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ボランティアの力で
世界一の大会を目指したい

東京マラソン財団 ボランティアセンター島田 美れ井さん

その他

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島田美れ井(しまだ・みれい)さん 29歳
一般財団法人 東京マラソン財団
運営統括本部
ボランティアセンター

東京マラソンを支えるボランティアの映像を見て、「キラキラ」したその姿に心を打たれた。そして東京マラソン財団に転職し、ボランティアセンターでボランティアおよび東京マラソン財団オフィシャルボランティアクラブ「VOLUNTAINER(ボランテイナー)」の運営を担当している。マラソンに関わって「世界が広がった」という島田さんは、1万人以上のボランティアを先頭で引っ張り、3万8000人参加の一大イベントを無事に完遂させる。(2019年9月24日取材)

ボランティアセンターは協力会社のスタッフ含め計6人で運営[写真]兼子愼一郎

1万人以上のボランティアが参加

東京マラソンはどれぐらいのボランティアに協力していただいているのでしょうか?

1万人を超えるボランティアの皆さんに活動していただいています。今年の大会は最も多い「メンバー」が約1万人、「リーダー」が約700人、「リーダーサポート」が約130人でした。そのボランティアの皆さんと向き合う財団職員は4人で、ほかに協力会社のスタッフが2人いて、計6人で担当しています。協力会社のスタッフは大会が近づくにつれて、もう少し増えます。

活動は具体的にどんなものがあるのでしょうか?

大会当日はスタート、フィニッシュ、コース管理、コース給水と主に4つの活動に分かれます。給水所はコース上に15カ所あり、場所によっては給食の用意もあります。スタートとフィニッシュには会場誘導などさまざまな活動があり、全部で30種類近くになります。また大会前の3日間に関連イベントも行っていて、そこでも多くのボランティアの皆さんに活動していただいています。私は2019大会ではスタートとコース給水を担当しました。

ボランティアに参加する際、必要な資格などはあるのですか?

「絶対に必要」というものはないですが、東京マラソン財団では、VOLUNTAINER会員向けに救命救急講習、障がい者対応、熱中症対策などのスキルアップ講習を開催していて、それらを受けて知識を身につけておけば、ボランティア活動の幅が広がりますし、より楽しくなると思います。

本大会に向けて救命救急、障がい者対応などさまざまな講習を実施[写真]兼子愼一郎

2018年10月にフルマラソン初挑戦

2020年の東京マラソンは3月に開催されますが、ボランティアの皆さんはどのようなスケジュールで準備するのでしょうか?

まず2019年の5月から6月にかけて130人のVOLUNTAINERリーダーサポートとVOLUNTAINERリーダーの研修兼選考を行いました。それを通過した方と、昨年までに通過している方の中から、9月から10月ごろに、東京マラソンで活動するリーダーサポート約130人とリーダー約700人の募集を行い、選任、当選された方が大会期間中に活動することになります。リーダーサポートのキックオフミーティングが11月にあり、リーダーキックオフミーティングを2020年1月に行います。その後にようやく具体的なマニュアルを確認しながらの説明会があり、ボランティア受付でウェアなどを受け取って当日を迎えるという流れになります。約1万人のメンバーについては、募集が11月末にスタートし、年内には大会当日に活動する方々が決まります。

島田さんご自身のキャリアについてお聞きします。出身地である千葉県館山市の市役所から2018年4月に東京マラソン財団に転職したそうですね。

市役所では住民票などを交付する市民課という部署にいたんですが、7年目にスポーツ課に異動しました。そのときに「館山若潮マラソン」という1万人規模の大会の担当になり、マラソンに関わるうちに「面白いな」と思うようになりました。そんな中、あるセミナーで東京マラソン財団が制作したボランティアの映像を見たんです。楽しそうに活動するボランティアの皆さんがキラキラして見えて、その映像を地元のボランティアの皆さんにも見せたいと思い、東京マラソン財団に問い合わせました。「この映像を使ってもいいですか?」とか、「どうすればこれだけのボランティアの方々が集まるんですか?」とか相談しているうちに、気がついたら転職していました(笑)。

マラソンに対して、もともとはどのようなイメージを持たれていましたか?

