の評価方法に不満がある」が9位、「業界の先行きが不安」が10位にランクイン。自分自身の問題というよりは、会社に対する不安感や心配を抱えていることによるの転職理由が目立ちました。

この業種の方の中には、今後需要が拡大しそうな主力商品を持つメーカーや、別の業界への転職を検討している方もいるかもしれません。

 

メディカル

 

メディカル系の業種では、「給与に不満がある」「残業が多い/休日が少ない」「土日祝祭日に休みたい」という、労働環境への不満からの転職理由が目立ちます。

2016年度は医療機器メーカーやCRO(医薬品開発業務の受託機関)で求人数が増加し、特に医療機器メーカーでは、新製品の開発や営業力の強化を目的として活発な採用活動が行われていました。医療機器の営業スタッフや機器のメンテナンスを行う専門スタッフなど求人は多いものの、働きやすさや仕事と私生活のバランスを見て戸惑う方も多くいるよう。

 

メディア

 

この業種は「残業が多い/休日が少ない」ことに加え、「女性が働きにくい環境に不満」を持つ人も多いよう。

企業側もWEBマーケティングへの投資を行う傾向が強くなっており、それに伴ってインターネット広告代理店や制作会社の求人も採用が活発化しています。しかし、受注という立場である「メディア」側の業務量は増え、一人一人への負担も大きくなったことが転職理由の一つなのかもしれません。

 

金融

 

「顧客のためになる仕事がしたい」が2位にランクインしたことに加え、この業種のみ「ノルマが厳しい」という理由が上位に入っていることが特に目立ちます。

生命保険やリースでの営業職を中心とした求人は地方でも多いようですが、営業職には多少なりともノルマがつきもの。自分が今の「絶えず数字を追いかけなくてはいけない」という仕事に向いているのか否かを見直す、そんな方もいるのでは。

 

商社・流通

 

商社・流通の業種では「給与に不満がある」「会社の将来性が不安」という会社に対する理由とともに、「幅広い経験・知識を積みたい」「専門知識・技術力を習得したい」などの前向きな転職理由がそれぞれ上位に食い込んでいることに注目です。

総合商社では新エネルギーやITビジネスなどの新しい分野への収益化に着目し、採用を強化しています。今までの商社にはなかったポジションが今後増えてくるかもしれません。

 

サービス

 

サービス系の業種は2位に「残業が多い/休日が少ない」、5位に「土日祝祭日に休みたい」と、ワークライフバランスを見直した転職理由が多く見られます。

シフト制が多いコールセンターのカスタマーサポートや、ウェディングプランナーなどの求人は募集を拡大しているようですが、自分が休む時間はしっかり確保したいものですね。

 

小売・外食

 

他の業種より「雇用形態を変えたい」の割合が高かった小売・外食の業種。アルバイトや派遣・契約社員がどの業種よりも多く、将来的な不安を抱いて転職を検討する方もいるのでしょう。

いっぽう、外食業界では従業員の負担を減らし労働環境を少しでも改善するために、1店舗当たりの社員数を増員するなどの取り組みが進められています。

まとめ

業種間でそれぞれの悩みや壁はあるものの、「ほかにやりたい仕事がある」と新しいフィールドへ向かう人が一番多いことが分かった今回の調査。転職市場が全体的に活況だった2016年は、比較的転職がしやすい環境であったのではないでしょうか。

フィンテックにAI、IoTにビッグデータ…。そんな言葉が飛び交った昨年に引き続き、2017年はグロースハッカーやデータサイエンティストなど、テクノロジーに対応しデータを活用できる人材の需要が増加傾向にあります。また、各業界での人材不足も重なり、今までの業務領域とは違う働き方が求められてくるかもしれません。

まだまだ今年も始まったばかりですが、自分の仕事や働く環境に対して、あらためて向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

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