人気職種「社内SE」へのキャリアチェンジ成功の秘訣とは？

社内SEと言っても、実際の業務内容はIT戦略企画、システム開発、サーバ・ネットワーク管理、ヘルプデスク業務などさまざまです。 そしてその中でも実際に携わる業務は、その企業の事業フェーズによって大きく変化していきます。
たとえば、成長フェーズに入り始め、未整備の情報システムインフラを整えていかなければならない企業の社内SEの仕事は、社員のサポートをするヘルプデスク業務やサーバ構築・管理、システムを開発するうえでのベンダーマネジメント等が中心。
一方、成熟期を迎えた大手企業ではそのようなサーバ管理業務等を徐々にユーザー系SIerやアウトソーシング企業に外注するようになり、社内SEに求められる業務はIT投資計画の立案やBPR推進のためのシステム企画、BCPやITガバナンス強化等の業務にシフトしていきます。
企業のフェーズによって求められる社内SEのスキルや経験が大きく変わるのが、あまり知られていない社内SEの特徴なのです。

一つの求人に多くの応募者が殺到し、企業側が選べる立場で選考ができることが社内SEの特徴。
多くの応募者の中で、一番にならなければ採用内定を勝ち取ることはできません。そのために必要なこと。それは、応募先企業の組織と自分を知ることです。
前述の通り、企業のフェーズによって求められる人材が全く異なる中で、応募しようとしている企業が社内SEに求めようとしていることは何かを理解するには、その企業の組織状況・フェーズ等の内部状況を分析することが重要です。
例えば「ITインフラ環境の整備が急務だが社内にITを理解している人がおらず、SIベンダーからの提案の判断がつかない状態を改善したい」というのが採用背景の企業の場合。企業が求めているのが「顧客満足と自社利益の両立」「IT投資のコストマネジメントの推進」「ITインフラの品質向上」であろうと想定できれば、「顧客の金額予算と自社利益を考慮したうえで提案を行い、工数管理に特にこだわったプロジェクトマネジメントを推進してきた」という経験のアピールが効果的であることがわかります。また、例えば「組織内の高齢化が進んでおり、事業継承を進める上で将来のシステム管理者となるIT知識とコミュニケーションスキルを持った若手を採用したい」という企業の場合。求められるのは「IT部門以外の一般社員や顧客とのコミュニケ―ションを業務上で進め、調整力・説明力を高めてきた」という強みや経験を持った人材であると想定ができます。
ただシステム設計の経験がある、インフラ管理の経験があるというアピールではなく、応募している企業の組織とその課題を知ることで、その課題を解決するうえで自分がどのような経験を活かして貢献していけるかを具体的にアピールすることが、企業側にあなたを採用する価値を強く感じさせること、ひいては採用内定を勝ち取ることにつながります。