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連載 ホンネの転職白書 2024.3.4公開

「ジョブ型雇用」の認知度はどのくらい? 「メンバーシップ型雇用」との違いや年代ごとのイメージも調査

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今、日本でジョブ型雇用の導入が進んでいます。
しかし、これまで日本ではメンバーシップ型雇用が主流だったため、ジョブ型雇用について聞き慣れないと思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで、ジョブ型雇用について耳にする機会が増えてきた今、人々が抱くイメージや、仕事に対する意識を調査しました。

ジョブ型雇用は各年代でどれだけ認知されていて、ジョブ型雇用で働きたい人は何パーセントいるの?など、気になる疑問をまとめて解消しましょう。

ジョブ型雇用とは? メンバーシップ型雇用との違い

新しい働き方として注目を集める「ジョブ型雇用」はどのような雇用システムなのでしょうか? そして従来、日本で採用されてきた雇用システム「メンバーシップ型雇用」とはどう違うのでしょうか? それぞれについての説明を以下の表で見てみましょう。

企業が人材を採用する際に、ジョブ(職務内容)を明確に定義して特定し、その職務を遂行するために必要なスキルや経験、資格などを持つ人材を採用する手法です。

明確なジョブディスクリプション(職務記述書)で職務内容を具体的に示します。また、勤務時間、勤務場所などの勤務条件についても採用前に定めた上で雇用契約を結びます。

企業が人材を採用する際に、職務内容や勤務地を限定せずに、企業に適した人と雇用契約を結び、社員として長期的に育成する雇用形態です。

主には総合職として採用し、雇用された人は割り振られた業務に従事します。転勤や異動、定期的な配置転換などを通じて、スキルや経験の幅を広げ、長期的な成長と組織の継続的な発展に努めます。

ジョブ型雇用の認知度・イメージ

人々はジョブ型雇用をどれくらい認知していて、どのようなイメージを持っているのでしょうか。 20代、30代、40代以上の各年代で調査しました。

ジョブ型雇用の認知度は若い年代ほど高い

あなたは「ジョブ型雇用」を知っていますか。

全体で「ジョブ型雇用」を「知っていて、ほかの人に説明できる」と回答した人の割合は12.1%でした。各年代では、20代が17.9%、30代が15.7%、40代以上では8.4%で、若い年代ほど高くなりました。
一方、「知っていて、ほかの人に説明できる」に加え、「知っているが、説明できるほどではない」「聞いたことはあるが、よく知らない」と回答した人も含めた全体の合計は57.5%で過半数となりました。各年代では、20代が56.1%、30代が58.2%、40代以上が57.8%と30代の割合が最も高い結果となっています。

メンバーシップ型雇用に肯定的な人の割合は68.4% ジョブ型雇用は?

それぞれの雇用システムで自分が働くとしたらどうか、あなたが持った印象をお答えください。

『メンバーシップ型雇用』に対する印象を『肯定的』『どちらかといえば肯定的』と回答した人の割合は68.4%でした。一方、『ジョブ型雇用』に対する印象を『肯定的』『どちらかといえば肯定的』と同様に回答した人の割合は76.2%でした。

「どちらかといえば肯定的である」と回答した人の割合はメンバーシップ型雇用の50.4%がジョブ型雇用の45.6%を上回っています。しかし、「肯定的である」と回答した人の割合では、ジョブ型雇用が30.6%とメンバーシップ型雇用の18.0%に大きな差をつけました。

さらに、それぞれの雇用システムに対するイメージを自由に回答してもらいました。

ジョブ型雇用で見られたのは「専門性を活かせそう」「職務内容がはっきりと決まっているので働きやすく、やりがいを感じやすい」といった意見です。一方、メンバーシップ型雇用では「知らなかった可能性が広がりそう」「いろいろな経験ができて多様なスキルを身につけられる」といった声が寄せられました。

ジョブ型雇用で働きたい人は全体で54.8%

あなたが今後転職するとしたら、「ジョブ型雇用」で働きたいですか。

今後転職するとしたら「ジョブ型雇用」で働きたいと回答した人の割合は全体で54.8%でした。各年代では20代が59.6%、30代が52.0%、40代が54.3%とすべて過半数に達し、20代が最も高く30代が最も低いという結果でした。

ジョブ型雇用で働きたい理由、働きたくない理由は?

あなたが今後転職するとしたら、「ジョブ型雇用」で働きたい理由は何ですか。

今後転職するとしたら、「ジョブ型雇用」で働きたい理由を複数回答で選んでもらったところ、「自分のスキルを活かせそうだから」という回答が最も多く全体の68.7%でした。それに続くのが「職務や目標が明確そうだから」(42.5%)、「勤務地や勤務時間を調整しやすそうだから」(39.6%)といった理由です。
一方、ジョブ型雇用で働きたくない理由を自由記述で回答してもらったところ、「専門知識がないから自信がない」「勤務条件の融通が利かないから」「自分の可能性を狭めたくない」といった声が聞かれました。

ジョブ型雇用で働くに当たって必要だと思うことは?

「ジョブ型雇用」で働くためにやっておいたほうが良いと思うことは何ですか。

「ジョブ型雇用で働くためにやっておいたほうがよいと思うこと」を複数回答で選んでもらったところ、「リスキリング(学び直し)」を挙げる人が最も多く、全体の34.9%という結果となりました。

「リスキリング」とは、社会人が仕事に必要な知識・スキルを新たに学び直すこと、およびそのための企業による支援や働きかけを意味します。ジョブ型雇用の導入により必要とされる知識・スキルが明確になる状況に備えて、リスキリングの開始やそのための支援制度・体制の整備が必要と考える人は多いようです。

【意識調査】社会人の自己研鑽とリスキリング│重要性や向き合い方は?

