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日影 カイル

ビジネスの最前線から、
考察するチーム論。

日影 カイル

HIU ZEROCKETS.EXE

posted 2021/07/15

東京都中野区で、アメリカ人の父、日本人の母のもとに生まれた小さな少年は、バスケットボールと学業を両立しながら育ち、今では大手企業の経営を変革するようなビッグプロジェクトに携わる経営コンサルタントへと成長した。難易度の高い仕事に意欲的に取り組む一方で、週末になればバスケットボール選手として、5人制、3x3の最前線で活躍している。場面が大きく変わっても、チームの中で着実に力を発揮する社会人アスリートである日影に、チームでの戦い方について語ってもらった。

学び、
躍動した
学生時代

日影 カイル

バスケットボールとの出会いについて教えてください。

小さい頃から体を動かすことが大好きで、小学校1年生で野球を始め、ほかにもバスケやサッカーなどさまざまなスポーツに触れてきました。スポーツ以外だとピアノもやりましたが、最終的に「やっぱり自分にはバスケだな」と思って、小学校6年生のときにミニバスのチームに入りました。そこからはバスケ一筋です。中学までは身長が低くて、ポジションはガードでしたよ。真剣に取り組んでいましたが、当時バスケで食べていこうとか、強豪校に入ってプレーしようという発想はなく、高校は進学校に進みました。

高校卒業後はアメリカの大学に進まれています。その理由は?

父がアメリカ人で、母は日本人ということもあり、子どもの頃からアメリカでの暮らしに興味があって、大学はアメリカへ行こうと決めていました。英語に自信がなかったので、語学力を磨きたいという思いもありましたね。入学したのはウィチタ州立大学。強豪チームであるバスケ部への入部は叶いませんでしたが、週末になるとピックアップゲームといって誰でも参加できる試合があったので、毎週参加していました。プレーのレベルはかなり高かったですよ。バスケ以外にもいろんな時間や文化を楽しみつつ、経営学部を4年半で卒業。アメリカは進学基準が厳しいんで、卒業できて本当によかった(笑)。知らない土地に行き、自分の力でやりきれたことで、アメリカに行く前よりも自分に自信を持てるようになった感覚があります。元々は控えめな性格なんですけどね。

プログラミングと、
バスケットボール

日影 カイル

帰国後は、外資系コンサルファームへ入社されています。しかも職種はエンジニアとのことですが、どうしてエンジニアになりたいと思ったのですか?

大学在学中に、「ソーシャル・ネットワーク」という、「Facebook」創設者の半生を描いた映画を見て、とても心を動かされ、自分もIT業界で自分の会社を立ち上げたいと思ったんです。そこで、ゼロからプログラミングを勉強しようと考えました。
新卒で入った会社に6年間勤め、それなりに忙しく大変でしたが、チームとして何かを成し遂げていく仕事にすごく面白みを感じていました。100名ほどのチームでひとつのプロジェクトを成功させたときの達成感は今でも忘れられません。

忙しく働きながらも、バスケットボールは並行して続けていたのでしょうか?

プロを目指したいとは思っていなかったんですけど、バスケは続けたくて、千葉ジェッツネクスト(現・千葉ジェッツふなばしネクスト)とストリートバスケのSundayCrewに在籍しています。SundayCrewは国内最高峰のストリートバスケ大会で何度も優勝しているチームです。休日の体育館で当時のメンバーと偶然居合わせ、声を掛けられたのをきっかけに始めました。仕事にもバスケにも集中したいので、平日は仕事、週末はバスケと完全にオンオフを切り替えています。ただし、パフォーマンスを落とさないために、平日仕事終わりの筋トレは欠かせません。正直結構しんどくて、なかなかやる気は起きませんが(笑)、フィジカルの強さも私の特長なので、しっかり上半身、下半身に分けて鍛えています。

日影 カイル

3x3との出会いについて教えてください。

SundayCrewが3x3の試合にも参加するようになり、徐々に出場機会が増えました。当初はお客さんに囲まれてプレーするのが楽しくて仕方なかったです。「3x3.EXE TOURNAMENT 2014 KOBE」で準優勝、「3x3.EXE TOURNAMENT 2014 SAITAMA」では優勝を果たし、2017年からは3x3.EXE PREMIERのチームに本格的に所属することになりました。しかし、TOKYOWINGS.EXEに加わった後、前十字靭帯を切ってしまう大ケガで、10カ月ほど離脱。こんなにバスケから離れたのは初めてで、早くプレーしたくてうずうずしていたので、2020年からHIU ZEROCKETS.EXEで復帰できたときは、ようやくという感じでしたね!

