人事職ならではの仮説力が「転職戦略」に変化する
こんにちは。dodaキャリアアドバイザーの加賀美 文久です。私は、人事、経理、経営企画、法務、物流購買など、管理部門・企画職の方の転職支援を担当しております。
人事部門で採用業務を経験している方の多くが、中途採用においてさまざまな部門からの求人のニーズに応えるために最適な手法を考えているのではないでしょうか。組織や企業の状態、抱えている課題によって、求人サイト、人材紹介、転職イベントへの申し込みを判断するといった日々の業務の中で、求人票を見ればその裏側の組織事情や課題、求める人材像をある程度想定し、仮説を立てる力が自然と身に付いているはずです。つまり求人ニーズの裏側を知る人事職は、いざ自分が転職活動をする立場になってみたときでも、求人票やホームページの情報だけに頼らずに企業が求めている要件を想像できるということ。そこで今回は人事職ならではの仮説力を使った、「転職戦略」について紹介します。
ポイントは「業界の課題」と「企業の成長ステージごとに求められるタイプ」に注目することです。実際にそれぞれの例を挙げてみます。
(1)業界の課題
●IT業界
IT業界はいかに優れたコンテンツやサービスを提供していくかが重要です。それらを生み出すために優秀なエンジニアを獲得し、定着させることに組織の力点が置かれるでしょう。そのため採用や制度設計に課題があるケースが少なくありません。急成長中の企業が多いため、一気に膨らんだ労務系業務の対応も課題になりがちです。
●製造業界
製造業界は生産拠点を海外に移している企業が多く、生産体制の変更や海外拠点の立ち上げが必要になります。国内拠点を閉鎖するには人材の再配置や制度変更などが課題として挙げられますし、海外拠点を立ち上げるには海外労務問題の解決や本国と海外の制度や文化融合が課題となってくるでしょう。
●サービス業界
小売のサービス業は、慢性的な人出不足を解消するための大型採用が必須です。定着のための教育や制度改革、莫大なボリュームの労務実務が課題となります。
そのほかの業界についても同様に課題を考えてみてください。
(2) 企業の成長ステージごとに求められるタイプ
●創業期
創業期はメイン事業を伸ばしている状態にあります。管理部門は機能分化をしていないため、フロントの補佐も含め一人もしくは、少人数ですべての業務を担当していると想像できます。何かに特化したい方というよりも、経営者の意思を想像しながら、臨機応変にどの分野においても必要な業務をスピーディーに処理していくことが必要です。
●成長期
成長期は徐々に機能分化をしていく段階。境界線のあいまいな業務も多く、業務整理と業務改善(方法の確立)が必要だと想像できます。作業量は増大しながらも従来の非効率な処理をし続ける傾向にあります。処理しながら新しい仕組みを作っていくことが求められます。
●維持期
維持期は管理部門の各機能は分化しており、実務では正確でスピーディーな処理能力が求められます。高度なPCスキルや語学なども必須条件となりつつあります。維持期ながらも、次の成長分野にチャレンジしていく変革気運の高い企業であれば業務改善や組織改革、新たな仕組み作りを求める(今在籍しているタイプと異なるタイプを求める)ケースも増えています。
これらのことから組織やトップに対しての考えを仮説立てることによって、たとえ求人票や企業のホームページの情報が不足をしていたとしても、求めている要件が想像し、「自分はその課題を解決できる」とアピールできるはずです。人事職ならではの仮説力を活かし、転職を成功させましょう。
加賀美 文久
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