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「夢や目標に期日を設ける」岡崎体育の成功を支えた母の教え|ラジオアーカイブ

「夢や目標に期日を設ける」岡崎体育の成功を支えた母の教え|ラジオアーカイブ

前編:2023.8.27(日)放送回
岡崎体育さん
シンガー・ソングライター、俳優

ラジオ音源はこちらから

「空想メディア」ロゴ04

放送作家の高須光聖さんがゲストの方と空想し、勝手に企画を提案する『空想メディア』。
社会の第一線で活躍されている多種多様なゲストの「生き方や働き方」「今興味があること」を掘り下げながら「キャリアの転機」にも迫ります。

今回のゲストは、シンガー・ソングライターの岡崎体育さんです。『MUSIC VIDEO』が大きな話題を呼び、デビュー後すぐにブレイクした岡崎さん。短期間で数々の成功をつかんできた背景には、お母様とのある約束がありました。音楽以外にもマルチに活躍する岡崎さんの成功の秘訣に迫ります。

  • 岡崎体育さん

    岡崎体育(おかざきたいいく) 「盆地テクノ」と称した独自の音楽スタイルが人気のシンガー・ソングライター。
    俳優としての評価も高く、数々のドラマやバラエティー番組などにも出演。

  • 高須光聖さん

    高須 光聖(たかす・みつよし) 放送作家、脚本家、ラジオパーソナリティーなど多岐にわたって活動。
    中学時代からの友人だったダウンタウン松本人志に誘われ24歳で放送作家デビュー。

新人らしからぬこだわりから生まれたデビュー曲の大ヒット

高須:めっちゃぼく、(岡崎さんのことが)好きなんですよ。

岡崎:本当ですか? うれしいです。

高須:って言いながら、すみません。曲はそんなに知らないです。でも知り合いが「これ、めっちゃおもろない?」って『MUSIC VIDEO』(※1)のMV(ミュージックビデオ)を送ってきて。それを見て「めっちゃおもろいやん、これ」「音楽ってもう、こういうことができるようになってんのや」と思ってびっくりしたんですよ。なんでああいうことを曲にしようと思ったんですか?

(※1)岡崎さんのメジャーデビューアルバム『BASIN TECHNO』に収録された曲。“ミュージックビデオあるある”がテーマとなっている

岡崎:もともと、デビューアルバムに入れようとしていた曲が、ちょっとパンチが弱いなと思っていまして。それで「(期日を)ちょっとだけ遅らせて、もう1曲だけ書かせてくれ」ってレコード会社に言って。まだデビューもしてないのに(笑)。

高須:待たせて(笑)。

岡崎:ちょっとパンチのあることをしたいなと思って、YouTubeとかでいろんな人のMVを見漁って。「(最近の)傾向をつかんで売れ線な曲でも書こうかな」と思っていたんですけど、見ている中でなんか「ちょっとこの演出、さっきのMVと似通ってるな」って気づいたんです。そこから「これもしかして、いっぱいMV見たら“MVあるある”の曲を書けるかもな」って。

高須:めっちゃおもろいやん、ええとこ(突いて)いくなぁと思って。

岡崎:そうですね。結構自信はあったんですけど、ここまで朝のワイドショーで取り上げてもらうような感じになるっていうのは、ちょっと想定外やったんでうれしかったですね。

高須:「パンチ少ないけど、まあええか」って予定通りの曲数でいかなくて良かったですよ。

岡崎:そうですね。わがまま言って良かったなって思いました。

脱サラしてミュージシャンに。音楽人生に影響を与えた母の教え

高須:子どものころはどんな人やったんですか?

岡崎:目立ちたがり屋だけど、すごく引っ込み思案というか。人前には出ていくんですけど、「よう考えたらめっちゃ恥ずかしかったな」とか、「なんであんなとこで前に出ていったんやろう」とか、後から思うタイプだったんです。小学校のときは、あんまりそういう感覚はなかったんですけど、中学・高校になってからバランスを考えるようになったというか。

高須:思春期や。

岡崎:そうですね。それもあるし、ちょっと節度が分かるようになってきたというか。何か言いたいことがあっても、自分がちょっと出遅れたら「ここは(前に出ずに)とどめておくほうがいいな」みたいな。そういうことをちょっとずつ学んでいったのが中学・高校ぐらいからで。

高須:そのころから音楽が好きやったんですか?

岡崎:音楽好きでしたね。母親がQUEEN(クイーン)(※2)が大好きで、追っかけをずっとやってました。家ではずっとクイーンのレコードがかかっていたし、親戚もバンドやってたりして。

(※2)イギリスのロックバンド

高須:じゃあ、お母さんも音楽の道に進んでほしいと思ってたんかな?

