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上田 渉

上田渉(株式会社オトバンク 代表取締役社長)変化しないことこそがリスクです

上田渉
株式会社オトバンク 代表取締役社長。1980年生まれ。東京大学経済学部在学中からNPOやIT企業の立ち上げを行うも撤退を余儀なくされ、2004年に株式会社オトバンクを起業した。オトバンクは、オーディオブックという「耳で読む本」のコンテンツをビジネスから文芸まで幅広いジャンルにわたって提供している。著書に『20代でムダな失敗をしないための逆転思考』(日本経済新聞出版社)、『ノマド出張仕事術』(実業之日本社)など。

進学校から東大に進み、在学中からNPOやベンチャー企業の立ち上げでビジネスの分野で頭角を現していた上田さん。――そう聞くと、とんでもないエリート像を想像してしまうが、ご本人によると「人から無理だと言われることをやって失敗ばかり」だと言う。失敗を失敗で終わらせず、次の一歩への糧を得てきた上田さんの思考法をお聞きしてみた。

「見つからない」とあきらめたら、夢は見つからない

上田さん
京谷
はじめまして。オーディオブックを知らない方もいると思うので説明すると、本や雑誌をプロの声優さんが朗読してコンテンツ化して、それをダウンロードして聴くサービスなんですね。ビジネス本だけじゃなくて、ベストセラーの小説とか歴史小説なんかもあるんですね。上田さんのオトバンクでは現在、FeBe(フィービー)という配信サービスでオーディオブックをはじめとする音声コンテンツを配信していて、それから、女子高生のキャラクターが古今東西の文芸作品を朗読する「朗読少女」というiPhoneアプリも好評だとか。
上田
はい、ありがとうございます。
京谷
著書(『20代でムダな失敗をしないための逆転思考』)を読ませていただきまして、そこに書かれていることと繰り返しになってしまうんですが、オトバンク創業のきっかけをまず教えてください。
上田
私の祖父は、私が大学に入る前に亡くなったのですが、その晩年、緑内障が原因で失明してしまいました。自分の書斎を持っているくらい読書が好きな祖父でしたので、本が読めなくなって一日中ソファに座ってテレビの音を聞いている姿がとても寂しそうでした。何かしてあげたいと思いながら、当時の自分には何もできなかったという経験が、オトバンクを立ち上げた原点です。一対一の対面で朗読するというサービスのNPOを作ろうとしたこともあったのですが、より多くの方に朗読を届けることが、祖父のような目の不自由な方を助けることになるだろうと思いました。「日本に“聞く文化”のインフラを作る」を理念としています。
京谷
東大を目指したのもそれが動機だったんですか?本には「偏差値30だった」と書かれてましたが。「絶対に無理だと言われた」とか(笑)。
上田
言われましたね。明言されました(笑)。
上田さん
京谷
それなのにどうして東大を目指すことになったんですか?
上田
ダントツの落ちこぼれではあったのですが、私はいわゆる進学校といわれる高校に通っていまして、周りの同級生たちはほぼ全員が「東大に行く」って言うんですね。勉強の意味を見出したいと思って理由を聞くと、「偏差値が一番高いから」とか「東大だからだ」という答えばっかりで、東大に行って何をしたいのかが分からない。100人に聞いたらほぼ100人そうなんです。「この学校は大丈夫か!?いや、そもそも、今のこの教育制度は大丈夫なのか!?」という危機感を覚えました。この危機に瀕した教育制度を何とか変えなければ日本の未来はないぞと。日本の未来がないということは自分の未来もなくなることですから、教育制度の改革をするために政治家にならなければいけない、それには何が何でも東大に入らなければという使命感みたいなものを感じたんです。
京谷
まずは「志」というか「目標」を定めることが大事っていうことですね。上田さんは高校時代に自分のいた環境から、志、使命感を得たわけですけど。それがあるから、他人が無理だと言おうが何と言おうが、絶対に実現させるっていう軸ができると思うんですね。
上田
そうですね。
京谷
僕、講演活動で小・中学校から高校でも話すんですが、「夢はありますか?」って聞くと、ほとんどの子が「夢はない」って言う。ある子もいますけどね。「何でも好きなことを一生懸命やってたら、夢は必ず見つかるし、必ずかなう」って言ってるんですけど、言っただけじゃなかなか気づかない。子どもだけじゃないですね、きっと。上田さんからヒントをもらえますか?
上田
私自身は、とにかく、後悔する人生を送りたくないんです。自分が明日死ぬかもしれないとしたら、自分に胸を張っていられるんだろうかと。だから、ビジネスで失敗して、失敗したままそこで終わったら胸を張れなくなってしまう。だから、次に目指すものを見つけて追いかけなければというプレッシャーを常に感じています。
それと、「夢が見つからない」と悩む人がいるというのも確かにそうで、そういう人には、「『夢なんて見つからない』って思い込んでませんか?」と尋ねたいですね。
京谷
ああ、なるほど。
上田

夢、志、目標、言い方は何でもいいんですが、「夢は必ず見つかる」というように自分の思考を変えないと、「見つからない」ってあきらめていたら絶対に見つからないものです。「見つかる」と思っていれば、出会ったときに気づきます。気づけるマインドになっているかどうかが大事だと思います。

あとは、「自分が直面している問題は、全て自分が成長するため」と思っておくことでしょうか。失敗したとしてもそれでいい、その失敗は必要なことだったんだと考えることです。例えば、どこかの会社に転職したのに「もっと別の会社に入りたかった」とか思うんじゃなくて、そこで何か夢をかなえられないか考えてみる。すぐには見つからなくても、目の前にあるこの問題を解決しようとか、新しいことをしようとか、志を見つけるのは難しくないはずです。その環境にいるから分かることはたくさんありますから。「ここは自分がいる場所じゃない」って距離を置いた瞬間、見えなくなってしまうんですよ。与えられた環境で何ができるか分からないとしても、とりあえず全力で動くことです。

京谷
今のお話、僕もすごく思います。誰でも「頑張ってます」と言うんですけど、本当に全力でやってるかっていうと、そうじゃないことが多いと思うんです。いいから全力でやってみなって。自分の全力でやって初めて見えることがありますよね。
上田
全力でやらないと壁にも当たれないんですよ。壁に当たったらそこでまた課題が見えてきます。
京谷
壁に当たって失敗したとしても、それをネガティブに考えるんじゃなくて何を得るかですよね。

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