【徹底調査】with/afterコロナ時代の障害者採用と、転職活動のあり方 ~新時代のはたらき方を考える~

コロナウィルス影響調査

新型コロナウィルスがもたらした「新しい生活様式」は、障害者採用市場においてもまた変化を与えています。with/afterコロナ時代、企業は採用活動においても新たな手法が求められ、一方求職者はオンライン化に対応したり、転職活動を中断してはたらき方を見直すなど、不安が大きくなっていることでしょう。
本調査では、障害者の希望のはたらき方や、就業変化における不安な点、「はたらく」に対し重視する点などを調査。新型コロナウィルスが、障害者の転職に対する考え方にどのような影響をもたらしたのかを把握し、「新しい生活様式」の中の「はたらき方スタイル」を考える指針としてください。

point

  • 「はたらく」に求めることや、はたらくことの優先順位、約4割が変化した
  • 「はたらく」について特に重視すること、第1位は「収入・給与」、第2位は「継続してはたらけること」
  • with/afterコロナ時代の「はたらき方」に期待すること、「在宅勤務を選択できる環境」が5割を超える

調査概要

調査期間:2020年6月23日~7月1日
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:全国の障害のある方男女で、就職・転職検討中、または就業経験のある方
サンプル数:763名(身体64.7%、精神32.1%、知的1.8% 未回答・不明1.4%)

参考:企業向け意識調査の調査結果はこちら

目次

01.約4割が新型コロナウィルスの発生前後で「“はたらく”に対して求めることが変化した」と回答

読み取れるポイント

  • 「“はたらく”に求めることは、新型コロナウィルスの影響によって変化ありましたか?」と伺ったところ、39.3%が「変わった、変わった部分もあった」と回答。
  • 就業中の方の多くが「社会情勢に関する不安」「体調・健康面への不安」を感じている。

withコロナ調査_グラフ1

在職中の方の不安、「今後の社会情勢に関する不安」が40.9%と最も多く、次いで「体調、健康面への不安」が36.7%

調査の結果、「社会情勢に関する不安」や、精神的なストレス等による「体調・健康面の不安」が多くみられました。次いで、減収などによる「生活・収入面の不安」30.5%、雇い止めや解雇、雇用契約が継続されないなどの「就業継続の不安」30.3%と、実生活に直結する不安を感じる方が多数みられました。
キャリアやはたらく環境の前に、まず【雇用の安定】【収入の確保】という「生活の安定」そのものを企業に求める意識がうかがえます。

02.障害者採用での転職活動について。“はたらく”に対して重視すること

読み取れるポイント

  • 「収入・給与(57.1%)」「継続してはたらけること(43.3%)」や、「障害上必要な配慮、健康支援(30.1%)」などが特に多かった
  • 新型コロナウィルスの流行前後で「収入・給与」が7.5ポイント減少、「業務内容」が15.9ポイント減少し、在宅勤務などのはたらき方について6.3ポイント上昇している

withコロナ調査_グラフ2

障害者採用で“はたらく”に対して求めているのは「収入・給与」、「安定した雇用継続」

この調査結果からも、継続して安定した収入を得て、労働を継続したいという障害者の仕事に対する意識がはっきりとわかりました。中でも新型コロナウィルス発生後では、より雇用の「継続性」を重視する傾向が出ており、「はたらく=安定した生活のため」という意識が読み取れます。
また、「障害特性上必要な配慮」やライフワークバランス、「自宅と職場の距離・在宅勤務制度」など、障害のある方にとってはたらく上で本質的に必要なものも、発生後にポイントを上げています。
一方で、「収入・給与」「業務内容」「自己成長」を期待するという回答がポイントを落としていました。障害者採用市場の不確実性が高い現在、優先順位が下がってきているのかもしれません。

03.with/afterコロナ時代の今、企業や社会、人材紹介サービスに期待すること

読み取れるポイント

  • 「在宅勤務ができる」、もしくは「在宅勤務と出社を両立してはたらく」ことを望む人が5割を超える
  • 人材紹介サービスに対しては「自分にあった求人の紹介」「自分にあったはたらき方のアドバイス」を求めている

withコロナ調査_グラフ3

自分の希望と適性に合ったはたらき方を見つけ、安定した環境ではたらきたい

調査結果からは、今後在宅での勤務を希望する人は多い傾向ですが、「在宅勤務したいが仕事の内容が自宅でできない」、「柔軟なはたらき方の選択肢がある会社ではたらきたい」など、理想と現実にはギャップがあることがわかりました。
転職支援サービスには「自分に合ったはたらき方」へのアドバイス、「希望に合致した求人の紹介」を求めています。今後も不確実性の高い状況が続くと見られていますが、「新しい生活様式」に対する不安を払拭できる、それぞれの考えに合わせたはたらき方を望む意識がうかがえます。

障害者採用市場における「はたらき方の新しいスタイル」には「多様性」と「選択の自由」を求める

  • 「在宅勤務になり、通勤への不安が解消されて不安がなくなった。このまま新しいはたらき方が浸透してほしい。」(精神、就業中)
  • 「テレワーク等の充実を図り、個人の生活と両立性が高いはたらき方が拡大することを望んでいます。」(身体、休職中)
  • 「時差出勤やフレックスで通勤時間が分散された方が満員電車で体力と気力を削られないので、障害者としても通勤しやすくなる。」(身体、求職中)
  • 「自分の障害と在宅勤務は相性が良いので、在宅勤務の拡大、利便化が進んでほしい」(精神、在職中)
  • 「聴力障害のある私にとって今回のコロナウィルスに伴う、テレワークの推奨は取り残される恐怖がありました。」(身体、在職中)
  • 「テレワークの普及により能力がありながらはたらけない方や合わない仕事をしている障害者の方が、通勤や職場の環境(階段や人目とか)の影響なくはたらける機会が広がったと思います。」(身体、在職中)

というように、自由回答には「勤務場所」「勤務時間」「勤務日数」の多様化普及から、「障害による不安や制約の解消」につなげたい意向が多くみられました。

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新型コロナウィルスがもたらした「新しい生活様式」で、転職市場もまた、急な変化を余儀なくされています。この状況下で、改めて今までの就業環境や、自身の社会生活と「はたらく」ことに対する考えを見直す方も多いと思います。
慣れない生活と社会の変化とともに、抱える仕事の悩みや不安は、上司や家族、ご利用中の支援機関、dodaチャレンジのような転職エージェントなどに相談し、ひとつひとつ払拭してみてください。

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