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ユニファ株式会社 ユニファ株式会社
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元・専業主夫だから描けた、
「育児のプラットフォーム」。

ユニファ株式会社

IoTやAIなどの最新テクノロジーを活用し、保育施設向けにICTサービスを提供している同社。園児のヘルスケアや登降園状況などをアプリで管理できる『ルクミー』を中心とした保育施設支援サービスを展開し、「保育関連業務の負担軽減」、「保育の質の向上」そして「子どもと保護者の安心」を実現してきました。同社はDXを通じて、保育士不足を含む保育・育児関連の社会課題の解決を目指しています。代表の土岐氏に、今後の展望を伺いました。

ユニファ株式会社 代表取締役CEO
土岐 泰之 Yasuyuki Toki
住友商事株式会社でのリテール・ネット領域におけるスタートアップへの投資および事業開発支援、複数のコンサルティングファームでの経営戦略・組織戦略の策定および実行支援などに従事。二児の父として共働きの中での育児を経験し、2013年にユニファ株式会社を設立。

「日本の共働き世帯は、こんなにつらいのか」
自身の経験が、起業の原動力に。

自分自身のキャリアより、家族の幸せを選んだ。

起業前、私は東京の外資系戦略コンサルティング会社で、妻は名古屋の自動車メーカーで勤務していました。1人目の子どもの育休中は東京で一緒に過ごせましたが、「復帰のタイミングで名古屋へ戻りたい」という妻のキャリアを尊重し、私が自分自身のキャリアを一時中断。悩んだ末に、縁もゆかりもない名古屋へ家族で移住することを決めました。

私にとってキャリアは大切ですが、それは妻にとっても同じことです。何度も話しあううちに、「家族の幸せが損なわれるなら、私個人のキャリアに固執しても意味がない」と思い、私は一時的に専業主夫になるという意思決定をしました。

思い返しても、決定的な瞬間だったと思います。それまで無意識に抱いていたさまざまな先入観を捨てて、家族の幸せを選んだ。この決断がなければ、ユニファは生まれなかったでしょう。

自分にしかできない、新事業。

2人目の子が生まれてしばらく経った頃から、起業を考えるように。実は、当初の事業テーマは太陽光発電でした。出資額も含めた具体的な計画ができつつあったのですが、友人の一人に「土岐くんは、なぜ太陽光ビジネスをやりたいの?」と聞かれて、答えに詰まってしまったんです。ビジネスパーソンとしての自分を見つめなおすと、強みはやはり他の人にない経験。専業主夫を経験した私だからこそ、『家族の幸せ』をテーマにした事業なら、人生を賭けられると思いました。

デジタル写真販売事業から、
プラットフォーム型サービスへ。

保育の現場から、
『家族の幸せ』を考えた。

創業当時、保育施設の写真販売は、写真を印刷して園内の壁に掲示する方法が主流でした。そこで、保育者がスマホで撮影するとデータが自動でアップロードされ、オンライン販売できるサービスを計画。撮影業務を効率化できる上に、AIの顔認識技術を活用すれば、保護者も快適に自分の子どもの写真を検索できると考えました。こうして2013年にスタートしたのが『ルクミーフォト』です。

ビジネスモデルとしては、保育施設に導入コストはかからず、保護者からの収益モデルにしました。また、保育者の処遇改善の一助としたい思いから、『ルクミーフォト』の利益の一部は保育施設に還元する仕組みを考えました。

しかし、導入先が拡大するにつれて、保育の現場が抱える課題がさらに多く見えてきました。保育者は乳幼児の体調管理やお昼寝中の見守り業務、日誌やカリキュラムの作成、保護者対応など、膨大な仕事に追われています。子どもの成長に寄り添い、家族の幸せに直結する仕事であるにも関わらず、その喜びを感じる余裕はない。写真撮影だけでなく抜本的な効率化が必要だと感じたことが、現在のプラットフォーム型サービスの開発を進める決め手となりました。

煩雑な業務の負担をICTで解決。
「ゆとりの創出」が保育を変える。

『ルクミー』シリーズでは現在、保育施設の運営に関するワンストップソリューションを提供しています。具体的には、乳幼児のヘルスケア、保護者との連絡ツール、施設の運営サポートや研修など、AIやIoTなどを活用した多彩なICT/研修サービスです。煩雑な業務の負担を減らし、保育者の就業環境にゆとりを創出することで、保育の質の向上に貢献することを目指しています。

将来的には、こうした最新テクノロジーをさらに駆使した次世代型の保育施設『スマート保育園・幼稚園・子ども園』を日本全国に増やしていきたいと考えています。すでに全国に14あるモデル園とも提携しており、月あたり約65%以上の業務時間を削減できた施設もあります。「子どもと向きあう時間が増え、仕事のやりがいが増した」という声もいただき、本当に嬉しかったです。

大手企業との提携まで、
ビジネスの領域を拡大中。

写真から、子どもの好奇心を分析。
発達・教育支援への展開も。

創業時から展開している『ルクミーフォト』には、膨大なデータが蓄積されています。1億枚以上の写真データをもとに、AIによる「この子たちはよく一緒に写っているから、仲がいいようだ」といった解析も重ねてきました。乳幼児の顔認識は成長に伴う変化が早くとても難しいのですが、当社では世界的にも屈指の精度を実現しています。

これらのデータをもとに、今夏は大手食品メーカーとの共同企画も実施。中長期的には、子どもたちの発達段階や興味関心を可視化することで、一人ひとりに合った教育や教育機会の提供を目指しています。

スタートアップながら、R&Dに積極投資。 海外出身のエンジニアも多数在籍。

研究開発の専任部署があるのも当社の特長です。エンジニアの前職は医療や宇宙関係などさまざまで、約3割は海外出身者です。ビジネスのインパクトが大きいだけでなく、「子どもたちの安心・安全」という明確なミッションに技術を活かせる点は、多くのエンジニアのやりがいにつながっています。

「育児のプラットフォーム」として、
グローバル展開も視野に。

あらゆる知見を集約し、
「保育施設の社会インフラ化」へ。

当社のプラットフォームを通じて得られるデータを利活用することで、保育者の働き方改革や社会的地位向上はもちろん、女性の活躍支援や性別関係なく子育てに参画できるジェンダーフリーな社会の実現に貢献していくことが目標です。

また、グローバル市場においては、特に東南アジアで保育施設が急激に増えています。中長期的には、日本国内で培ったノウハウを海外進出して活用していきたいと考えています。

一緒に働きたいのは、
パーパスに強く共感できる人。

当社では年齢やバックグラウンドもさまざまな人が活躍していて、もちろん子どもを持たない社員もたくさんいますが、同じ目標パーパスに向かって各自が力を発揮しています。優れた能力やリーダーシップも大切です。しかし何より、「家族の幸せを生み出すあたらしい社会インフラを世界中で創り出す」という、当社のパーパス(存在価値)に共感できる人と働きたいですね。

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