お二人は、同じ派遣先企業の、同じチームで仕事をされているそうですね?
酒井さん: はい。オフィスでは席も隣ですよ。
佐藤さん: でも、実はこうして一緒に働く前から、面識はあったんです。
酒井(以下敬称略): そうそう。私は今の派遣先で車載機器の設計開発に携わっていますが、その製品の試験と製造を行っている企業に佐藤は常駐していました。私の設計したものを作ってもらっていたわけです。ある時、派遣先に赴いた際に、同じメイテックの社員であることを初めて知りました。一生懸命、仕事をしていて好印象でしたね。
佐藤: 私は言われるまで気づかなくて、「この人たちがこの製品を設計しているんだ」くらいにしか思っていなかったんですけれども(笑)
酒井: そのしばらく後、私の派遣先でチームにもう一人エンジニアが必要という話が持ち上がりました。その時、派遣先の製品の製造部門にいて、製品のことを知り尽くしている彼女を推したんですね。その結果、一緒にプロジェクトに参画してもらうことになりました。
酒井: 乗用車向けABSの回路設計・信頼性試験全般を担当しています。今回のプロジェクトは2010年から始まり、ハードウェアチームとソフトウェアチームに分かれ、各10人程度の規模で進めています。私たちはハードウェアチームに所属していますが、このプロジェクトの中ではメイテックの社員は私たち2人だけです。佐藤は設計業務が初めてなので、一つ一つの業務を私が指導しながら行っています。
佐藤: 毎週月曜に1時間ほどミーティングの時間を設け、その週の作業内容・スケジュールの確認と、先週の成果の報告などを行っています。その中で、行き詰まっている点があれば相談をしたりしています。
酒井: 彼女から「1週間でこれくらいのことをする」という見積もりを出してもらうのですが、実際1週間経ってみるとできなかったことも出てくる。そんな時に、なぜできなかったのかを考えてもらい、自分の力量を把握してもらう、ということを意識してやっています。
酒井:
大事なのは、最後は「私(設計者)が、こうする」と決めることです。今のプロジェクトでは、「回路設計」と回路を基盤に載せる「アートワーク設計」の業務があり、特にメインはアートワーク設計です。アートワーク設計とは、電気回路をプリント基板にする過程でのレイアウト設計のこと。仕事をする中で、常に回路設計者と生産現場の調整と段取りが付いて回ります。
回路設計の要望と製造現場の要望が矛盾することが多々あります。例えば、基盤を製造する際は、はんだ付けをしやすくするために熱が通りやすいレイアウトにしないといけないのですが、そうすると回路設計側の「熱をなるべく逃がしたい」という要求と相反するんですね。回路設計者は、このICのパッケージの熱をたくさん逃がしたい。でも、製造する側から見ると、たくさん熱を逃がされるとはんだ付けができなくなってしまう。そこをどう折り合いをつけるか。
両者の話を聞き、それを設計に活かしますが、最後は設計者が決める。言われたことを言われた通りにやるのは簡単ですが、相反するものがあれば一つ一つ解決していくのが設計者の醍醐味ですからね。もちろん、前工程・後工程それぞれの技術的な知識も身に付けているのは大前提です。そうじゃないと、話もできませんし、仕事になりません。それに加えて、「考える力」というスキルも「技術力」の要素なんです。佐藤にもうるさく言っています。
佐藤: 席が隣なので、毎日、言われています(笑)
酒井: 私たちは、基本的にはお客様である派遣先企業から指示を受けて作業をします。しかしそこで、いただいた指示に対してただその通りにやるのではなく、「なぜこの作業が必要なのか」「もっといいやり方はないのか」を自分自身で「考えて」アウトプットをすべきだと思うんです。それによって「お客様に提案する」という一段階上の技術サービスを提供できると私は考えています。佐藤にも、必ずそれをできるようになってほしいんです。