岡崎:どうなんでしょう。でもうち母子家庭で、大学に通っているころから「就職活動どうなってんの?」みたいに言われてました。母親は結構堅い仕事に就いてほしい感じだったんで一応サラリーマンをやったんですけど、なんか合わへんなと思って半年ぐらいで会社を辞めちゃって。それで、「音楽続けたいんやけど」って母親に話したら「4年間やって無理だったらあきらめろ」と。「普通の職に就いてくれ」って言われたんで、音楽に関して母親(が賛成かどうか)は結構半々な感じでしたね。

高須:なるほどね。じゃあ「4年間で売れなあかん」「音楽で食えるようにならなあかん」っていう約束があったんやね。

岡崎:そうですね。期限を設けられたというか。でもそれが結構その後の音楽人生に関わってくることが多かったです。「さいたまスーパーアリーナでワンマンライブやる」とか、いろいろ夢や目標を定めて言ってたんですけど、それも4年間でメジャーデビューできて母親との約束を守れたっていうのが、一つの成功体験になっていたからで。「夢とか目標にちゃんと期日を設ける」っていうのをそこで母親から学びました。

高須:おお、偉っ! すげー。

岡崎:さいたまスーパーアリーナでライブをやるのも、ずっと目標にしているだけならなんとなく時間が過ぎていっちゃうと思ったので、30歳までっていう期限を設けて。

高須:すごいね。今また次の目標はあるんですか?

岡崎:ミュージシャンとしては、やっぱり(NHK)紅白歌合戦に出てみたいっていうのはありますね。

高須:全然(オファー)来るでしょう?

岡崎:ないんですよ。やっぱり通信簿といいますか、世論とかNHK貢献度とかがないと。

高須:ある種のスタンプがいるんよね。

岡崎:そうなんですよ。でもNHKでは結構ドラマとかにも出させてもらっていて。

高須:そうや! この間見ましたよ。磔(はりつけ)(※3)になって。いい演技してましたよ!

(※3)NHK大河ドラマ「どうする家康」に鳥居強右衛門役で出演

岡崎:(笑)。Eテレでも番組をやらせてもらったり、NHKへの貢献度はわりと…。

高須:そこそこスタンプもらっているじゃないですか。

岡崎:ただ、セールスが壊滅的なんですよ。

高須・岡崎:(笑)

高須:いや、そんなことはないでしょう(笑)。

岡崎:紅白出てる人たちに比べると、やっぱり全然追いつけないんで。

高須:いや、こっちはインパクトがありますからね! “紅白あるある”の曲を作れないんですか?

岡崎:“紅白あるある”ですか? 初年度でなかなかですけど(笑)。まあ、もし出演させてもらえるってなったら、そういう要素とかも入れたいですね。

世間の流れや若い才能を受け入れるアーティストでありたい

高須:自分で歌ってみるとか曲を作ってみるっていうのは、昔からやっていたんですか?

岡崎:やってましたね。中学生のころにやっていた携帯ゲーム機のソフトに、サブコンテンツで作曲ができるリズムゲームがあって。それではやりのJ-POPの曲とかを打ち込んで、友達みんなにプレイしてもらうみたいな。それが音楽を作る原体験でした。

高須:へぇー。楽しかったですか?

岡崎:楽しかったし、周りから「すげぇ」って言われるのがうれしくて。

高須:なるほどね。

岡崎:母親とか先生はたまに褒めてくれたりするんですけど、血がつながっていない、先生でもない人に褒められることの喜びっていうのが。

高須:さっき「全然セールスが追いつかない」って言ったじゃないですか。なんでそんなこと言うんやろうって思いながら聞いてて。

岡崎:なんでしょうね。例えばチケットも、SNSで「すみません。高知がまだチケット何十枚余ってます。高知の人遊びに来てください」って言ったほうが来てくれるんですよ。

高須:いやそうでしょう、それは。

岡崎:チケットがあと何枚余ってるとか、CDがこれだけしか売れなかったとか、ちゃんと言おうと思って。なんかそこ隠すことでもないし。

高須:でも、なんとなく“岡崎体育”っていう名前も顔もみんなに浸透してきて、ちょっと“ええかっこ”もしたいじゃないですか。「もう俺、そこそこの人やで」っていう。そんなんないですか?

