障害者採用企業ピックアップ file01
パナソニック株式会社 採用ページ

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
ビューティ・パーソナルケア事業部

高木さん(身体障害2級)

それぞれの障害特性を持つ多様な方と一緒に、はたらく職場をつくっていきます

パナソニックの社内カンパニーの一つとして、同社のDNAである家電を担う「くらしアプライアンス事業」と、空調や冷熱機器などの業務用製品・サービスを手掛ける「くらしインフラ事業」をグローバルに展開しているくらしアプライアンス社。革新的技術や高度なリサイクルスキームの進化を通じて、パナソニック環境ビジョン2050実現に向け「憧れのくらしと持続可能な社会の両立」を掲げ、地域社会とのコミュニケーションを深めた環境活動も推進している同社に入社し、高木さんがどのようなはたらき方をしてどんなご活躍をされているか、お話を伺いました。

身体障害による制約があっても、「笑顔と明るさ」がモットーです。

私は、両上下肢・体幹機能に障害があります。また生まれつき脊椎が湾曲している分、健常者と比べ、身長がとても低いです。障害等級は身体障害2級になります。
生活する上で多少制限されることはありますが、マイカーでどこにでも行きますし、趣味の音楽活動も楽しんでいます。楽器は、アコースティックギターとエレキギターを弾きます。音楽仲間と一緒に年に数回ライブ活動もしています。今は、コロナ禍で自粛していますが、早くライブをしたいですね。
小学校から短大卒業まで通常学級に通い、子どもの頃からのモットーは、「笑顔と明るさ」です。友人や周りの人からもよく、「笑顔がいいね、いつも明るいね」と言われていました。

培ったキャリアを活かして可能性を広げられる。配慮のある環境が決め手に

ーー高木さんの所属部署と仕事内容は?

高木さん

パナソニックへの入社は2019年12月で、アプライアンス社(現くらしアプライアンス社)のビューティ・パーソナルケア事業部の彦根総務課に配属されました。くらしアプライアンス社は、家電・空調・食品流通・デバイス製品の開発・製造・販売を事業領域としており、ビューティ・パーソナルケア事業部は、美・理容器具、健康器具を取り扱っています。総務課における私の主な仕事は、工場の環境事務局として会社の方針や目標を各部門に展開させ、環境保全に努め、環境経営活動を推進させることです。その他に、安全衛生や情報セキュリティ管理業務などにも携わらせて頂いております。

ーー何が入社の決め手となりましたか?

1次面接のとき、初対面で工場内を案内して下さったことが決め手となったと言っても過言ではありません。運動機能に障害があるので、物理的な環境面は内心とても気になっていましたが、面接をして頂いた方(現上長、人事部門長)から、最初に工場案内を提案してくださり、とても安堵したことを覚えています。実際に案内して頂いた時に、事務所への鉄扉を開けられるかの確認であったり、トイレがちゃんと利用できるか、食堂で食べ物を受け取る高さは問題ないか等、現地で全て細かく聞いてくださったので、大変配慮のある職場であり、『ひとのあたたかさ』を感じましたね。

もう1つは、仕事内容です。私は、短大卒業から18年間、医薬品メーカーに在籍していました。慣れた業務を続けていくのは楽だったかもしれません。しかし私は自分の可能性を広げたい、よりチャレンジできる仕事がしたいと考えていました。2次面接のとき、私に期待する業務と自分が培ってきたキャリアが一致することが多く、是非ともこの会社で自分の可能性をもっと引き出してみたいという意欲が一層強くなったことが入社の決め手となった2つ目の理由です。

ーー仕事をする上で高木さんが心掛けていることはありますか?

自分から挨拶し、接していくことです。コミュニケーションの始まりは挨拶だと考えているからです。所属する彦根工場は1500人以上の従業員がいますので、もちろん全員の顔と名前は分からないのですが、仕事で関係するときはもちろん、すれ違ったときなども、極力、笑顔で挨拶するよう努めています。昔から、人と話すことが好きでしたので、友達は多かったほうですね。私の障害は、誰から見ても一目見たら分かるものですが、今までいじめにあったり、友達関係で嫌な思いをしたことがそれほどなかったのは、自分から接していく姿勢があったからかもしれません。「自分から挨拶」することは、仕事の上でも潤滑油になってくれています。

もう一つは、「仕事を楽しむ」ことです。与えられた仕事をこなすのではなく、日々、小さな工夫を積み重ね、達成感を味わいながら仕事をしていくことをポリシーにしています。小さな工夫をし、できたときの達成感が、「仕事を楽しむ」ことに繋がると考えています。

ーーはたらく職場としてのくらしアプライアンス社の魅力は?

