障害者雇用枠の就活がうまくいかないときの対策と利用したい支援機関をご紹介
障害のある方が就活する場合、障害者雇用枠での就活と一般枠での就活のいずれかを選択することになります。障害者雇用枠での就職を想定し、実際に取り組んでいる方も多いことでしょう。しかし、就活を進めるにあたって「思ったよりうまくいかない」と感じることも少なくないかもしれません。
この記事では、障害者雇用枠での就活がうまくいかないときにご自身でできる対策や気をつけたいポイント、また利用できる支援機関などをご紹介します。障害者雇用での就活がうまく進まずお悩みの方は、ぜひご参考にしてください。
目次
障害者雇用の現状と就活状況
厚生労働省が公表しているデータによると、令和4年発表の民間企業における雇用障害者数は、計61万3,958人です。また、民間企業における法定雇用率(法律上雇用が求められている、全従業員中の障害者の割合)達成企業の割合は前年から1.3ポイント上昇し、48.3%となりました。
法改正などで障害者雇用を促進する流れが一般化し、障害者雇用について多くの方への認知度も広がった結果と言えるでしょう。さまざまな企業や団体で、障害者の方を積極的に採用する動きが加速しています。
参考:
令和4年 障害者雇用状況の集計結果 | 厚生労働省
障害者の方の求職申込件数や就職率も年々増加しており、製造業やサービス業を中心に求人数が増加しています。しかし、「就活をしているのにうまくいかない」など、お悩みを抱える方は少なくありません。
主な理由として、障害者枠は一般枠と比べて求人の絶対的な数が少なく、双方の条件を考慮する必要があって採用にも壁があると思われていることなどがあります。
障害のある方の就職活動が難しい理由
障害のある方の就活がうまくいかないことには、どのような原因があるのでしょうか。考えられるものとしては、以下のようなことが挙げられます。
障害者雇用枠を設けている企業が少ない
元々障害者雇用枠での求人を出している企業数があまりなく、求人が限られてしまうことが考えられます。絶対数が少ないことから情報収集が難しい点も、障害者雇用枠での就活を難しくする理由として挙げられるでしょう。大学の就職支援センターにおいても、障害者雇用枠での就活に関しての情報はまだまだ不足しています。
自分の特性・希望に合う業界・業種を見つけるのが難しい
障害特性に適した仕事がどのようなものなのかが分からず、就活が進まないケースもあります。
ご自身が「やりたいこと」と「障害があるからできないこと」の間に隔たりがあり、その狭間で悩んでしまうケースも少なくないと思われます。障害や二次障害を理由に「できない」と思っていることであっても、支援サービスや支援ツールを活用することにより、可能となることもあります。諦めずに、まず動き出してみましょう。
事前準備が不十分
希望条件など詳細な要点を定めきれておらず、就活の軸が出来上がらないまま就活を行ってしまうケースも考えられるでしょう。就活するにあたり、十分な企業研究や業界研究ができていないケースもあり得ます。
このほか、就職活動そのものがプレッシャーになってしまい、思うように就活が進められないケースや、障害者雇用について相談できる相手がいないといったケースが見られます。
障害者雇用枠での就活を成功させるための4つの対策
障害者の方が障害者雇用での就活を成功させるためには、何に取り組めば良いのでしょうか。ここでは、障害者雇用枠での就活を成功させるために行いたい対策を4つ、ご紹介します。
自己分析をする
自己分析は、障害者雇用に限らず就職活動のなかで非常に重要な対策です。まずは自己分析を行い、自分自身の性格や障害特性について客観的に認識できる状況にしましょう。自己分析によって、自分の適性を知ることができますし、一般枠で就活するのか、障害者枠で就活するかを決めることにもつながります。
希望条件を明確にする
就活をするにあたり、希望条件の中でも特に譲れないものを明確化しておきましょう。志望企業を決めるときや応募に際しても、就職活動の軸を持つことが大事です。
企業研究をする
志望業界や志望業種がある程度絞り込めたら、業界研究、企業研究を行います。特に障害のある方の場合、企業の障害者雇用に対する取り組みやサポート体制などをよく知ることも重要です。
就職支援機関を利用する
障害者雇用での就活は、ご自身だけで行うとなると集められる情報量にも限界があります。さまざまな支援を利用し、就活そのものを楽に有利に進めていくための努力も欠かせません。
障害者の方の就活を支援してくれる企業や団体には、就職エージェントや就職支援機関が挙げられます。
就職エージェントなどは、基本無料で就職に関するサポートを受けられるため、積極的に利用すると良いでしょう。障害のある方は、障害者の方専門のエージェントを選ぶことがおすすめです。就職エージェントによるサポートの一環として、自己分析や企業研究も一緒に行ってくれますし、何より一般に公開されていない「非公開求人」を紹介してもらえるなど、多くのメリットがあります。
障害のある方の就活がうまくいかないときに意識したいポイント
準備をしっかりして就活を進めていても、うまくいかないと感じて行き詰まってしまうことがあると思います。ここでは、障害者の方の就活がうまくいかないと思ってしまうときに何から意識すべきかについて、ご紹介します。
体調を整える
就活がうまくいかないと感じると、それだけでも焦りのもとになってしまいます。体力面と精神面の両方にストレスがかかってしまい、就活どころか日常生活にも影響を及ぼしてしまいます。
無理をして就活を続けることよりも、まずは長期的に安定できるよう体調を整えることを最優先に考えましょう。
内定をとることがゴールではない
就職活動は「内定だけがゴール」ではないことを意識しなければなりません。就職することそのものより、就労後職場に定着、活躍できるかどうかが重要なので、「内定をもらうこと」だけを目的にしないことも大切です。
「就職して、その後も長く安定して無理なくはたらくこと」が最終的なゴールだと意識して、就職活動を行っていきましょう。
障害のある方の就活がうまくいかないときはdodaチャレンジへご相談を
障害者の方の就活にあたっては、就職・転職エージェントを利用することも一つの手であることを先にご紹介しました。就職・転職エージェントを利用することで、就活をする上で以下のようなメリットがあります。
- 無料で利用できる
- 障害者の就活を熟知した専任のキャリアアドバイザーへ相談できる
- 一般に公開されない「非公開求人」を紹介してもらえる
- 就活に欠かせない自己分析や業界研究のサポートをしてもらえる
- 応募書類(履歴書・職務経歴書など)の書き方や面接対策などもアドバイスしてもらえる
- 支援機関を利用することで企業の内部事情(障害者採用率、職場環境、働きやすさなど)を知れる
- 自分だけでは分からない詳細な情報を教えてもらえる など
障害者のための就職・転職エージェント「dodaチャレンジ」では、上記のような支援を行っています。ここに書ききれないdodaチャレンジならではの強みも多数あるため、就活でうまくいかないなど不安になった方はぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は、障害者の方が就活に行き詰まってしまう原因やその対策、就活にあたり意識したいポイントなどをご紹介しました。就職・転職活動は、ご自身だけで進めるよりも周囲の力を借りながら進めることがおすすめです。
また、ご自身の希望に沿わない職場では、うまく就職できたとしても長続きしないことが考えられます。安定して長くはたらける仕事に出会えるよう、焦らず慎重に就職活動を進めていきましょう。
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公開日:2023/4/4
- 監修者:木田 正輝(きだ まさき)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
- 旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士