

転職市場予測2025下半期
【doda編集長とキャリアアドバイザーが動向を解説】
転職市場で求人数は増えるか、求人が増える業界・職種はどこかなどについて、doda編集長と16人のキャリアアドバイザーが解説します。企業が求人を出す背景や採用したい人物像などのアドバイスもお届けします。
2025年下半期の転職市場は引き続き活況だが、一部に不透明感も
取り上げた15分野のうち11分野で求人が「増加」または「好調を維持」と予測されており、2025年下半期も転職市場は活況を維持する見込みです。
一方で、2025年上半期で「求人増加」の予測をしていた電気・機械の分野では米国の関税政策への懸念や為替レートなどの先行き不透明感から「減る、または横ばい」へと予測が難しい状況になっています。
求人増加(7分野):営業、人事、経理、法務、企画・マーケティング、化学・素材、食品
好調を維持(4分野):IT・通信、メディカル、不動産・建設、販売・サービス、
横ばい(3分野):金融、事務・アシスタント、クリエイティブ
減る、または横ばい(1分野):電気・機械
2025年下半期の転職市場が引き続き活況である背景には、さまざまな理由があります。
一つは、団塊ジュニア世代が2040年ごろに定年退職を迎える問題、いわゆる「2040年問題」に代表される労働力不足の深刻化の影響です。企業は、2040年を見据え、中長期の目線で今のうちから採用体制や採用ブランディングの強化などに力を入れ始めています。
また、海外市場の拡大に伴う人材確保のニーズもあります。少子高齢化に伴う市場の縮小を見据えて、国内市場だけでなく海外市場への拡大を行う企業が増加してきており、海外営業や現地工場のマネジメント経験を持つ人材などのニーズが高まっています。
さらに、AIの技術進化やDXニーズの拡大も求人増加に影響しています。生成AIやITツールの進化・活用が進むとともに業務で求められるスキルも変化しており、業界特有の技術やITツールの利用経験があると高く評価されるケースも増えています。
一方で、米国の関税政策や為替レートなどの先行き不透明感から製造業の一部では採用計画に不透明感が生じており、最新動向の把握がこれまで以上に重要になっています。
「2040年問題」を見据えた採用強化が進む
2025年上半期に引き続き、「2040年問題」──1971〜74年ごろに生まれた団塊ジュニア世代の大量退職による労働力不足の深刻化──に備えて、中長期的な人材確保に取り組む企業が増えています。特に、将来のマネジメント層候補や、専門人材の採用が強化されています。
生成AIの活用・DX推進に取り組む企業が増加
2025年下半期は、生成AIを業務に活用しようとする動きがより本格化するでしょう。企業が単に人を増やすだけでなく、業務プロセス全体を見直し、業務効率化を進める中で、AIを活用できる、DXを推進できるといった人材の評価が高くなる見込みです。
その一例として、建設業界で進む「BIM/CIM」の活用があります。「BIM/CIM」はデータ活用や共有による受発注者の生産性向上を実現するツールです。現在のところそれらの利用経験を持つ人材は希少であるがゆえに、今後人材ニーズは高まると予想されています。
このようにさまざまな業界で仕事の進め方に変化が生じており、今後身につけるべき知識やスキルの方向性も大きく変わっていく可能性があります。
世界経済の影響次第で、転職市場に影響が及ぶ可能性も──早めの情報収集を
2025年下半期には、米国の関税政策や為替の変化といった世界経済の情勢が日本企業の中途採用計画に影響を及ぼすかもしれません。業界によっては採用枠の抑制や場合によっては中止など、見直しが入る可能性もあります。転職を検討している方や、将来的なキャリアチェンジを視野に入れている方は、早めの情報収集や準備を進めることが重要です。
2025年下半期の転職市場で押さえておきたいトレンドは?
社員満足度を高め、定着率向上を図る企業も
売り手市場が続く中、多くの企業が採用活動の強化に加え、社員が長く安心して働ける職場づくりに目を向けるようになっています。特に近年では、社員満足度を定期的に集計し、その改善に取り組む企業も増えており、定着率の向上を重視する動きが広がっています。
具体的には、残業時間の削減に向けた制度整備や、転勤の有無を事前に選べるキャリアコースの新設、一時金の導入・増額など、働き方に関する柔軟な選択肢や支援を提供する事例が見られ、定着を意識した職場環境の整備が進んでいます。
選考時や内定時の説明やフォローをしっかり行う企業が増加
入社後のミスマッチを防ぐために、選考段階から丁寧な説明やフォローを行う企業が増えています。例えば、業務内容やキャリアパスについて具体的な説明を行い、応募者が入社後の働き方やスキルアップをイメージできるよう工夫する企業が見られます。
また、「カジュアル面談」や「オファー面談」を通じて業務内容や働き方を詳しく説明するケースも増えています。さらに、工場や会社の見学機会を提供したり、面接に現場社員が同席したりすることで、現場理解を深める取り組みも見られます。
転職をお考えの方々にとっても、入社前に業務や職場に関する理解を深めることで、早い段階から活躍し転職成功の実感を得られる可能性が高まるでしょう。

変化の時代こそ、キャリアアドバイザーと転職活動を
「2040年問題」への対応は企業の重要課題であり、2025年下半期も求人市場はおおむね活況となる見込みです。DXの需要やテクノロジーの進化も求人ニーズ増加の要因となっており、同時に求められるスキルや活躍の場の変化にもつながっています。一方で、米国の関税政策や世界経済の不透明さといった外部要因により、採用状況は今後大きく変動する可能性もあります。
転職市場の動きが読みにくい今だからこそ、自分にとって最適なタイミングを見極め、企業に対してどのようなスキルをアピールしていくかを整理することが重要です。キャリアアドバイザーは、皆さんのこれまでのご経験の中から、今後の転職市場で求められる強みや伸ばすべきスキル、知識をアドバイスします。また、あなたに合った企業探しをはじめ、転職活動全般をサポートします。変化の兆しが見える2025年下半期の転職では、転職のプロの力をうまく活用していきましょう。
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doda編集長
桜井 貴史(さくらい・たかふみ)
新卒で大手人材会社に入社し、一貫して国内外の学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社。
同年、株式会社ベネッセホールディングスとの合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、同社 商品サービス本部 本部長として、キャリア講座やアセスメントをはじめとした、大学生向けサービスの責任者を務める。2023年4月、doda副編集長 兼 クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャーに就任し、法人向け採用支援プロダクト全体を管掌。2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで約60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。
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