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育ててくれた街に
恩返しができる喜び

横浜F・マリノス ホームタウン担当取違亮大さん

サッカー

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取違亮大(とりちがい・りょうた)さん 23歳
横浜マリノス株式会社 マーケティング本部 メディア&ブランディング部 ホームタウン課

25周年を迎えたJリーグのなかでも、ビッグクラブの一つに数えられる横浜F・マリノス。拠点である横浜市、横須賀市、大和市と、歴史ある名門クラブの橋渡し役を担う、入社2年目のホームタウン担当、取違亮大さんは「週末になったらみんなが日産スタジアムに集まる、そういう文化をつくっていきたい」との夢を思い描く。(2018年8月17日取材)

大学3年の時に、サッカー業界を目指すことを決意した[写真]兼子愼一郎

インターンからスタート

どういう経緯でサッカー業界に飛びこんだのでしょうか?

私は幼いころからサッカーをやっていました。サッカーは大好きなんですけど、プレーヤーとしてはプロ選手のレベルにはなかったので、一度はサッカーから離れようとしたんです。でも大学3年になって自分の将来を考えた時に、やっぱり好きなことにチャレンジしたいという気持ちが芽生えて。いろいろなツテを頼りに、サッカー業界で働き先を探しました。

はじめからクラブで働きたいと考えていたのですか?

サッカー業界であればどこでも、というわけではないですけど、最初はクラブ一択では考えていませんでした。知り合いづてに、クラブスタッフや選手の代理人、スポーツブランドの方やイベント運営の方などさまざまな方とお話しさせていただいたのですが、直感的に自分はクラブで働くのがいいのかなと思うようになりました。自分にとって身近に感じたのが、Jリーグクラブだったというか……そこはもう本当に直感ですね(笑)。

とはいえ、サッカークラブへの就職は狭き門だと思います。

そうだと思います。だから自分も何かきっかけが欲しくて、最初はインターンという形で関わらせていただきました。大学3年の終わりからインターンとして入り、約1年後、大学4年の1月から3月まではアルバイト、4月から新卒で採用していただきました。

マスコットやチアチームが交通安全教室に参加[写真]横浜F・マリノス

クラブを身近に感じてほしい

今の職務内容は?

ホームタウン担当として、クラブと地域をつなぐ役目を担っています。クラブを応援してくださっている地域の学校や行政、商店街、町内会など、多岐に渡る方々と連携しながら活動を行っています。ホームタウン活動は、もちろんスタジアムに足を運んでほしいという思いはありますが、それ以上に、まずはF・マリノスを身近に感じてほしいとの思いで取り組んでいます。

具体的にどんなことを実施しているのですか?

例えばですが、各地域の小学校、区役所、交通安全協会と連携して、児童たちを対象とした交通安全教室などに参加しています。クラブが主に関わるところはマスコットであるマリノスケや、公式チアチームのトリコロールマーメイズが訪問して、横断歩道の渡り方や自転車の乗り方などのお手本を見せたりします。意外かもしれませんが、サッカー以外のところでもさまざまな活動を行わせていただいています。

毎日どういうタイムスケジュールで動いているのでしょうか?

基本的には毎朝出勤後、まずはメールで業務連絡などを行います。その後地域での活動がある時は外出し、イベントや打ち合わせが終わったら帰社、そのような流れが多いです。日によっては終日外出し、いろいろなところを回ることもあります。担当するイベントによっては土日、または夜行われるものもあるので、そういう日は土日勤務や帰りが遅くなることもあります。今はホームタウン所在の小中学校や、各行政機関、地域団体等とやり取りがあるので、日々いろいろな方々とコミュニケーションを取っています。

では、試合日はどのような作業があるのでしょうか?

部署関係なくほぼ全員で、運営の準備や片付けをしています。大きい荷物を車に積んで運んだり、スタジアムで降ろしたり。結構地味な力仕事が多いです(笑)。よく「試合は見られるんですか?」と聞かれるのですが、ほとんど見られませんね。 基本的には録画をして後で見ています。

毎朝出勤後にデスクワークをこなし、その後各所へおもむく[写真]兼子愼一郎

子どもたちにきっかけを

今の仕事のどんなところにやりがいを感じますか?