職場全体が、落ち着いた雰囲気で、お互いが協力し合って成果を出そうという風土があります。また人の意見にしっかり耳を傾け、その意見を尊重する職場でもあります。誰か一人がガツガツして成果を出すのはなく、全員で力を出していこうという、ものづくりの骨頂を感じます。各々がスペシャリストとして育っていると感じます。

ーー職場の配慮については?

高木さん2

入社初日、私のために仕事をする上での環境を整えてくださったことがすぐにわかりました。私が入社するまで高い位置にあった鍵ボックスの設置場所を手の届く高さに設置し直してくれたこと、コピー機の前に踏み台を用意してくれたこと、ロッカーのハンガー掛けの位置を調整してくれていたこと、トイレも低い洗面台を設置してくれていました。
嬉しかったことは、初出社で緊張する私に同部署の同僚が気さくに話しかけて下さり、「これ、高さ大丈夫?不便じゃない?」等ちゃんと私に確認を取って配慮して下さったことです。とても感激しました。

また物理的な配慮にも満足していますが、社員の皆さんがさりげなく声を掛けてくださって、荷物を運んでくれたり、歩く速さを合わせてくれたりと、あたたかい職場なのが魅力です。

ーープライベートとの両立はいかがでしょうか?

仕事とプライベートのメリハリがつけやすい職場なので、有給休暇も取りやすく、フレックスタイムも利用でき、はたらきやすいです。趣味の音楽活動の時間も取れ、仕事もプライベートも充実しています。

ーー今後の展望をお聞かせください

今は、直属上司に相談や確認をしながら仕事をしていますが、1年後には、独り立ちして戦力になりたいと思っています。また、将来的には、前に出てリードできる存在になりたいです。まだまだ工場内のすべてを把握できていませんので、業務を覚えるほか各部門のキーマンから信頼されることが目標です。「環境保全のことなら高木に聞こう」と言われる存在を目指しています。

メンバーが自然と配慮できる風土づくりを通じ、主業務「環境活動」での活躍に期待

職場・上司の声

[写真左から] ビューティ・パーソナルケア事業部:木村さん(同僚)/庄司さん(部門長)/高木さん 人事センター:越野さん(多様性採用担当者)/三木さん(人事責任者)

ーー高木さんと初めて会ったときの印象は?

部門長/庄司さん:お会いした第一印象は「笑顔がいい人」でした。私の質問にもきちっと答えようとする誠実さから、まじめな方だと感じました。面接の前に職務経歴書を拝見し、1社で18年間、業務を全うされていたことは分かっていましたので、仕事面ではあまり心配はありませんでした。当社の職場や風土に馴染めるかどうかを面接の場で判断させていただこうと思っていましたので、笑顔と誠実さから、採用は即決でした。

ーー入社までに障害の配慮事項として対応したところは?

部門長/庄司さん:ご本人から希望があったものは当然対応し、そのほかにも一日の動線を考えて、物理的に工事が必要な箇所は、高木さんの入社前に行いました。しかしご本人の意図を最優先にしたいと考えていましたので、出過ぎた対応にならないよう心掛けました。例えば、食堂の食器の受け取り台は少し高いけどこのままがいい、と高木さんがお話されたので、意向を尊重しました。

ーー入社後は、どんな点をフォローしていますか?

部門長/庄司さん:高木さんに限りませんが、私はメンバーをつねに見ています。変わった様子はないか、表情に変化はないかなど、メンバーの顔・表情を見るようにしています。高木さんは、まじめな分だけ遠慮するところがあると思いますので、不安そうな表情をしていたり、困っているようなときは声をかけています。また、毎月1on1ミーティングで話を聞く時間を作っています。あと、特別扱いをしないことも大事にしています。たとえば、他のメンバーがいる前で、「〇〇はしなくていいよ」「〇〇は他の人にやってもらっていいよ」などと言いません。職場で特別扱いすると高木さんも、周りのメンバーに気を遣ったり、やりづらいこともあると思うので、メンバーが自然と配慮できる風土づくりに努めています。

あえて特別な配慮をしたといえば、昼休憩を前に10分スライドしたことです。本人に確認したところ、食堂でみんなと昼食を食べたいということ言うことでした。人が多い食堂で食事を選ぶ時、高木さんが周りの方の視線に入らないとぶつかる等の危険があるため、人がいない時に食事を選べるように配慮しました。

ーー同僚として障害特性に配慮したことはありますか?

同僚/木村さん:私は高木さんの同僚ですが、「本人に聞く」ことを大事にしています。障害特性に配慮し階段の昇降が必要な移動や、重い物を運ぶ業務は私がするようにしていますが、事務作業は、特別扱いしていません。私が出来る、出来ないの判断をするのではなく、高木さん本人に聞き、仕事の幅を広げる機会となればよいと思っています。「本人に聞く」ことで仕事の幅が広がり、やりがいにつながると仕事がより楽しくなると思います。

ーー職場での高木さんの様子は?

