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連載 ホンネの転職白書

対面面接かWeb面接(オンライン面接)は選べるならどっちがいい?
メリットとデメリットを解説

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新型コロナウイルスの感染リスクや、リモートワークの普及を背景に、企業の採用面接も非対面(Web面接、オンライン面接)で行われることが増えてきました。対面・非対面を選べる求人も増え、どちらを選べばよいか、あるいはどちらが自分に向いているのか、迷っている人も多いと思います。

この記事では、2021年8月と9月に実施した求職者、採用担当者双方に対する「Web面接に関するアンケート」の結果をもとに、対面・非対面それぞれの面接のメリット・デメリットや、非対面(Web面接、オンライン面接)での注意点などをキャリアアドバイザーが解説します。

対面面接 or Web面接(オンライン面接)、選考結果に影響はある?

対面面接とWeb面接(オンライン面接)の特徴を、スケジュール調整、交通費、事前準備、意思疎通の観点から比較しました。対面・オンラインの面接には、それぞれの特徴があり、一概に有利・不利があるとは思えません。選考結果に影響はないと言えるでしょう。

面接形式(対面/オンライン)の比較表

対面 オンライン
スケジュール調整 面接時間+移動時間含めて調整
(前後の予定との調整が必要)
面接時間のみの調整
(フレキシブルに調整できる)
交通費 原則、自己負担 負担なし
事前準備 面接会場の場所の確認
交通手段の確認
所要時間の確認
通信環境・ツールの確認
面接場所の確保
意思疎通 同じ空間なので会話のテンポがつかみやすい カメラ・マイクにより表情・音声は伝わるので、事前準備をすれば問題ない
オンライン
スケジュール調整 面接時間のみの調整(フレキシブルに調整できる)
交通費 負担なし
事前準備 通信環境・ツールの確認
面接場所の確保
意思疎通 カメラ・マイクにより表情・音声は伝わるので、事前準備をすれば問題ない
対面
スケジュール調整 面接時間+移動時間含めて調整(前後の予定との調整が必要)
交通費 原則、自己負担
事前準備 面接会場の場所の確認
交通手段の確認
所要時間の確認
意思疎通 同じ空間なので会話のテンポがつかみやすい

部長、役員、社長など、最終的に採用を決断する方の中には対面を重視するという方もいますが、実際には今のところ、Web面接だから熱意が伝わらず不利である、ということを示すデータは、以下で解説するdodaの「Web面接に関するアンケート」の調査結果からは出てきていません。

熱意を正しく伝えることは大切ですが、熱意を伝えるために対面を選択する、ということを勧めるわけではありません。熱意の伝え方として、日程調整や提出書類などのやりとりをスピーディかつ円滑・柔軟に対応することなども熱意の示し方とも言えますし、なかなか対面での調整がつかないのであれば、迷わずオンラインを選択してみましょう。

面接方法は、基本的に企業側から指定されることが多いので、対面を指定されたら「対面を重視する企業なのだな」ということを踏まえて面接に臨むのがよいでしょう。

それでは、「Web面接に関するアンケート」の結果を詳しく見ていきましょう。

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Web面接(オンライン面接)の現状

以下は2020年8月から2021年7月にかけてdodaエージェントサービスで取り扱った「Web面接可」の求人案件の割合をグラフにしたものです。グラフを見ると、2021年7月のWeb面接可の求人案件は63.8%でした。

2020年8月時点では、「Web面接可」の割合は38.4%であり、2020年11月、2021年3月と調査を重ねるごとに「Web面接可」の割合は増加し、多くの企業がオンラインでの面接を取り入れるようになってきていることが分かります。

dodaエージェントサービスにおける「Web面接可(オンライン面接可)」の求人案件の割合

Web面接(オンライン面接)に関する求職者の意識

対面面接・Web面接(オンライン面接)それぞれの形式を選ぶ理由

Q1.面接形式を選べるとしたら、対面とWeb面接、どちらを希望しますか?

上記は求職者にWeb面接に対するイメージをアンケート調査したものです。
「面接形式を選べるとしたらどちらを選ぶか」という問いでは、「どちらでもよい」が40.4%と一番多い結果となりました。

多くの企業がオンラインでの面接を取り入れ、定着してきているのと同様に、求職者もWeb面接に対する抵抗感はないことがこの結果からうかがえます。一方で、対面を選ぶ人の割合は39.3%であるのに対し、Web面接を選ぶ人の割合は20.3%で、対面を選ぶ人のほうが多い結果となりました。

Web面接(オンライン面接)の希望理由 TOP5(複数回答可)

順位 Web面接を希望する理由 割合
1位 交通費がかからない 68.7%
2位 スケジュールが調整しやすい 68.6%
3位 地方からでも参加しやすい 35.5%
4位 手軽そう 29.0%
5位 手元に質問事項をまとめたメモなどを用意できる 14.4%

