障害者手帳は更新が必要?手続き方法と期限切れの場合の障害者雇用への影響
障害者手帳には3種類ありますが、それぞれ有効期限が異なります。有効期限がある障害者手帳の場合は定期的な「更新」が必要です。もし更新を忘れてしまうと、福祉サービスや就労で制限が生じることがあります。
そのため、ご自身の障害者手帳の有効期限を知り、適切なスケジュール・方法で更新手続きを行うことが大切です。本記事では、障害者手帳の有効期限や更新方法について解説します。万が一、更新を忘れてしまった場合の対処法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
障害者手帳の「更新の有無」は手帳の種類で異なる
障害者手帳には次の3種類があり、手帳の有効期限や更新手続きの有無が異なります。
| 障害者手帳の種類 | 対象者 | 更新の有無 |
|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 身体に永続的な障害がある | 原則として必要なし |
| 療養手帳(愛の手帳) | 知的障害がある | 一定期間ごとに「再認定」が必要 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 精神疾患・発達障害により生活に支障がある | 2年ごとの更新が必要 |
上記のように、精神障害者保健福祉手帳はほかとは異なり、2年ごとの更新が必須となっています。
身体障害者手帳は基本的に更新が不要
身体障害者手帳には、基本的には有効期限がないため更新不要です。ただし、障害の状態が改善される可能性がある場合は「再認定」が必要となり、手帳にも有効期限が記載されています。再認定の結果によっては、身体障害者手帳の等級が変わることがあります。
療養手帳(愛の手帳)は自治体ごとに異なる
療養手帳(愛の手帳)は基本的に有効期限が定められているため、一定期間ごとに「再認定」が必要です。ただし、その期間は自治体によって異なるため、手帳に記載されている有効期限を確認してください。
一般的には、年齢が高くなるほど有効期限が長くなります。厚生労働省の「療育手帳その他関連諸施策の実態等に関する調査研究」によると、再判定が必要な年齢の上限は35.1歳です。なお、担当窓口は18歳未満の場合は児童相談所、18歳以上であれば知的障害者更生相談所となります。
精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新が必須
精神障害者保健福祉手帳は、発行から2年間が有効期限です。更新手続きは有効期限の3ヶ月前から可能ですが、期限が切れると手帳が無効となり、各種福祉サービスや割引などが利用できなくなる可能性があります。ほかの手帳とは異なり、2年ごとに必ず更新が必要になるため、その前提で更新スケジュールを立てておくことが大切です。
障害者手帳の更新方法・手続きの流れ
障害者手帳の更新や再認定のために必要な書類と、手続きの流れについて解説します。なお、手帳の種類やお住まいの自治体によって、必要書類や手続きの方法は変わるため、詳細は自治体の相談窓口にお問い合わせください。
障害者手帳の更新に必要なもの
障害者手帳の更新に必要なものは次のとおりです。
- 申請書
- 現在の障害者手帳
- 本人の顔写真
- 本人確認書類
- 印鑑
- その他の必要書類
申請書については、自治体の公式サイトや窓口などで入手できます。その他の必要書類として、医師の診断書や意見書などがありますが、手帳の種類や自治体によって異なるため、あらかじめご確認ください。また、障害年金を受給している場合は「年金証書の写し」や「年金振込通知書」が必要な場合があります。
障害者手帳の更新手続きの流れ
障害者手帳の更新手続きは、基本的に次のような流れで行います。
1. 申請書に必要事項を記入する
2. 医療機関で診断書を作成してもらう
3. 必要書類を自治体の担当窓口に提出する
4. 更新や再認定の手続きが行われる
5. 新しい障害者手帳が発行される
療養手帳(愛の手帳)の場合は、専門の判定機関で知能検査や面談などが行われます。
「カード形式」で発行できる自治体も増えている
近年では「障害者手帳のカード化」が進んでおり、自治体によっては、本人が希望することで従来の手帳ではなく、「カード形式」で発行できることがあります。例えば東京都では、2020年10月からいずれの障害者手帳もカード形式で発行可能になりました。
精神障害者保健福祉手帳を更新できないことはある?
障害者雇用枠で就労中の方が継続してはたらく意思がある場合、就労途中で手帳を更新できないケースは少ないです。ただし、以下のいずれかに当てはまる場合は、精神障害者保健福祉手帳を更新できません。
- ご自身の意思で更新をしないと決めた場合
- 手帳の更新を忘れて有効期限が切れた場合
- 更新審査で「非該当」と判断された場合
非該当とは、「生活が制限を受けるか、制限を加えることを必要とする」という条件に該当しないケースを指します。ただし、基本的には診断書の内容によるため、本人と医師間で「障害者雇用ではたらく」という認識が一致していれば、非該当と判断されることは少ないです。
障害者手帳の更新手続きを忘れたらどうなる?
