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本広 克行

本広克行(映画監督)「監督になります!」言い続ける姿を誰かが見てくれていた

本広克行
1965年生まれ。映画監督。テレビドラマや舞台の演出家、プロデューサー。映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)の興行収入が173億円と日本歴代1位を記録、この作品で映画監督としての地位を不動のものにする。同シリーズ以外の主な代表作に『お金がない!』(1994年)、『SP 警視庁警備部警護課第四係』(2007年)など、映画監督作品に『UDON』(2006年)、『少林少女』(2008年)など。演出を手がけた舞台『演劇入門』が2010年11月27日(土)~12月13日(月)こまばアゴラ劇場にて公演。

「踊る大捜査線」シリーズなど、エンターテインメント性の高いヒット作品を作り続けている本広監督。高まる期待へのプレッシャーと闘い続ける本広監督のメッセージには、“あきらめないでビジョンを描き続けることの大切さ”が強く込められている。

撮影ボイコットで気づかされたみんなの思い

本広さん
京谷
「踊る大捜査線」の大ヒットが日本映画の歴史を変えたとも言われていますよね。そんなことも含めて今日はお話を伺わせてください。監督は、テレビや映画、そして舞台と初めてのフィールドに次々挑戦されてますが、チャレンジするとき、失敗への恐怖はありませんか?
本広
今はだいぶ慣れてきて恐怖心は減りましたけど、最初はプレッシャーで何をやるにも震えてました。気が弱くて人前がとても苦手なので、いまだに吐くこともあるんです。特に舞台挨拶では何千人というお客さんの前に立つので話すことをプログラム化したり。でも、お客さんは自分の話にそこまで集中していない、自分ばかりが見られてない、と思い始めたらだいぶ楽になりました。
京谷
なるほど。シリーズの2、3作目では前作越えの期待が高まるし目の肥えたファンも増えますよね。プレッシャーは相当強かったと思いますが?
本広
最初とても悩みました。「踊る大捜査線」のテレビドラマは僕らも楽しんで作っていたんです。それが映画になると、ビジネスとしてまわりはじめて急に重苦しくなってしまい、ひとつ指令を出してもみんながうまく動けないんですよね。これはいかんなと思い、「楽しんで作ろう」という気持ちを呼び覚ましました。僕は作品の中でエヴァンゲリオンの曲とか、自分が共感を得たものをよく引用するんですが、それを「パクります!」とか宣言したりして。そうするとみんなが「楽しんで作ればいいんだ」という空気になるんです。それがわかってから楽になりましたね。
京谷
監督の作品にはクスッと笑ってしまうシーンがたくさんありますね。
京谷さん
本広
僕の作品はちょっとニヤニヤするんですよ。例えばお葬式でオナラすると絶対おかしいじゃないですか?でも笑っちゃいけない。緊迫感のあるところにちょっと変な人がいるだけで、おかしく感じるんです。「脳をくすぐる笑い」ってよく言うんですが、それが日本人に合ったコメディだなと思っています。
京谷
作品には監督の個性が活かされてますよね。自分だけの強みを持っていることは働くうえでとても大切なのですが、本広監督のポリシーやこだわりを教えていただけますか?
本広
僕はたくさん転職してきたけど、合う・合わないはありますね。1年間で何もできずに辞めたこともありました。だから、もし合わなければ辞めればいいって思っています。会社でも上が変わらなければ状況は変わらないですよね。今でも複数のプロジェクトを同時に走らせて、人の巡りあわせやタイミングが悪いとどんどん潰します。いいものだけ育てる。そんななかで『踊る大捜査線』は出会った人、才能、全てが最高峰でした。織田裕二さんとはテレビドラマで出会って、僕の笑いをおもしろがってくれたんです。実は僕、織田さんからの逆指名監督なんですよ。そういう経験から“人の流れ”を信じています。人と出会ったら「その人のために何ができるか?その人が僕に何をしてくれるか?」と必ず考えてチョイスするようにしているんです。
京谷
監督が大切にしていることは、人との出会い、それと職場やプロジェクトでの「辞める、育てる」の判断ですね。では、役者の方やスタッフの方全員の意識統一に必要なことはなんだと思いますか?
本広
気持ちだと思いますね。映画を撮り始めた最初の頃は撮影現場で「ああ疲れた」とか「眠い」とか思ったことを口にしてたんですが、あるとき「なんだ、あの監督は?」と、撮影をボイコットされてしまったんです。皆さんが「監督、あなたのために一生懸命映画作りを手伝っているんだよ。それなのに平気で『疲れた』とか言うのか!?」っていう思いだったんですよね。最初はそんな気持ちが全然分からなくて、とても失礼なことをしていたんです。だから今は常に向き合っている姿勢を言葉や態度で表しています。全体会議で「今回の作品は最高傑作にします!」とか熱弁を奮うんです。「またかよ」と、みんな笑うんですけど、気持ちの高まりに一体感が出ます。仕事が終わってから飲みにいって「これで日本一とろうぜ!」とか言ってますね。
京谷
気持ちや信頼関係が一番大事なんですね。
本広
作品を見て役者さんたちが納得して信じてくれたことも大きいです。やっぱり結果で見せるしかないっていうのはあります。あと、撮影には僕より年上のスタッフにもご参加いただいて、遠慮なく意見をいただくようにしています。元老院と呼んでいるんですが(笑)これがいろいろ気づかされるんです。若いスタッフには、メールアドレスを教えています。ツールを使ってもらうことで、なるべく発言しやすい空間を作っていますね。
京谷
たくさんの人の言葉に耳を傾けるから一体感も生まれ信頼される。いい作品ができる理由がわかる気がします。

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