Web面接を選んだ人の回答には、「交通費がかからない」「スケジュールが調整しやすい」「地方からでも参加しやすい」など、面接に参加すること自体に対するハードルが軽減されることにメリットを感じている声や、「手元に質問事項をまとめたメモなどを用意できる」など、面接対策としての有効性を挙げる人もいました。

対面面接の希望理由 TOP5(複数回答可)

順位 対面を希望する理由 割合
1位 表情や雰囲気が伝わりやすい 66.6%
2位 職場の雰囲気を感じやすい 47.5%
3位 会話の意図が伝わりやすい 46.3%
4位 熱意が伝わりやすい 45.1%
5位 通信トラブルの心配がない 24.1%

対面を選んだ人の理由には、「表情や雰囲気が伝わりやすい」「会話の意図が伝わりやすい」「熱意が伝わりやすい」といった、面接官とのコミュニケーションのしやすさや、「職場の雰囲気を感じやすい」という、働く環境を実際に見ることができることにメリットを感じているようでした。

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注意点・気をつけることは? 求職者・担当者、双方から見たWeb面接(オンライン面接)

実際にWeb面接を経験した求職者と、採用担当者の双方が、体験したからこそ感じるWeb面接のメリット・デメリットとはどのようなものでしょうか? それぞれの調査結果から紐解いていきます。

経験した求職者から見たWeb面接(オンライン面接)

Q2.Web面接(オンライン面接)で良かったことはありましたか?(複数回答可)

上記は、実際にWeb面接を経験したことがある求職者に、Web面接の良かった点をアンケート調査したデータです。
良かった点は、「交通費がかからない」が最も多く、次いで「スケジュール調整がしやすい」という回答が多く見られました。また、資料やメモを手元においておくことができるという声もあり、緊張せず落ち着いて会話ができることにメリットを感じているようです。

その他、フリーコメントでも、「移動の必要がないので、遅刻などの心配がない」「海外ともリアルタイムでつながれた」など移動時間・物理的な距離を気にせずに面接に臨めることや、「声が小さくてもよく届く」など、オンラインならではのメリットを感じる意見が見られました。

Q3.Web面接(オンライン面接)で困ったことはありましたか?(複数回答可)

上記は、実際にWeb面接を経験したことがある求職者に、Web面接の困った点をアンケートしたデータです。

逆に困った点では、「表情や雰囲気が分かりづらい、伝えづらい」が28.8%と最も多く、次いで、「通信トラブルが起きた」「通信環境を整える必要があった」など、オンラインでの通信環境についての課題も感じているようです。そのほか、フリーコメントでは「子どもが入り込んで面談が中断された」など予期せぬトラブルへの対応を課題と感じている意見も見られました。

採用担当者から見たWeb面接

Q4.Web面接(オンライン面接)のメリットはなんだと思いますか?(複数回答可)

上記のデータは、企業の採用担当者が感じるWeb面接のメリット・デメリットを調査したものです。
メリットとして最も多く挙げられたのは、感染症対策になる、という回答でした。また、オンラインのため場所を選ぶことなく面接が可能になることによって、遠方に住んでいる求職者との面接が可能になり、応募の間口が広がることもメリットと感じているようです。

その他、フリーコメントでは、オンラインでの仕事スキルや、ITリテラシーをある程度把握することができる、といったWeb面接でしか把握できないことが分かることを利点として挙げる意見も見られました。

Q5.Web面接(オンライン面接)のデメリットはなんだと思いますか?(複数回答可)

上記は企業の採用担当者にWeb面接でデメリットと感じる点をアンケートしたデータです。求職者が感じていることと同様に、表情などが読み取りづらいことや、職場の雰囲気が伝えられないことが挙げられています。

これに対して、ほとんどの企業が意思疎通を円滑に図るための工夫をしていると回答しています。「周囲の音が入らない環境の確保」「通信環境に問題がないかの事前チェック」など事前準備をしっかり整えるなど、通信環境に関することから、「選考中の話すスピードや声の大きさ」「表情やジェスチャーにも気を使っている」「しっかりと相槌を打つ」など、コミュニケーションに関することまで、企業側もこの課題を解決すべく、対策をしていることも分かりました。

Q6. Web面接で求職者と意思疎通を円滑に行うために心がけていること・工夫している点はありますか?(複数回答可)

上記は、Web面接で求職者と意思疎通を円滑に行うために心がけていること・工夫している点をアンケートしてまとめたものです。最も多かったのは「会議室など、周囲の音が入らない場所で実施するようにしている」(81.1%)でした。なお、求職者はオンラインでの面接時に「資料やメモを手元においておけること」をメリットとして挙げていましたが、採用担当者からは、「資料を読み上げているだけになっていないか」をチェックしているという声もありました。あくまで話す内容や、質問したいことの箇条書き程度にとどめ、カンペの棒読みにならないように注意しましょう。