スポーツ課に異動する前は好きではなかったですし、子どものころは長距離走が苦手で、最後のほうを先生と一緒に走るような生徒でした。ですが、スポーツ課の上司はお昼休みにランニングや水泳をやるようなアクティブな人で、それを見ていて楽しそうだと思い、自分もランニングを始めました。徐々に走ることが楽しくなって毎朝10キロ走ってから通勤するようになり、それからハーフマラソンに出て完走して、2018年10月には金沢マラソンで初のフルマラソンに挑戦し、ボランティアなど沿道からの声援のおかげで楽しく完走することができました。

東京マラソン財団で勤務するようになり、自分の中で変わったことはありますか?

もともとは館山市しか知らない人間だったんですけど、マラソンに関わって知識が増え世界が広がりました。今年の金沢マラソンのボランティアリーダー研修の講師の依頼をいただき登壇したんですけど、昨年の大会を走ったことで大会の魅力を交えながら話をすることができましたし、マラソンを通じて金沢が大好きになりました。

2019年8月、金沢マラソンのボランティアリーダー研修に講師として登壇[写真]東京マラソン財団

大会当日は早朝から稼働

2019年の東京マラソンでは、3日前のランナー受付から当日までどのようなスケジュールで動いたのでしょうか?

ランナー受付が大会3日前に始まり、同時に別の会場でボランティア受付も開催します。我々はランナー受付で活動するボランティアの運営をしながらボランティア受付の対応もするため、両会場を行ったり来たりしました。受付が終わったらスタート会場である新宿の東京都庁前に移動して大会前日の夜遅くまで準備をするのですが、大会当日の早朝に会議があるので、ホテルで仮眠を取って開催日を迎える流れでした。当日は5時半にリーダーサポートが集まり、6時にリーダー、6時半にメンバーが集合します。スタートエリアは時間との勝負なので、リーダーサポートやリーダーの臨機応変な対応が大切になります。スタートが終わったらリーダーサポートから振り返りを聞き、聞き終わるのが12時ぐらいで、コース給水も担当しているので電車で移動しながらコースを巡回し、最後はフィニッシュのヘルプに回り、19時ぐらいにようやく終えて帰宅しました。

初めて東京マラソンを経験して、どのように感じましたか?

あっという間に終わって、楽しかったですね。その日のために準備してきたことが目の前で実現していくのがうれしかったです。リーダーサポートの方々の準備もかなり長い期間に及ぶので、いろいろ大変だという声があがっていたんですが、最後は「あ~楽しかった!」と言って帰られるんですよ。その「楽しい」感覚が大会終了後に分かりました。

ボランティアの皆さんと一緒に仕事をする上で、難しいことなどはありますか?

天候によって活動の環境が大きく変わりますので、そのあたりは難しさを感じますね。欠席やキャンセルによって当日、人数が足りなくなるグループも出るんですが、その場合は「ボランティア同士で協力して調整してください」と言うしかないんです。キャンセルを見越して多めに当選を出しているんですが、その見込みが甘かったなと思いました。

各活動ブロックへの1万人以上のボランティアの配置も決める[写真]兼子愼一郎

活動を知ってもらいたい

ボランティアセンターの担当として今後トライしていきたいことなどはありますか?

東京でのビッグイベントが続き、ボランティアへの関心が高まっていますけど、その関心を維持することが大切だと思っています。ボランティアを経験してその感動が忘れられず、ほかでもボランティアをしたいと思っている方への活動の場の提供や、さらに楽しくなるような工夫をしていかなければならないなと。財団の力だけでは限界があるので、地方の大会とも連携していきながら、そうした機会を提供できればと考えています。

今後の夢や目標を教えてください。

ボランティアの皆さんは老若男女さまざまな方々がいて、関わっているだけでこちらも前向きになれるので、そうした活動をもっと多くの方に知ってもらいたいですね。そのためにはボランティアの皆さんにいろいろな場で活動していただくことが一番だと思っています。例えば地方での大会でボランティアの1泊2日のツアーを企画して、現地のコースをバスで回ったり、前夜祭で地元のボランティアと交流したりして、大会後は温泉に入って帰る、みたいな企画は面白いなと思っています。そうしたワクワクする企画を実現させて、それがボランティア文化の普及につながればいいですね。

ボランティア文化が普及していけば、東京マラソンはさらに活気あふれた大会になりそうですね。

東京マラソンは今、日本一の大会と言われていますけど、昨年シカゴマラソンを視察した際、まだまだできることがたくさんあると思ったので、現状に満足せず日本一を超えて世界一の大会にしたいです。そのためにはボランティアの存在が不可欠ですし、ボランティアの力で世界一の大会を目指したいですね。

シカゴマラソンを視察して、「できることがたくさんある」ことに気づかされた[写真]兼子愼一郎

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