全日本空輸株式会社

東京都

出来ないことではなく、出来ることに着目し、無限の可能性を追求する

障がいのあるなしに関わらず、すべての社員が事業の発展に必要な戦力として活躍するグループ風土を目指します。 

人事部担当者から

ANAグループはエアライン事業を中心に、さまざまな事業を展開しています。グループ各社でも、それぞれが障がい者雇用の取り組みを行っており、古くは1993年、航空会社として初めて特例子会社をつくったという歴史もあります。2012年にもっとグループ全体として障がい者雇用に取り組んでいこうという目的で、ANA人事部の中に「グループ障がい者雇用推進室」を設立しました。私たちは直接採用活動を行いませんが、グループ各社の人事担当者と連携し、障がい者雇用促進のためにグループ各社の採用活動のサポート、障がいのある社員の職場環境の整備、そして、行政・支援機関とのネットワークの強化を図っています。

活動当初、ただ「もっと障がい者雇用を促進しよう」と号令をかけるだけで進むような話ではありませんので、まずグループ全社の職場を直接見に行きました。日本全国で様々な事業を展開していて、本当にたくさんの職場や仕事があります。その一つひとつを精査し、これまで障がい者雇用をしたことがなかった職場にも「こうしたら採用ができるのでは」と提案し、各社の人事担当者との連携を深める中でグループ全体の障がい者雇用は徐々に増えてきました。

次に取り組んだのは、グループ全社員にANAグループの障がい者雇用についての考え方をきちんと理解してもらうために、2015年に「ANAグループ障がい者雇用に関わる行動規範」をつくりました。この中には「全ての社員が障がいに起因する働く上での不便さを解消するよう最大限の努力をする」、「障がいをもつ社員は、自分の障がいにとって必要なサポートを周囲に伝え、理解を得られるよう働きかける」、「出来ないことではなく、出来ることに着目し、無限の可能性を追求する」、「障がいのあるなしにかかわらず、すべての社員に活躍の機会を提供する」といったことが記されています。この内容についても、グループ全社の人事担当者と障がいのあるグループ社員が集まり、泊まり込みでの議論も含めて何度も協議しながら決めていきました。特に「障がいをもつ社員は、必要なサポートを周囲に伝え理解を得られるよう働きかける」という部分は、実際に障がいのある社員から出された意見によってまとめられたものです。

現在、ANAグループでは650名以上の障がいのある社員が働いています。障がいの内容を十分に考慮した上で、基本的には障がいの有無に関わらず、様々な職場に配属されています。また、2015年にグループ内で転籍ができる制度「スマートチャレンジ」を新設しました。せっかく縁あって入った会社であっても、通院事情や障がいの状況などによって従来の業務を担うことが難しくなったり、逆に業務スキルが向上してもっと違う仕事に挑戦したいと考えるようになったりした場合などに、ANAグループの別の会社への“転籍”にチャレンジできるというものです。チャレンジを決める前に自分に合っていそうかどうか実際の職場を見学することが出来ますし、「チャレンジする」制度なので、もし採用試験に合格しなかった場合にも元の会社で不利益な扱いをされることはありません。実際に転籍するかどうかは別として、こうした選択肢があることで、自分の仕事のパフォーマンスや働き方について職場の上司に相談するきっかけになることもあるようです。

私たちは、採用や活躍の場を作ることがゴールだとは考えていません。障がいのあるなしに関わらず、ANAグループ社員がやりがいを持ってどう働いてもらうか、仕事で生み出してもらうことに価値があると考えています。そのためのサポートは、これからもさまざまな形で行っていきます。

全日本空輸株式会社 人財戦略室 人事部 
グループ障がい者雇用推進室 
平田邦夫さん

障がい者雇用をみんなで考える、そのための気づきが必要でした。

人事部担当者から

「ANAグループ障がい者雇用に関わる行動規範」(以下、行動規範と記載)のリーフレットを通じて、ANAグループに在籍する障がいのある社員の人数を発表しました。当初は、「そんなに?知らなかった」という反応でした。数で言うとだいたい50人に1人在籍しているのですが、部署によっては障がいのある社員との接点が少ないことや、外観からは気づきにくい障がいがあることを知らない人が多いことが見えてきました。だからこそ、グループの障がい者雇用を知ることで、「自分と一緒に働く仲間に障がいのある人もいて当たり前なんだ」、という気づきが生まれて、行動規範への理解が深まっていったと思います。いつでも確認できるよう携帯用カードを作って配布したのですが、廊下ですれ違いざまに偶然IDケースの裏側が見えた時に、行動規範のカードを入れている人を見かけると、作ってよかったなと心から思います。作って終わりじゃなくて、思い返して見てもらうことで日常的な行動に繋げてほしいと考えています。

個人的には、「障がい者雇用」という言葉を使うのに少し違和感を感じています。現在、支障なく働いている人も、この先病気や怪我により思うように身体を動かせなくなることや精神的に不調になることは多かれ少なかれあり得ます。一人ひとり置かれた環境や生活があり、画一的な働き方を一生継続してできる訳ではない。組織として最大の成果をあげる為に、その時々の自分はどうすべきか、周囲の理解はどうか、チームとして働くことを誰もが自分事して捉えていく――障がいの有無にかかわらず、常に考えていかなければならないことなのだと思います。

全日本空輸株式会社 人財戦略室 人事部
グループ障がい者雇用推進室
水田晃子さん