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Web面接(オンライン面接)のメリットとデメリット

前述の調査結果を踏まえ、キャリアアドバイザー監修のもと、求職者にとってのWeb面接のメリット・デメリットをまとめてみました。

Web面接(オンライン面接)のメリット

Web面接のメリットとしてまず挙げられるのは、スケジュール調整がしやすい点、面接会場に縛られない点、自分のフィールドで面接を受けられる点の3点です。

◆スケジュール調整がしやすい

調査結果でも求職者、採用担当者双方の意見としても挙がっているように、Web面接の一番のメリットはスケジュール調整のしやすさです。

多くの場合、求職者は業務終了後、面接企業に赴き面接を受けることになるため、時間的にも遅くなりがちですし、疲労したコンディションで面接に臨むことになります。採用担当者も同様に、遅い時間の面接となるため、業務としての負担がかかります。しかし、Web面接の場合、オンラインだからこそ移動時間を気にする必要がなく、場合によっては昼休みの1時間を使って面接を行うことも可能です。

◆面接会場や勤務地に縛られない

求職者が面接企業と離れた場所にいる場合でも、オンラインであれば場所に縛られることなく面接を受けられることもメリットになります。

実際、遠方の企業の面接を受ける場合、有休を取得しなければならなかったり、選考が進むたびに移動時間や移動コストが発生したり、面接を受けること自体のハードルが上がってきます。そうした点を解消できるのもWeb面接のメリットと言えます。

◆自分のフィールドで面接を受けられる

対面での面接の場合、面接企業を訪れ、待合室で待機し、呼ばれて面接室のドアをノックして…など、企業側のシチュエーションに合わせる形で面接に臨むことになります。その場合、緊張して普段の自分の力を出しきれなかったり、セールスポイントをアピールしきれなかったりすることがあります。しかし、Web面接なら自宅やコワーキングスペースなど、落ち着くことができる環境を自ら選ぶことが可能です。

また、手元に面接企業についての資料を用意することができることがメリットとして挙がっていましたが、この点も、安心できる環境で面接を受けられる、というメリットにつながっているのではないでしょうか。実際に、面接企業の情報をすべて頭に入れて面接に臨むことはなかなか難しいと思いますので、自身の力を発揮できる環境を整えるという意味でも、資料を用意しておけることはメリットと言えるかもしれません。

Web面接(オンライン面接)のデメリット

Web面接のデメリットは、職場の環境が分からない点と、オンラインコミュニケーションの問題です。

◆オンラインで発生するコミュニケーションラグの問題

オンラインでのコミュニケーションの場合、表情や声は伝わりますが、通信トラブルではなくても、動きにややラグが生じることもあり、そのために相手からの返事に少し間があるなど、通常の会話のテンポとは異なる場合があります。こうしたことがもう一つのデメリットでもある「雰囲気が分からない」「ニュアンスが伝わらない」というところにもつながってくるのではないでしょうか。

話は簡潔にまとめる、話し終えた後に「以上です」と伝えるなどで少しでもスムーズなコミュニケーションを意識していきましょう。

◆職場の環境や人柄の雰囲気が伝わりづらい

職場の雰囲気や環境を重視する方の場合、Web面接にはデメリットがあると言えます。一緒に働く方々の様子は、実際に企業に訪れて対面しなければ把握することができないため、相性が合うかどうかについて求職者が判断をすることが難しくなってしまうからです。

また、企業の雰囲気が分からないだけでなく、求職者自身の雰囲気も伝えづらいと感じているようです。
確かに、アンケート結果には「熱意が伝わらない」といった結果が上位に挙がっていました。企業の採用担当者、特に上層部の方々の中には、これまでの面接文化として対面であることが当たり前だったこともあり、対面を重視する方も一定数いることは事実としてあり、こうしたことが、熱意が伝わらない、雰囲気が伝わらない、といった意見に反映されているのではないでしょうか。しかし、オンラインであっても表情や声はきちんと伝わるため、熱意は伝えられるはずです。

対面・非対面、どちらの面接方法であっても、柔軟に対応していくことが、これからの転職活動には求められるでしょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

キャリアアドバイザー

橋本 諒(はしもと・りょう)

国家資格キャリアコンサルタント

【経歴】
前職・前々職でメーカーの人事を8年半経験した後、パーソルキャリアでITエンジニア・コンサルタント・データサイエンティストの方々の転職支援に従事。人事としての知見や、年間約300人の方とお会いしてきた経験を活かしてアドバイスしています。技術トレンドや採用ニーズの変化が激しいIT領域において、求職者の方々が「何を大切にし、何をかなえたいのか』を明確にしてご支援することを大事にしています。

調査概要

調査①

【対象者】20歳~59歳の男女

【雇用形態】正社員

【調査方法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査(ネットリサーチ会社保有のデータベースを元に実施、doda会員登録の状況については不問)

【実施期間】2021年8月19日~8月23日

【有効回答数】15,000件

※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施

調査②

【対象者】パーソルキャリアとお取引や商談などの経験のある企業等の採用・面接官経験者

【調査方法】インターネット調査

【実施期間】2021年9月

【有効回答数】1,836件

※データのご利用について:出所が「転職サービスdoda」であること、本ページのタイトルを明記し、本ページへのリンクを掲載のうえで、利用してください

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