今日の会計マーケットと転職活動を成功させるポイントについて

こんにちは。dodaキャリアアドバイザーの樋渡 一仁（ひわたり かずひと）です。
私は主に、経理・財務、経営企画や監査法人、税理士法人、会計事務所等に在籍している管理部門・企画職の方の転職支援を担当しております。

個人・法人ともに転職活動や採用意欲の高まりが顕著になってきた中、今回は会計マーケットの状況と併せて、どのような方が転職活動を成功させているのかというポイントをお伝えしたいと思います。

まず個人側の活動意欲の変化ですが、事業会社に在籍している経理・財務や経営企画職の方の転職に対する考え方が特にポジティブになってきたと感じています。リーマンショック後においては「会社の将来性が不安」、「リストラによる人員削減にで業務負担が増えてキツい」という転職理由が多く、後ろ向きな転職や安定を求めるための転職が多くありました。ところが最近は「幅広い経験を積みたい」、「これまでと違う新しい業務を手掛けたい」等、前向きな転職理由を多く伺います。これは転職マーケットに携わる者としても嬉しいことです。

特に会計まわりの経験をされている方は、「（次のステップとして）何ができるのか」「どのようなスキルが身につくのか」というスキルの階段が見えやすく、スキルアップを中心とした意欲的な転職理由を述べる方が多くいらっしゃいます。また、電機メーカーを中心とした大企業の業績悪化やリストラから「大手＝安定」という概念よりも、現実的な業績の良し悪し（数字）から転職先としての企業を判断する方も増えてきました。

一方、採用する側の変化としても、増員のための募集という積極的な採用活動に伴って求人数の増加が見られるようになりました。dodaの統計によりますと、経理・財務や経理企画職の方が含まれる管理部門系職種の求人倍率はリーマンショック後（2009年3月）の0.43倍をボトムに、2012年9月は0.90倍にまで回復しています。徐々に求人倍率が高まり、管理部門の求人全般においては「追い風」と言ってよいでしょう。また、これからの10月〜3月までの下半期においては例年求人数が増加しますので転職活動をスタートする上での絶好のチャンスです。

このように個人側の活動意欲が高まり、求人の選択肢も増えてくると、ある事象が起こります。それは、求人の一極集中化です。求人倍率が回復したとはいえ、人気のある求人には応募が集中しますので競争は必至となります。現にある2社間では、年収、業界、上場の有無も同等なのですが、知名度の高い大手企業とそうでない企業だと応募の差は約1.9倍に広がりました（当社調べ）。

ではこうした環境の下、いかにしてライバルの多い中で内定を勝ち取るのか。転職成功の要因になり得るポイントはいくつかありますが、大きなポイントは「企業研究」にあると思います。経理・財務など会計職種の方の転職活動において見受ける成功事例は、企業研究を徹底的に行い、自身のスキル以外のアピールをするケースです。

意外と思われるかもしれませんが、最近では知識やスキルがあれば転職が成功するということは通用しなくなってきています。例えば志望動機がその一例です。転職者の方と模擬面接を行うと、「経験が活かせるということ自体」が志望動機であり自己PRであるという方が非常に多くいらっしゃいます。もともとスキルアップをしたいという願望が強いので当然と言えば当然ですが、そういったアピールをしますと、採用する企業側には「それならどの会社でも良いのでは？」と受け取られます。
経理・財務職の方にとって、公認会計士や税理士のように高度な会計知識をお持ちの方が転職活動のライバルとなる可能性も高い中では、企業研究をしっかりと行った上で企業ごとに合わせて自分のアピールをしていくという一工夫が必要です。

どのような企業研究をすべきなのか、そしてどのようなアピールをしていくのか。応募している企業の特徴・強みにあわせた対策はライバルが多くなる状況下ではとても重要です。もし、お一人で転職活動をされている場合や、これから新たに転職活動を考えていらっしゃるのであれば、共に対策を講じていければと思います。お気軽にご相談ください。

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