障害者トライアル雇用のメリット|障害者雇用枠で適職を探すためのポイント
障害者雇用枠で就労したいと思いながらも、「いきなり本格的にはたらくのは不安がある」「まずは適性を見極めたい」と悩んでいる方はいませんか。そんなときに活用したいのが、障害者雇用における試用期間ともいえる「障害者トライアル雇用」です。実際に企業ではたらきながら、職場環境や仕事内容が自分に合っているか確認できる制度で、障害のある方が就労への第一歩を踏み出すための貴重な機会となるでしょう。
そこで本記事では、障害者トライアル雇用のメリットや注意点について、分かりやすく解説します。
目次
障害者トライアル雇用とは
障害者トライアル雇用とは、企業が障害者を雇用する際に、求職者と企業の相互理解を促進するための制度です。企業側は求職者の適性に合わせた業務内容・就労環境を検討し、求職者は職場環境や仕事内容が自分に合っているかを判断できます。
特に障害のある方にとっては、「長期就労できるか」「理解が得られるか」といった疑問について、実際にはたらいて見極められるので安心です。なお、本制度は職場体験ではなく「試用期間」のような制度であるため、求人内容に沿った給与が支払われます。
障害者トライアル雇用の対象者
障害者トライアル雇用は、次のいずれかの条件に当てはまる障害者が対象となります。
- 就労経験のない職業に就くことを希望する
- 過去2年以内に離職または転職が2回以上ある
- 離職している期間が6ヶ月を超えている
- 重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者のいずれか
「新しい分野にチャレンジしたい」「短期間での転職が続いたので、自分に合う職場を探したい」「重度の障害があり、配慮の度合いを実際に試しながら確認したい」など、さまざまな背景がある方に向けて用意されている制度です。つまり、就労への不安が大きな障害者の方ほど、障害者トライアル雇用は向いています。
「障害者トライアル雇用」と「試用期間」の違い
「障害者トライアル雇用」と「試用期間」は、本採用が前提となっているかという点で異なります。試用期間の場合、期間満了後の本採用拒否は解雇に相当するため、合理的な理由が必要です。一方で、障害者トライアル雇用は期間満了で雇用契約も切れるため、本採用の場合は新たな雇用契約を結ぶことになります。職歴として「解雇」が残ることも原則ありません。
なお、障害者トライアル雇用の期間は障害種別によって異なり、身体障害者・知的障害者は3ヶ月間、精神障害者は6ヶ月間となっています。障害の程度や障害者手帳の等級などは、障害者トライアル雇用の期間に影響はありません。
障害者短時間トライアル雇用との違い
障害者トライアル雇用と類似した制度に「障害者短時間トライアル雇用」があります。障害者短時間トライアル雇用は、次の点で障害者トライアル雇用とは異なります。
- 1週間あたりの所定労働時間が10時間以上20時間未満
- 対象者が精神障害者または発達障害者のみ
- トライアル期間が3~12ヶ月
「フルタイム就労は難しいが短時間労働で就労準備を整えたい」という方に、障害者短時間トライアル雇用は向いています。
障害のある方が「障害者トライアル雇用」を活用するメリット
障害のある方が障害者トライアル雇用を利用することで、次のようなメリットが得られます。
就労への第一歩を踏み出しやすい
障害のある方の就労には、健常者の場合と比べてさまざまな壁があります。例えば、障害の特性や症状によって「苦手なこと」や「できないこと」があるため、適切な配慮が得られなければはたらき続けることが難しいです。
また、「職場で理解されるか」「受け入れられるか」など、心理的な面でも不安が大きいため、なかなか一歩を踏み出せないこともあるでしょう。障害者トライアル雇用では、いわば「試しにはたらいてみる」ことができるので、通常の障害者雇用枠の求人と比べて失敗を恐れずにチャレンジしやすいのです。
仕事への適応力を高められる
障害者トライアル雇用で実際にはたらき始めると、障害があることによる特有の課題が見えてきます。その課題について、どのように自分で対処すればいいのか、自分で工夫できる範囲を超えている場合はどんな「配慮」を企業に求めればいいのかなど、はたらきやすい環境を整えるために必要なことが分かります。つまり、トライアル雇用は困難に対応しながら仕事に適応するための「練習期間」にもなるということです。
職場環境や支援体制を把握できる
障害者トライアル雇用を利用することで、職場環境や支援体制について理解できます。例えば、職場が自分にとってはたらきやすい場所か、障害について理解・配慮が得られるか、などのポイントから「長期就労できるかどうか」を見極められます。
