

かん きょうひ。東京都出身。大学を卒業後、アメリカ・ロサンゼルスの大学院へ留学し、修士課程でロボットを研究。日本へ帰国後、Web制作会社に勤務し、フロントエンドのデザインからサーバーサイドのプログラミングまで幅広く手がける。2009年5月、NHN Japan株式会社に入社、UIT室副室長として、主に同社の「ハンゲーム」をはじめとするサービスサイトのフロントエンド設計から実装までを担当する。
当社では今、各種サービスのインターフェースのHTML5対応を進めています。意識しているのは、プロトタイプのレベルではなく実際のサービスに"できるだけ早く"落とし込んでいくこと。そもそもHTML5を扱い始めた大きな理由のひとつは、スマートフォンでFlashが使えないということでした。特に当社のサービスではFlashを多く使ってきたため、それは大きな課題だったのです。2010年7月にiPhoneとAndroid向けにハンゲームというアプリをリリースしましたが、そこに照準を合わせて春頃からみんなで試行錯誤をしながら作っていきました。その後、WebのほうもHTML5対応の準備を進めています。実験的な意味もあって、当社のコーポレートサイトは3カ月後の10月にはHTML5によってリニューアルしました。
ただ、メインのサービスサイトにおいては導入のタイミングが難しいと感じていることも確かです。それは、HTML5の仕様がまだ固まっていないことと、対応ブラウザの普及状況もまだ十分ではないということです。でも、それら条件が整った時点から対応を始めるのでは手遅れになりかねない。そのため、プログレッシブ・エンハンスメントの考えのもと、ユーザビリティを損なわない範囲でできるところから部分対応を進めています。
現状では、スマートフォンのアプリ制作に関する情報は世の中に多く出回っていますが、「HTML5をスマートフォンでいかに使うか」に関しては、実は入手できる情報がまだ少ないんです。実際、昨年のスマートフォン向けアプリを作った際は、かなり苦労しました。
そんな中、社内では新しい技術に関する調査・研究の時間を設けてお互いに発表し合う機会を作ったり、社外のカンファレンスやセミナーに積極的に出席したりして知見を貯めています。今では当社に講師の方を招き、社外の方も参加できる形で、HTML5をはじめとする技術セミナーを開催し始めています。
私たちのようにWebテクノロジーが事業の密接に事業とつながっている企業では、エンジニアが成長しなければ、サービスの成長もありませんから、会社としても、個々のエンジニアも新技術に関しては常に前向きに取り組んでいます。
Webの世界では、新しい技術がどんどん出てきています。HTML5は、その中の一つでしかありません。これから既存のWebサイトはHTML5へ置き換わっていくことが分かっているので力を入れていますが、それが目的というわけではありません。技術をもって、今よりも、より楽しく、新しい、そして便利で、速い、そんなサービスを提供することが私たちの使命と思っています。面白いことには率先して好奇心を持って取り組んでいく。エンジニアにとって、新しい技術を最先端で吸収できることは喜びであり、それが仕事する上でスパイスになっていると感じます。
HTML5が出てきたことによって、UIデザインとそれを実装するエンジニアの間の垣根がなくなりつつあるように感じています。実際、社内のデザイナーとフロントエンドのエンジニア、そしてサーバーサイドエンジニアとの連携はとても強まっています。UIがゲームみたいに楽しいものであっていいし、いろいろなUIの可能性を模索していきたい。これからは、さまざまなバックグラウンドを持つ人が集まったチームで、お互いに提案し合いながらより面白いものを作っていきたいと考えています。
【HTMLとFlashの住み分けが進む】
フロントエンドの技術担当として、UI設計・プログラミングを担当しています。HTML5が出てきたことで良かったと思える点は、例えばcanvas(ブラウザでグラフィック描画するためのHTML5仕様)を使って今までFlashでしか表現できなかったようなインタラクションを表現できるようになったり、それによって動きが軽快になったりといくつか挙げられます。しかし一番重要なのは「標準」であること。ユーザ側でプラグインをインストールする必要はなくなりますし、 HTML5であれば既存のページやスクリプトとも連携が容易なので、インタラクションを豊富に追加することができます。また、特定の開発ソフトが不要でエディタさえあればフリーに書けるというのは大きなメリットだと感じます。
ただ、当社はゲームを扱っているので、今後もFlashの存在は大きいだろうということで社内では見解が一致しています。また、これまで世界中で作られたライブラリが存在するなど、土台がしっかりできていることもFlashの強みです。Flashが得意な部分と、HTMLを使ったほうがいい部分が、今後徐々に固まって住み分けがなされていくはず。それぞれの良いところを上手く使い分けていくべきだと考えています。
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