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ロールモデル 〜自分のキャリアを見つけた女性たち〜

ロールモデル 〜自分のキャリアを見つけた女性たち〜 ロールモデル 〜自分のキャリアを見つけた女性たち〜
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掲載日:2015年10月26日

やりたいことをかなえるために教師という未知の世界に思い切って飛び込んだ

認定NPO法人Teach For Japanの教師(フェロー)として、奈良県の公立小学校で教える池田さん。総合商社で働いていた25歳の時、「私が本当にしたいことは何か」と自分を見つめ直したことが、キャリアの方向転換をする決断につながったと言います。「教育の問題を外から批判する傍観者ではいたくなかった」と話す池田さんに、転職の経緯や、教師という仕事への思いを伺いました。

NPO法人Teach For Japan フェロー 池田 由紀(28歳)

Profile

2010年

早稲田大学教育学部を卒業後、大手総合商社に入社

2013年

退職。教員免許取得のため通信制大学に入学(5月)
Teach For Japanにボランティアスタッフとして
関わり始める (7月)

2014年

文部科学省で短期の非常勤職員として勤務(1月)
Teach For Japan非常勤職員(4月)

2015年

第3期フェローとして奈良の公立小学校に赴任(4月)

認定NPO法人Teach For Japan

教育への情熱や問題意識を持った多様な人材を、教師(フェロー)として学校現場へ派遣する「フェローシップ・プログラム」を展開。提携する自治体のニーズに合わせた人材を紹介し、学校に赴任させることで、学校教育の質の向上や、教育による社会・経済的格差の解消などを目指す。

入社3年目、憧れの仕事の一方でめばえてきた
学校教育への関心と課題意識

私は今、Teach For Japan(以下、TFJ)のフェローとして公立小学校で教師をしていますが、教育学部で学んでいた大学時代は教師になるつもりはありませんでした。そのため在学中は教職課程を取らず、勉強よりもチアリーディングに熱中。就職先に大手総合商社を選んだのは、英語を使うグローバルな仕事がしたかったことと、船舶の分野に漠然と興味を持っていたことが理由です。入社3年目には希望が通って用船事業課という船のチャータリングを担当する部署に異動しました。

ところが、異動してしばらく経つと、「これが私の本当にやりたかったことなのだろうか」「私は誰かの役に立てているのだろうか」ともやもやとした思いを持ち始めました。海外とのやりとりもあり、億単位のお金や何万トンもの積荷が関係する仕事にはやりがいを感じていましたが、あこがれていた船の仕事にいざ携わってみたことで、その先の目標を見いだしていなかった自分に気づいたのです。改めてそこに至るまでの道のりを振り返ってみたら、私はそれまでの人生で、自分の将来のビジョンや「どう生きたいか」をあまり深く考えないまま受験勉強や就職活動をして社会に出てしまっていた。小学校・中学校・高校・大学とたくさんの教育を受けてきたはずなのに、本当に大事なことを十分に学べていなかったと痛感し、「学校教育はどうあるべきか」ということに関心を持つようになったのです。

教育に目を向けたもう一つのきっかけは、異動先で海外の人との関わりが増えたことでした。私自身の意見や考え、さらには日本の政治や歴史について尋ねられても、答えに詰まるばかり。ここでも自分が受けてきた教育を振り返り、社会に出るまで、誰かと議論しながら自分の意見を理論的に組み立てたり、自分の頭でものごとをクリティカルに考えたりする経験をほとんど積んでこなかったことに気づきました。だったら、私自身がその課題解決に取り組みたい。子どもたちには、自分の将来を考えたり、自分自身の意見を人に伝えたりする経験を積み重ねてもらいたい。そう考えて、教師を目指すことを決めました。

「どうして教師に?」という周りの戸惑いの声が、挑戦へのバネに

キャリアの方向性を大きく変えることには、不安や迷いもありました。でも、いくら悩んでも正解が見つかるわけではないし、状況は変わらない。だったら、あとに引けない状況に自分を追い込んでしまおうと、上司に退職の意思を伝え、教員免許を取るための進学手続きも済ませました。教師になるという私のプランを知った同僚からは、温かい応援をもらった一方で、商社から教師というキャリアの転換を驚かれることもありました。でも、「きっと自分にしかできないこと」と、チャレンジする意欲が高まりましたね。

2014年5月に商社を退職し、通信制大学で教職課程の履修をスタート。並行して、教育の現状を少しでも知ろうと、教育関連のNPO活動や講演会などに積極的に参加し、その中でTFJを知りました。最初はボランティアスタッフとして関わり、その後、非常勤職員になりました。

当初は中学校の教師になるつもりで社会科・英語科の教職課程を履修したのですが、母校の中学校で教育実習を経験したことで、気持ちに変化が生じました。教科ごとに担当が替わる中学校ではなく、全時間を同じクラスで過ごす小学校で教えたいと思うようになったのです。まだ価値観や人間ができあがる前の子どもたちと正面から向き合い、それぞれが持つ力を引き出す仕事がしたくなりました。そこで、教育実習を終えた後、TFJのフェローシップ・プログラムに応募。小学校の教員免許を持っていなくても高等学校教員の免許があれば、臨時免許状(※1)を活用することでTFJフェロー(教師)として2年間公立小学校で教えられるという点に魅力を感じました。それまで非常勤職員としてTFJの活動に携わる中で、情熱を持って教育に打ち込む先輩フェローの姿に触発されたことも大きかったですね。幸いにもフェローとして採用され、2015年4月からプログラムの赴任地の一つである奈良県の公立小学校で教師として働いています。

※1 都道府県ごとに定められたプロセスを経て、教育委員会より授与される期限付きの免許状。

先が見えなくても、まずは飛び込んでみる。進むべき道は、その先におのずとひらけてくるもの

教師になって最初の1学期を終えたところですが、毎日が学びや発見の連続です。子どもたちに対して、嘘やごまかしは絶対に通用しません。「先生、前に言っていたことと違うよ」と言われることもあって、ハッとします。大学の同級生や前職の同僚など、世界中でいろいろな仕事や活動に打ち込む友人・知人がいることは私の財産なので、そんな友人たちの様子を折に触れて子どもたちに伝えたいですね。「私の友人」というリアルな存在を通して、世の中にはいろいろな職業やいろいろな生き方があることを知ってもらいたいと思っています。

フェローシップ・プログラムの任期は2年間ですが、その先の具体的なプランはまだ決めていません。今の小学校で教師としてさまざまな経験を積む中で、新たな課題や取り組みたいことが見えてくると思っているからです。フェロー修了生として自分の経験を後に続く人たちに伝えていくことで、TFJの活動にも貢献していきたいと思っています。そうすることで、より多くの子どもたちの人生に刺激や影響を与えることができ、ひいては社会を巻き込んで教育を変えていくことにもつながると信じているからです。

この先も教育にずっと関わっていきたいという思いは強くありますが、どのように関わるかは、自分の中でまだ明確に定まっていません。やりたいことが見つかったならば、先行きが不透明でも、まずはその場所に飛び込んで、経験を重ねながら進むべき方向を探っていく。私にはそういうやり方が合っています。将来的に結婚や出産も経験したいですし、どの方向に進んだとしても仕事はずっと続けたい。やりたいことを追求し続ける生き方を貫きながら、ワークとライフを両立するためのベストな道を探っていきたいと思います。

COMPANY DATA

企業名
認定NPO法人Teach For Japan
設立
2010年7月
従業員
職員11名(常勤・非常勤)
事業内容
教員の自治体への派遣事業
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