サッカーを通じて一人でも多くの人に夢や希望、感動をお届けできたらうれしいですし、そういう時は改めてやりがいを感じます。またスポーツクラブの一員として、ホームゲームを通じてたくさんの方々と、うれしさや悔しさといった気持ちを共有できることも、この仕事の醍醐味だと思います。

ちなみに、出身も横浜なのですか?

はい、日産スタジアムの近くにある小学校、中学校に通っていました。ですので、ホームタウン担当として、自分の生まれ育った地域で仕事をさせていただけることになった時は感慨深いものがありました。その中でも母校と一緒に連携して仕事で関われた時はうれしかったですね。OBとして中学校でも講話をさせていただいたのですが、その時は私が在籍していた当時の先生でまだ残っておられる方もいましたし、すでに異動されていた当時の顧問の先生方も見に来てくださりました。自分を育ててくれた街、学校でこうして仕事ができて、恩返しができるのは本当にありがたいですね。

F・マリノスはもともと応援していたクラブだったのですか?

ずっと身近な存在でしたし、子どもの時から試合を見に行ったりもしていました。ですので、入社した時はすごくうれしかったです。Jリーグクラブで働きたいと考えるようになって、最初に行きたいと思ったのがF・マリノスでした。ただ働らかせていただけるならどのクラブでも、という思いもありました。それでも、インターンをきっかけにしてF・マリノスに就職できたので本当に運が良かったと思います。

2017年、第15回大会を迎えたF・マリノスカップ[写真]横浜F・マリノス

客観的にクラブを見る

この業務に就いて印象的なエピソードはありますか?

今はホームタウン専任なのですが、少し前まで普及活動の担当も兼ねていました。F・マリノスは障がい者サッカーの活動もサポートしていて、「横浜F・マリノスカップ」という電動車椅子のサッカー大会を定期開催しています。昨年、節目の第15回大会を開催したのですが、その前に電動車椅子サッカーのワールドカップが行われ、F・マリノスカップ第1回大会から参加されている2名の選手が日本代表に選出され、クラブとしてもホームゲームで、壮行会を行いました。選手のスピーチ時にはファン・サポーターの皆さんからも激励のコールが沸き起こり、選手たちは目を潤わせ「まさかここまで来られるとは思わなかった。F・マリノスのサポートのおかげです」と感謝の言葉を話されていて、その姿を見た私もとても胸が熱くなりました。

この仕事で実現したい夢はありますか?

7万人収容できる日産スタジアムを満員にすることです。今の来場者数は2、3万人ですけど、週末になったらみんなが日産スタジアムに集まる、そういう文化を作っていきたいです。

サッカークラブで働く中で、スポーツ業界にはどんな人が向いていると感じますか?

いろいろなチャレンジができる人や、人と違うことを恐れない人だと思います。もちろん、その競技に対する熱い気持ちも大切だと思います。ただし、好きな気持ちが先行し過ぎるというか、その思いが強過ぎることがマイナスになることもあるかなと。私自身も常に客観的にクラブを見られるよう心掛けていますし、同時に、あらゆるお客様に満足していただけるよう気を配るようにしています。

その心掛けや気配りは実際どういう形で表しているのでしょうか?

言葉のセレクトにしても、自分たちが当たり前に使っているものも、サッカーを知っている人、知らない人に合わせて使い分けたり。それとファン・サポーター以外で、ホームチームの勝敗を気にしていないというお客様もいらっしゃいます。そういう意味でも、自分たちは勝敗以外の部分でお客様に何かをご提供しなければいけません。ホームタウン活動もその一環で、競技面以外のクラブ、チームの魅力をお伝えして、F・マリノスをもっと知っていただき、好きになってもらえればと思っています。

ホームタウン担当として競技面以外の魅力を伝える[写真]兼子愼一郎

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