同僚/木村さん:高木さんの主業務は前職で培った環境関連業務です。他部署に調査を依頼したり、行政や本社に提出する資料作成等で社内外の交渉が多くあります。持ち前の明るさとコミュニケーション力で他部署の人ともスムーズに交渉を行っています。また、いろいろな業務に関心を持っているので業務の幅も広がると思います。今後は高木さんに新しい仕事を任せていきたいと考えています。

ーー印象に残る高木さんとのエピソードがあれば教えてください

同僚/木村さん:コロナ禍で対面による集合研修ができなくなり、社外のISO14001審査員講習がオンラインで実施されることになりました。高木さんも受講しましたが工場内の受講者のとりまとめ、受講者全員の申込、支払方法の調整等、講習開催機関との調整も全面的にご担当いただきました。又、普段の業務のオンラインツールは、Teamsを使っていますが講習はZoomで実施されます。Zoomの使用は社内ルールがあり複雑でしたが関係部門に確認しながら使用方法を調べ、受講する社員に分かりやすく使い方を説明していました。

部門長/庄司さん:入社当日のことですが、研修場所は彦根工場ではなく大阪でした。高木さんは、車で行くと言いましたが、内心とても心配でした。彦根工場を出発する高木さんの車を遠目でずっと見守っていたのですが、門を出るため、カードリーダーをかざす時、車との距離があって届くかな・・・と見ていました。高木さんは工夫してまったく問題なく出発しました。その姿を見て、「心配しすぎだな」と思いました。運転技術が長けているのはもちろんですが、高木さんの気概というか、たくましさが培われた育ち方に感銘を受けました。

ーー高木さんへの将来の期待は?

部門長/庄司さん:環境事務局として「第一人者」になってもらいたいと期待しています。様々な経験や専門知識が問われる業務なので、一人前になるには3年、そしてその後は、若手や部下を育てていくことにも期待しています。

同僚/木村さん:環境業務は、会社の上位方針や行政の要請を工場内に展開する事があります。しなければならない事を具体的にして、工場全体を巻き込んだ活動が必要です。高木さんに聞くと、会議の場で人前で話をするのが苦手と聞いていますが、会議で説明する資料を作り説明をして、周囲を巻き込んだ活動が出来る人財になって欲しいです。

障害があっても採用枠にとらわれず、意欲次第でキャリアの可能性は無限

人事担当者の声

ーー高木さんを採用した決め手は?

人事責任者/三木さん:まず、お会いした瞬間の「素晴らしい笑顔」が印象的でした。そして面談を通じて、前職で長期間、誠実に努力されてこられたことが伝わってきましたし、周りの方への感謝の気持ちをお話されるご様子とお人柄から、是非とも高木さんにご入社いただきたいと即決でした。当事業部では、障がいのある社員が既に在籍しており、しばらく新規採用を行っていませんでした。定年退職者の欠員補充の意味合いで、新たに障害のある方を採用するという背景で始まった採用活動でしたが、高木さんの笑顔と存在が「それぞれの特性を持つ多様な方と一緒にはたらくことの大切さ」を、あらためて私たちに気づかせてくれました。

ーーくらしアプライアンス社として障害者採用の今後についてお聞かせください

人事責任者/三木さん:障害のある方について、必要な配慮にあわせた配属先調整のため、採用の入り口が違うだけで、キャリア(中途)入社の方と同じ正社員として採用します。ご入社後、人事制度・処遇面において、障害のあるなしで社員の区別はありません。ご本人のご希望次第で、枠にとらわれた限定した業務に携わるのではなく、可能性は無限にあるとお考えください。例えば、ご本人のご希望とスキルがあれば、海外勤務の機会もあるでしょう。

ーー期待する人材像は?

多様性採用担当者/越野さん:新しいことにチャレンジしたい!と挑戦意欲ある方に期待しています。環境変化のなかで私たちは失敗を恐れず、挑戦し続けていかなければなりません。ご入社後、全ての方にいきなり大きなチャレンジを求めるということではなく、まずは日常業務において、自ら主体的に動き、創意工夫し改善をしていく前向きな姿勢をもった方をお迎えしたいと考えています。物事を自責で捉え、自身の成長のために努力することができる方、お客様のために、そして人々の暮らしと社会をよりよくしたいという夢と志のある方に、ご活躍いただけるフィールドが、パナソニックにはたくさんあります。

人事責任者/三木さん:当社は、2022年に持ち株会社制に移行します。新しい組織体制では、「専鋭化(絞り込んだ領域において競争力を徹底して磨き上げる姿を示す造語)」がキーワードになっています。パナソニックブランドのもと「専鋭化」を進める“新パナソニック”を共につくっていこうと共感いただける方とのご縁があることを期待しています。

※パナソニックの障害者雇用をもっと知りたい方はこちら https://recruit.jpn.panasonic.com/diversity/

公開日:2021/5/11