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京谷 和幸

京谷和幸 (車椅子バスケットボール日本代表)夢・出会い・感謝!!

京谷和幸
1971年生まれ。91年よりジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)のMFとして活躍。93年、交通事故で脊椎を損傷。Jリーグから一転、車椅子バスケットボールの世界へ。00、04年にパラリンピック日本代表に選出され、08年の北京では日本選手団の主将を務めた。競技の傍ら、全国での講演会なども積極的に実施。現在は、「DODAチャレンジ」のアドバイザーとしても活躍している。

いまさら歩きたいとは思わない。これが京谷和幸だから。

京谷さん
編集部
「チャレンジャー」は、京谷さんにインタビュアーになっていただき、各界で活躍されている方々に、チャレンジにまつわるお話を聞いていただくコンテンツです。今回はその1回目として、DODAチャレンジ編集部から、京谷さんご自身のお話をうかがわせていただきます。早速ですが、京谷さんが今、チャレンジしていることは何ですか?
京谷
今ぼくは、2012年のロンドンパラリンピックに向けてチャレンジしています。ロンドンで最高のパフォーマンスを出すために日々、車椅子バスケの練習に励んでいます。年齢とともに体力は落ちますが、それをごまかしながらやるのではなく、より負荷をかけて、今までやらなかったようなトレーニングもしていきたいんです。もしそれで体が壊れて、ロンドンに行けなくなったとしてもかまわない。それよりも、後悔したくない。今できることを全力でやりたいんです。
 

実は北京パラリンピックが終わった直後は、引退して、サッカーの指導者を目指そうと思っていました。でもある学習塾の講演に行ったとき、子どもたちが「Go To London」と書いた日の丸をくれて。それを見た瞬間、自分はこうやって応援してくれる人たちに支えられていると気づいたんです。これまでパラリンピックには三度出ましたが、毎回、「自分のため」「チームのため」という気持ちでプレーしていました。でも次のロンドンは「応援してくれる人たちのため」。そして、サッカーの世界に戻る前に、障がい者スポーツや車椅子バスケの世界に、何かを残したいと思っています。

たくさんの人に応援してもらっている以上、もちろんプレッシャーはあります。でもそれと戦う自分も好き(笑)。辛いことを乗り越えたときって、すごく爽快感があって、それまでの苦労なんてみんな忘れられるんですよね。それから、ぼくは、たくさんチャレンジして、たくさん失敗した方がいいと思っています。失敗なくして成功はあり得ませんから。

京谷さん
編集部
では、京谷さんにとって最大の失敗は――?
京谷
事故ですね。人生のどん底まで落ちました。一人じゃ何もできなくなりましたから。ほかの人たちが体験しないこともたくさん経験しました。だからぼくたちみたいな障がいのある奴らは強く生きていられると思うんです。
編集部
障がいと向き合えるようになったのはいつですか?
京谷
向き合ったのは……、はっきりは分かりません。ただ、車椅子生活になることを宣告された次の日には、早く何かしなきゃと思いました。それは、ぼくが車椅子生活になることを知った上で入籍してくれた妻がいたから。サッカーができないのはすごくショックでしたけど、くよくよしていても、彼女を幸せにできないと思って。不安はいっぱいありました。すべてが未知との遭遇ですからね。幸せな家庭をつくるというすごく単純なことだって、どうすればいいのか分からない。それなら今やれることをやろうと決めました。だから、障がいとは向き合っていないのかもしれません。妻と向き合って、やるべきことと向き合っていたら、サッカーができない自分も、車椅子の自分も、いつの間にか受け入れていたんです。
京谷さん
編集部
今はすべてを受け入れられているんですね。でも、車椅子で生活をしていて世の中に対して言いたいこともあるのではないですか?
京谷
乗り始めたころは、通路の狭さもちょっとした段差も、すべて不便に感じていました。景色だって今までの半分くらいの高さから見るわけで。でも今は「しょうがないじゃん」って思っています。バリアフリーに限らず、不便なことって世の中にいっぱいありますよね。人とのつき合いとかも。そういうときは、自分の考えを変えるようにしています。環境とか人のせいにする前に、まず自分を変える努力をしないとね。例えば、上司に怒られても、「自分のために怒ってくれてるんだ」と思えば、全然違ってきますよね。こういう考え方も、言わば事故との「出会い」がくれたもの。事故は人生最大の失敗でしたが、それを乗り越えて得たものはすごく多くて。事故がなければ、今の自分はなかった。だから、別にいまさら歩きたいとも思いません。今のこのぼくこそが京谷和幸ですから。

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