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濱尾 宗総

スポーツの世界で
生きるための転職。

濱尾 宗総

HOKKAIDO ASIR DIVERGENT.EXE

posted 2020/10/06

「社会人」と「アスリート」の二足のわらじを履く者にとって、仕事と競技活動をどう両立させるかは、大きなテーマだ。濱尾 宗総は、「競技のための転職」という選択によって、新たなキャリアを歩み始めた社会人アスリートの一人だ。一時はバスケットの第一線から退いた男は、3x3に活路を見出し、プロへの門を叩いた。“社会人5年目のアスリート”は今、大きな夢を目標に変えようとしている。

バスケット熱
の再燃

濱尾 宗総

まずは、濱尾選手が3x3でのプレーを始められたきっかけについて教えてください。

中学、高校とずっと部活でバスケを続けてきて、高校卒業後は地元企業に就職し、仕事をしながら5人制バスケのクラブチームで3年間プレーしていました。でも正直、高校時代で燃え尽きた部分もあって、卒業後は趣味の延長のような感覚でバスケを続けていました。そんなときに、ある先輩から「3x3をやってみないか」と誘いを受けたことがきっかけで、2019年にHOKKAIDO ASIR DIVERGENT.EXEに加入することになりました。当時、目標がない状態でバスケを続けていたので、新しいことを始められることにワクワクしましたね。

濱尾 宗総

実際に3人制でプレーされた感想はいかがでしたか?

もともと1対1で勝負を仕掛けるのが好きだったので、3x3はすごくハマりましたね。5人制だとドリブルで抜いてもすぐ相手のカバーが来るけど、3人制だと一人かわせばほとんど決定機になるので、点が獲りやすいなと感じました。あと、高校の頃から3ポイントシュートもかなり練習していたので、ドライブだけでなく外からの得点も増やせたりと、それまでの経験が活きた部分はありますね。

“不満ゼロ”
での転職

濱尾 宗総

その後、3x3のために転職されたと伺いましたが、本当ですか?

はい。もともとは、新卒で入社したエネルギー設備の会社で、ボイラーの設備保守の仕事をしていました。大手のグループ会社で就業環境には恵まれていましたが、土日が休みではなかったので、バスケとの両立は難しい環境でした。休みはとりやすい会社だったので、土日に試合がある日は有休を使ったりしていましたが、有休の日数も限界があるので(笑)、思い切って土日休みの会社に転職しようと。仕事や会社には何の不満もなかったんですが、3x3を始めて1年経ったタイミングで、よりバスケに専念するために転職を決めました。

バスケットのために働き方を変えられたんですね。今はどんな仕事を?

今は、エネルギー関連の会社で新電力の営業をしています。前職では設備の現場作業の仕事に4年ほど携わっていましたが、営業の仕事にはずっと興味を持っていました。実際にやってみると、自分で結果に責任を持つ大変さもありますが、それ以上にお客様と接して学ぶことがたくさんあり、成果がはっきり見えるのでやりがいも感じます。以前の会社を出るときは相当悩みましたが、今は転職してよかったと思っています。

濱尾 宗総

仕事をしながら、どのように競技活動を両立しているのでしょうか。

平日は仕事が終わってから、週2~3回ぐらいのペースで練習に参加しています。最近では、フィジカル強化のために朝ジムに行ってトレーニングをこなしてから出社するようにもなりました。土日に練習や試合に集中できるようになり、メリハリをつけた働き方ができるようになりました。会社も3x3.EXE PREMIERでの活動を応援してくれているので、仕事と競技の両立がいいバランスでできています。

“雲の上の
存在”に
触れる

濱尾 宗総

バスケット熱が冷めていた頃は、後にバスケットのために転職まですることは予想外だったのでは?

本当そうですね(笑)。当時は考えられなかったです。やっぱり、3x3が大きな転機になったと思います。もともと勝負にこだわりたいタイプだったので、新しい競技で新しい目標を持てたことで、その気持ちがまた湧き上がってきたんだと思います。3x3.EXE PREMIERでシーズンを戦ってみて、HOKKAIDO ASIR DIVERGENT.EXEとしてもっと勝ちたい、タイトルを獲りたい、と欲がどんどん出てきました。

3x3.EXE PREMIERでプレーされて、どういった意識の変化があったのでしょうか?

大きな変化は、自分のプレーに自信が持てるようになったことですね。3x3.EXE PREMIERは、Bリーグに所属している選手もたくさん参加していますが、実際に対戦してみると、「あれ?意外といけるんじゃないか?」と感じたんです。それまでBリーグの選手なんて雲の上の存在だと思っていたんですが、1対1ならけっこう通用するなと思ったり、自分の強みに気づくこともできました。もちろん自分がBリーグに行って簡単に通用するとは思っていないですが、チャンスがあればチャレンジしてみたいなと、また新しい欲が出てきましたね(笑)。

濱尾 宗総

逆に、3x3で難しいと感じたことはなんでしょうか?

3x3.EXE PREMIERは背が高い選手が多く、当たりもかなり激しいので、最初は体格差でふっ飛ばされていましたね。インターカンファレンスで韓国のチームと対戦したときに、2mクラスで動ける選手がゴロゴロいて、衝撃を受けました。そこからフィジカルトレーニングに力を入れるようになり、体重も5kg増やしました。そのおかげで今は当たられても簡単にぶれなくなってきたし、ドライブも安定してきた。3x3.EXE PREMIERはいろんな個性や強みを持った選手がいるので、対戦していて本当に面白いですね。

「バスケしか
ない」とは
言わせない

濱尾 宗総

今、“社会人アスリート”として意識していることはありますか?

もともと負けず嫌いな性格なので、バスケはもちろん、仕事でも負けたくないという気持ちは強く持っています。バスケのために転職しましたが、「バスケしかない」と思われるのは絶対に嫌。競技活動もそうですが、営業の仕事でもちゃんと結果を出していきたいと思っています。今のチームメイトもみんな仕事との両立をしていて、バスケだけでなく社会人としての考え方や行動で尊敬できる部分がたくさんあり、自分にとっての目標にもなっています。

濱尾 宗総

これからの目標を教えてください。

まずは3x3.EXE PREMIER で結果を出して、HOKKAIDO ASIR DIVERGENT.EXEを「勝てる」チームにしていきたいですね。また個人としては、Bリーグのトライアウトにも挑戦してみたい。会社も応援してくれているので、どこまでできるかチャレンジしてみたいです。そして仕事のほうでは、営業として実績を出し、組織を引っ張る存在になりたいですね。判断力や決断力を磨いて、責任あるポジションを任されるようになっていきたいと思っています。

濱尾 宗総

濱尾 宗総(はまお かずふさ)

1997年5月2日生まれ、北海道出身。札幌工業高校時代にインターハイ、ウインターカップ出場を経験。卒業後は地元企業へ就職し、クラブチームでプレー。2019年、「HOKKAIDO ASIR DIVERGENT.EXE」と契約を結び、3x3.EXE PREMIERに参戦。同年、ASIA EAST CONFERENCE ROUND4でチームとして初優勝を果たし、自身は49得点を挙げMVPを獲得。現在、チームの主力として活躍中。179cm、78kg。

  • Text by Naotaka Ashizawa
  • Photograph by Yoshisato Komaki
  • Photo Provided by 3x3.EXE PREMIER

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