岡崎:いやむしろ、さいたまスーパーアリーナでワンマンライブしたのが、もう自分のキャリアハイ(※4)だって勝手に思いこんでて。

(※4)キャリアの中で最高の記録や成績のこと

高須:なるほど(笑)。

岡崎:ここからは伸びることってない。あとは徐々に降下していって、なんとなく音楽活動を続けていくような感じになるんかなって思ってます。やっぱ旬ってものもありますし。後から若くてすごい才能のある子たちがいっぱい出てくる。それはいつの時代もやっぱそうだと思うんですよ。それを受け入れるアーティストでありたいなという。

高須:かっこいいじゃないですか…。めっちゃかっこいいこと言いますね。

岡崎:本当ですか?

高須:いやでも、それはすごいな。「最近ちっちゃい会場でやってるね」ってお母さんに思われるのもちょっと嫌やから、「いや大丈夫よ。あえてギュッとした感じで今やってんねん」って。ぼくなんかはちょっと強がってまうけど、そこはズバッと言うんですね。

岡崎:言われるほうがつらいというか。言われる前に先に言っちゃう。

高須:なるほど。

岡崎:やっぱ照れ隠しなのかもしれないですね。

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知らないことがあるのが楽しい。ドラマやバラエティーでの経験が音楽にも生きてくる

高須:どんなテレビ見てました?

岡崎:もう土曜日の午後8時とかはずっとテレビ見てました。何をいちばん見たかなぁ…。でもクイズ番組すごい好きです。昔からクイズがすごい好きで。

高須:じゃあインテリなところがあるんですね。しっかりと。

岡崎:昔から勉強するのは好きでしたね。だからよく勉強はしていました。

高須:へぇー。じゃあやっぱりクイズ番組も、知らず知らずのうちに答えたくなってるみたいな?

岡崎:そうですね。家族でお茶の間で見ているときに、家族の誰よりも先にパッと答えて「すごいね。よう分かんなあんた」みたいにおかんに言われるのがうれしくて。結局何もかも、母親に褒められることがうれしいっていう(笑)。

高須:うれしいねんね(笑)。

岡崎:はい。『ミラクル9』(※5)とかも出させてもらいました。

(※5)『くりぃむクイズ ミラクル9』2012年1月11日からテレビ朝日系列で放送されている

高須:どうでしたか?

岡崎:やっぱ楽しいですね。間違えても楽しい。

高須:ええーっ!

岡崎:「あ、知らんかったこと、まだいっぱいあるわ」っていうのが。

高須:ポジティブー!

岡崎:(笑)

高須:どうですか? ミュージシャンと、ドラマの俳優と、バラエティーやクイズ番組に出るのと。何がいちばんいいですか?

岡崎:いちばんいいのはもちろん音楽です。でも、ドラマやバラエティーに出させてもらって学ぶこともたくさんあります。

高須:またポジティブなことを言う。

岡崎:いや、これは本当に。例えばお芝居で言うと、初期の自分の演技では、眼球が動いているところが結構あって。「やっぱ眼球の動きってセリフ言うときは固めたほうがいいんやな」って、一緒に出ていらっしゃる俳優さんたちを見て学んだりとか。それをライブに持ち帰れるんですよね。

高須:なるほど。

岡崎:ライブで歌っているときはお客さんのことをいっぱい見ようと思ってキョロキョロしてるんですけど、映像で見るとやっぱ固めて歌ったほうがちょっとかっこいいんですよ。

高須・岡崎:(笑)

高須:ミュージシャンかっこいいあるあるね。(ドラマの現場に)行って「あかん。セリフ完璧に飛んでる」「もうすぐ出番やけど、どうしよう」っていうことはないですか?

岡崎:ほぼないですけど、1回だけ何回やっても覚えられへんセリフがあって。阿部寛さんと共演させてもらったときだったんですけど、カタカナがめっちゃ多いセリフがあって。リハのときもずっと台本を読みながら覚えようとしていたんですけど、阿部寛さんに台本を取り上げられました。

高須:えっ?

岡崎:カメラから映らん所にこっそり忍ばせてくれて。「本番もこれ見ながら言えば大丈夫だから」って言ってくれはって。

高須:何それ?!

岡崎:男前オブザイヤーでした。

高須:ほんまやなぁ(笑)。

岡崎:めっちゃ好きになりました。

高須・岡崎:(笑)

高須:阿部寛さんから「寿司行かない?」って言われたらどうします?

岡崎:行きたいですね。やっぱりお芝居の中で対話していたので、お芝居じゃない、普通の人となりを知りたいです。

――お母様の教えの下、さまざまな夢や目標に挑み、実現してきた岡崎さん。後半ではそんな挑戦の背景にある、岡崎さんのマインドについて伺います。お楽しみに!

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