障害者手帳の更新を忘れて有効期限が切れてしまうと、次のような悪影響が生じてしまうので注意が必要です。
福祉サービスや割引が利用できなくなる
交通機関の割引や税金の控除など、障害者手帳を所持していることが前提となっている福祉サービスを利用できなくなります。例えば、障害者専門の通所サービスや就労支援サービスなどです。
障害者雇用枠での就労に影響が出る
障害者雇用枠で就労している場合、手帳の有効期限が切れると就労に影響が出る可能性があります。もちろん、期限が切れたからといって、ただちに解雇や一般雇用枠への切り替えが行われるわけではありません。
ただし、障害者雇用枠は「障害者手帳を所持していること」が前提であり、企業の法定雇用率の算定など雇用主にも影響が出るため、可能な限り早めに対処する必要があります。
障害者手帳の再申請が必要になる
障害者手帳の有効期限が切れると、更新や再認定ではなく手帳の「再発行」手続きが必要となります。必要書類を揃えて提出して再び障害者手帳が発行されるまで、福祉サービスや割引などが利用できない可能性があるので注意が必要です。
精神障害者保健福祉手帳の有効期限が切れた場合の対処法
万が一、障害者手帳の更新を忘れて有効期限が切れてしまった場合は、可能な限り早めに対応してください。有効期限が切れた場合の手続きは、障害者手帳の種類によって異なる部分がありますが、ここでは精神障害者保健福祉手帳の有効期限が切れた場合について解説します。
可能な限り早く再申請手続きを行う
障害者手帳の有効期限が切れた場合、「更新」や「再認定」ではなく「再申請」の手続きが必要です。担当部署や相談窓口などに、手帳の有効期限が切れたことや引き続き手帳を所持したいことを伝えると、必要書類や手続きについて説明してもらえます。ただし、新規発行の場合と同じく所定の審査が行われるため、障害者手帳の再申請には時間がかかります。
期限切れ・再申請したことを会社に報告する
前述したとおり、障害者手帳の期限切れは障害者雇用での就労にも影響するため、雇用主である会社にも必ず報告してください。再申請まで必要書類の用意など一定時間を要するため、期限切れが発覚したタイミングで、速やかに勤務先に伝えましょう。また、再発行手続きを行ったあとは、自治体の押印がある申請書類の控えなどを提出するのも効果的です。
これから障害者雇用枠に応募する場合は?
障害者雇用では障害者手帳の所持が前提となるため、これから求人に応募する場合は注意が必要です。応募フォームで手帳の有無を問われたり、面接中に障害や手帳について説明したりするときは、正直に「現在申請中」あるいは「再発行中」であることを伝えましょう。
また、必要に応じて医師の診断書や発行手続き中であることを証明できる書類を提示すると、手帳を取得見込みであることやスケジュール感について、アピールできる可能性があります。
障害者手帳の更新を忘れないために
前述したように、障害者手帳の更新を忘れてしまうと、さまざまな悪影響が生じてしまいます。そもそも更新手続きを忘れないようにするために、次のポイントを意識しましょう。
自治体からの通知に頼りすぎない
障害者手帳の更新期限が近付くと、自治体から通知が届くことが一般的ですが、通知が期限ぎりぎりに届くことや、何らかの事情で届かないケースがあります。そのため「更新通知が来てから手続きすればいい」と考えていると、有効期限に間に合わなくなるかもしれません。
スマホのリマインド機能を活用する
障害者手帳の更新があることを前提に、あらかじめスケジュールを立てておきましょう。例えば、カレンダーアプリやスマートフォンのリマインド機能などで、手帳の有効期限の半年前・3ヶ月前・1ヶ月前など、段階を分けて通知を設定しておくと更新忘れのリスクを減らせます。
家族や職場の人に情報を共有しておく
手帳の更新時期について、自分ひとりだけで抱えるのではなく、ほかの人にリマインドを頼んでおくことで、更新を忘れてしまうリスクをさらに低減できます。例えば、家族や職場の人などに、「今年の○月に更新予定だから3ヶ月前に声をかけてほしい」などです。
障害者手帳をお持ちの方の就労は「dodaチャレンジ」にご相談ください
障害者手帳の更新の有無は手帳の種類で異なり、精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新が必須です。手帳の更新を忘れると、「各種サービスが受けられない」「障害者雇用枠の求人に応募できない」などの悪影響が生じるため、必ず有効期限までに更新手続きを行いましょう。
手帳の更新を忘れないようにするために、スマホのリマインド機能を活用したり、家族・職場の人に伝えてもらったりするなど、事前に対策しておくと安心です。
障害者手帳をお持ちの方や、これから障害者手帳を取得する予定の方で、障害者雇用枠での就労を検討中の場合は、障害者専門の転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」にご相談ください。さまざまな障害がある人のサポート実績が豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの障害特性や適性に合った仕事をご紹介します。
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公開日:2026/1/23
- 監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
- 上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■障害者職業生活相談員
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