チームの中で
何ができるか

日影 カイル

HIU ZEROCKETS.EXEでは、リバウンドやディフェンスを強みにチームで活躍されていますが、日影選手の1番の強みは何ですか?

どんなチームにいるかで自分の役割は変化するので、強みもそのとき次第ですね。いつも自分がチームの中でどういう動きをすれば役に立てるかを見極めるようにしています。高校時代は点取り屋としてチームを引っ張り、SundayCrewでもある程度得点力を求められてきましたが、今のチームで自分に1番求められているのは、そこではないなと思うから、チームに貢献できるプレーを追求したいと思います。もともと成長したいという気持ちが何に対しても強いので、今できることには全力で取り組みたいです。いつか体が動かなくなって、もっと頑張っておけばよかったという後悔だけはしたくないですしね。仕事も同様の考えで、手は抜きません。

仕事もバスケットボールも常にレベルアップを意識されているんですね。現在もエンジニアとしてご活躍されているんですか?

今は、新しい景色を見てみたいという思いから、会計系コンサルファームへ転職して経営コンサルタントをしています。実際にシステムを開発するエンジニアとは異なり、お客さまが実現したいイメージを具現化するために分析や提案などを行う、より抽象度の高い仕事です。今担当しているのは、ある大手企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援する業務。お客さまのビジネス構造など根底的な部分から変革するため、完成まで数年かかるようなビッグプロジェクトです。まだ走り出したばかりですが、メンバーやお客さまから感謝される場面もあり、自分のやっていることが認められたと感じられて、非常にやりがいがありますね。

日影 カイル

バスケットボールではチームのバランスを見て自身を活かすというお話でしたが、仕事においてはいかがでしょう。

バスケは器用に自分の役割を変化させられるんですが、仕事ではそうはいかないですね(笑)。がむしゃらに目の前の仕事に取り組みながら、自分の強みは何なのかを今でも悩み、探っているところです。
社員同士が気軽に感謝の気持ちを伝え合うシステムがあるんですが、そこでは、私が主体性をもって何か行動したことに関して感謝の言葉をもらえることが多い気がします。チームの中でやるべき業務を見つけ、リーダーシップを持って推進していけることが、今の職場での強みになってきているなら嬉しいです。バスケにおける自分とも少し連動していますね。

父の姿と
ゆるがない目標

日影 カイル

HIU ZEROCKETS.EXEにおける今後の目標を教えてください。

もちろん、優勝です。チームの動きがどんどん良くなってきているので、お互いの信頼関係をさらに築くことができれば、着実に優勝を狙えると思います。例えば、パスを回すか、人を主軸に攻めるか、1対1で攻めるかなど皆それぞれやりたいプレーがあります。それを練習のなかで感じ取りつつ、実際に対話しながら確認していくことで、チーム全体として何を目指すべきなのかが明確になり、皆の意識を統一できると思います。3x3は一人ひとりの責任範囲が大きいので、認識のすり合わせやコミュニケーションが非常に重要ですね。

明確な目標が定まれば、あとは突き進むのみですね。仕事においてはどのような目標を掲げていますか?

ビッグマウスに聞こえそうですが……、仕事における目標はずっと変わらず、起業です。実は、私の父は東京都中野区でケーキ屋を営んでおりまして。異国の地で30年間地元の方から愛されるお店を経営してきた父の姿をそばで見てきたため、私も自らの手でビジネスを起こしたいという気持ちが強いです。父は店を継いでくれとは言わないし、「アメリカ人としてこうあってほしい」などとも言わず、私の自由を尊重してくれます。一方で母は私がいろいろな選択肢を選べるように多くの経験を積ませてくれました。そんな両親に感謝しながら、自分の力で、夢の実現へと一歩ずつ近づいていきたいですね。さまざまな可能性を探りつつ、ITサービスの立ち上げなど、何らかの形で実現してみせます!

日影 カイル

日影 カイル(ひかげかいる)

1988年5月12日生まれ、東京都中野区出身。アメリカのウィチタ州立大学を卒業後、5人制バスケットボールチーム「千葉ジェッツネクスト」でプレー。「SundayCrew」に所属し、ストリートボールでも活躍。3x3.EXE PREMIERには2017シーズンよりプレーヤーエントリーし、「YOKOHAMACITY.EXE」、「TOKYOWINGS.EXE」での経験を経て、2020シーズンより堀江貴文氏のオンラインサロンが母体となる「HIU ZEROCKETS.EXE」へ加入。185cm、85kg。

  • Text by Ayano Morimoto
  • Photograph by Masaki Yamauchi
  • Photo Provided by 3x3.EXE PREMIER

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