逆に企業側も、「自社の仕事に適性があるか」「定着できそうか」などを見極めているため、両者の認識をすり合わせてミスマッチを防ぐことが可能です。
自己理解を深めるきっかけになる
障害者トライアル雇用で得られる経験は、自己理解を深めるきっかけになります。障害のある方は、障害特性や症状などによる制約から、どうしてもパフォーマンスを発揮しきれない部分があるものです。
そのために、企業は障害者に「合理的配慮」を提供して苦手な部分をサポートしますが、「どんな配慮が必要か」については本人が企業に求める必要があります。例えば、バリアフリー環境の提供やコミュニケーション方法の工夫などです。
ご自身で対処できる部分と企業の配慮が必要な部分、そのバランスについて障害者トライアル雇用で経験を積むことで見えてきます。
完了すると「期間満了」扱いになる
障害者トライアル雇用の期間終了前に継続の有無、つまり正規の雇用契約を結ぶかどうか面談が行われるため、無理に就労を続ける必要はありません。その場合でも「自己都合」ではなく「期間満了」扱いになるため、その後で転職する際などに退職理由としてマイナスの印象になりにくいです。
なお、厚生労働省の資料によると、8割以上が障害者トライアルの期間終了後も継続就労しているため、長期就労につなげられる可能性は十分にあるといえます。
障害者トライアル雇用の課題・注意点
一方で、障害者トライアル雇用には次のような課題もある点に注意が必要です。
給与や待遇が正社員より低い可能性がある
障害者トライアル雇用は、基本的には有期雇用であるため、障害者雇用枠の正社員雇用より給与水準が低めに設定されている場合があります。提示された給与額でご自身の生活を支えることができるか、事前にチェックして慎重に検討する必要があります。
トライアル雇用後の本採用に不確実性がある
前述したように、約8割が継続雇用となっていますが、障害者トライアル雇用の期間満了後に必ずしも本採用につながるとは限りません。企業が適性を見極めた結果、契約が終了することもあれば、業務内容やサポート体制が合わないことなどが理由で、ご自身で継続を辞退することになる可能性もあります。期間満了後の新たな転職活動についても、検討しておくことが重要です。
障害者トライアル雇用に応募できる支援機関・サービス
障害者トライアル雇用制度を利用して就労するためには、次のいずれかの支援機関・サービスで、障害者トライアル雇用の求人に応募する必要があります。
ハローワークの障害者に関する窓口
各自治体に設置されているハローワークの「障害者に関する窓口」では、障害のある方が就労に関するサポートを受けられます。障害者トライアル雇用を活用したいという旨を伝えることで、ご自身に適している可能性のある求人の中から、制度に対応している求人を紹介してもらえます。所定の手続きを踏み、履歴書の提出や面接などを行って採用されることで、障害者トライアル雇用に進むことが可能です。
障害者雇用専門の転職エージェント
障害者雇用専門の転職エージェントでは、さまざまな支援実績があるプロのキャリアアドバイザーのサポートを得ながら、ご自身に合った適職を探すことができます。障害者トライアル雇用の求人紹介はもちろん、履歴書の作成や面接対策など、就職活動・転職活動のために必要なトータルの支援が受けられるので安心です。
障害者トライアル雇用や転職に関するご相談は「dodaチャレンジ」へ!
障害者トライアル雇用を活用することで、職場環境や仕事内容が自分に合っているか、本採用ではたらく前に確認できます。いきなりはたらくことに不安がある場合は、障害者トライアル雇用を検討してみるのも良いでしょう。
障害者雇用専門の転職エージェント「dodaチャレンジ」では、キャリアアドバイザーがあなたの悩みや希望に寄り添い、納得のいく転職が実現するまで一緒に伴走します。障害者トライアル雇用の求人紹介だけではなく、あなたの障害特性や症状を踏まえて、必要な配慮事項も提案します。
どのような職種・環境でどんな配慮があれば障害と付き合いながらはたらけるか分かり、「職場で理解やサポートが得られるか」といった不安も解消できるでしょう。この機会にぜひdodaチャレンジにご相談ください。
まずは、キャリアアドバイザーに転職相談を
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公開日:2026/2/24
- 監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
- 上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■障害者職業生活相談員
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