ビジネスパーソンは自分の仕事を説明できる? やりがいを感じている?

今のビジネスパーソンは自分の仕事内容をどれくらい深く理解しているのでしょうか。

ここからは少し話題を変えて、何パーセントのビジネスパーソンが自分の職務について説明できるか、やりがいなどのポジティブな感覚をどのくらい得ているのかについて調査した結果をご紹介します。

ジョブ型雇用では明確に定義される職務内容 自分の仕事を「説明できる」人は80.0%

あなたは現在、自分の職務(自分に求められていること)について明確に理解し、自分の仕事についてまったく知らない人(友人・知人など)に説明することができますか?

あなたは現在、自分の仕事をする上で必要な専門性やスキルについて明確に理解し、自分の仕事についてまったく知らない人(友人・知人など)に説明することができますか?

ビジネスパーソンに、「自分の仕事についてまったく知らない人(友人・知人など)」に対し、「自分の職務(自分に求められていること)について明確に理解し、説明できるか」を尋ねた結果、「できる」と回答した人は34.9%、「どちらかといえばできる」と回答した人は45.1%で、合計80.0%でした。

また、「自分の仕事をする上で必要な専門性やスキルについて明確に理解し、説明できるか」を尋ねた結果、「できる」と回答した人は27.6%、「どちらかといえばできる」と回答した人は43.2%で、合計70.8%でした。

ジョブ型雇用では、職務記述書により職務内容が明確に定義されます。現状でも、ジョブ型雇用で働いているかどうかにかかわらず、自身の職務内容について理解している人は多数を占めており、ジョブ型雇用で働く人が増えればその割合はさらに高まると考えられます。

自分の仕事を説明できる・どちらかといえばできる人が『やりがい』を「感じる・どちらかといえば感じる」と回答した割合は69.2%

  • 「職務について理解し伝えることができる」
    「どちらかといえばできる」
  • 「職務について理解し伝えることができない」
    「どちらかといえばできない」
  • やりがいを感じる・どちらかといえば感じる
  • 69.2%

  • 24.2%

  • 会社に必要とされていると感じる・どちらかといえば感じる
  • 69.7%

  • 27.1%

  • モチベーションがある・どちらかといえばある
  • 48.9%

  • 15.7%

職務内容について理解し伝えることができる・どちらかといえばできる人と、できない・どちらかといえばできない人を『やりがい』『会社に必要とされている感覚』『モチベーション』の3つの項目で比較しました。

職務内容について理解し伝えることができる・どちらかといえばできる人が、「感じる(ある)・どちらかといえば感じる(ある)」と回答した割合は、『やりがい』が69.2%、『会社に必要とされている感覚』が69.7%、『モチベーション』が48.9%でした。一方、職務内容について理解し伝えることができない・どちらかといえばできない人が同様に回答した割合は、『やりがい』が24.2%、『会社に必要とされている感覚』が27.1%、『モチベーション』が15.7%で、3項目とも倍以上の差がついています。

職務内容を理解することは、自分の役割や会社からの期待を知ることにつながります。それは、やりがいやモチベーションを感じながらポジティブに働くために、重要なポイントなのかもしれません。

doda編集長解説

新しい働き方として注目を集めるジョブ型雇用の認知度・イメージや、自分の職務内容を説明できるビジネスパーソンの割合について見てきました。その結果を踏まえてご紹介したいのが、「なぜ今、『ジョブ型雇用』に注目が集まっているのか」というポイントです。

企業の観点から見えてくるのが、ジョブ型雇用により専門的なスキルや経験を持った人材を採用し、成果に応じた評価を社員に還元して戦略的に人材を活用することで自社の競争力を高めたいという狙いです。2021年のジョブ型人事制度の実態に関する調査(※1)では、ジョブ型雇用導入の目的として企業の65.7%が「従業員の成果に合わせて処遇の差をつけたい」、55.9%が「戦略的な人材ポジションの採用力を強化したい」、52.1%が「従業員のスキル・能力の専門性を高めたい」と回答しています。

また、個人の観点からは、人生100年時代を見据える中で専門スキルや経験をもとにキャリアを構築する新しい手段としてジョブ型雇用は捉えられます。自分の仕事人生を主体的にかじ取りするキャリアオーナーシップ(※2)を発揮するに当たって「一つの企業で勤め上げるのではなく、ライフステージに合わせて自身に合った職務内容の仕事を選びたい」というニーズから、従来のメンバーシップ型雇用だけでなく、ジョブ型雇用で働くこともあり得ます。

このように企業・個人双方のニーズから、ジョブ型雇用に注目が集まっています。ただし、新卒採用を中心に、メンバーシップ型雇用は今後もなくなるわけではありません。企業も個人も、ジョブ型・メンバーシップ型の両方が存在する社会で活躍することが求められることになるでしょう。

人材の流動化が進み転職が当たり前になるに連れて、ジョブ型か、メンバーシップ型かなど理想の働き方を選ぶ機会も増加します。自分にはどんな働き方が適しているのか、どんなときにモチベーションが高まるのか、ぜひキャリアの棚卸しを始めてください。

(doda編集長 加々美 祐介)

※1パーソル総合研究所「ジョブ型人事制度に関する企業実態調査
※2パーソルキャリア「キャリアオーナーシップとは?

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調査概要

【対象者】20歳~59歳の男女

【雇用形態】正社員

【調査方法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査(ネットリサーチ会社保有のデータベースをもとに実施、doda会員登録の状況については不問)

【実施期間】2024年1月13日~1月15日

【有効回答数】500件

※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施

※記事中の割合データは、小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%にならない場合があります。

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