【障害者雇用】オープン・カンパニーとは?インターンとの違いや注意点について詳しく解説

説明を聞く就活生

就職活動において、理想のはたらき方ができる職場を見つけるためにも業界研究・企業研究は欠かせません。しかし、ホームページや口コミサイトだけでは事業内容や雰囲気をすべて理解するのは難しいでしょう。そこで有効なのがオープン・カンパニーやインターンシップへの参加です。近年では障害者雇用促進法により、障害者向けのオープン・カンパニーを実施している企業も増加しています。
この記事では、オープン・カンパニーとインターンシップとの違いや参加するメリット、注意点について解説します。障害者向けオープン・カンパニーへの参加を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

オープン・カンパニーとは

オープン・カンパニーとは、キャリア形成支援プログラムの一つです。2025年卒対象学生から、産学協議会により「インターンシップ」の定義が変更となり、従来の「1dayインターンシップ」が「オープン・カンパニー」という呼び方に変更されたものです。
例えば、企業による説明会や、就職情報メディア・大学のキャリアセンターが主催するイベントなどが挙げられます。基本的に対象学年の制限はなく、大学一年生から参加が可能です。

オープン・カンパニーの目的

オープン・カンパニーは、企業・業界の情報提供やPRを目的としています。学生がキャリア形成を主体的に考えることが重要であるとし、採用活動とは異なり、企業・業界理解を深めるために実施されています。

オープン・カンパニーとインターンシップの違い

オープン・カンパニーとインターシップは、実施目的や内容、期間が異なります。オープン・カンパニーは一日などの短期間で企業・業界の情報提供を行いますが、インターンシップは5日間以上のものから2ヶ月以上の長期のものまで幅広いのが特徴です。
また、オープン・カンパニーは学年を問わず参加可能であるのに対し、インターンシップは卒業・修了前年次(大学3年生、大学院1年生、短大1年生など)から参加対象となります。インターンシップは情報提供だけでなく、職場体験やグループワークを通して適性を判断できるという点も違いとして挙げられます。

オープン・カンパニーは取得した学生の情報を広報活動や採用選考活動に使用してはならないとされていますが、インターンシップについては2025年卒対象学生からは、一定の基準に準拠するインターンシップで得られた学生情報については、採用活動開始後に活用可能となりました。2022年4月に公表されたこの定義変更により、オープン・カンパニーやインターンシップなど、キャリア形成支援プログラムの新たな分類が定められました。

キャリア形成支援プログラムにおける4つの分類

キャリア形成支援プログラムは、以下のタイプ1~4に分類されます。
参考:文部科学省、厚生労働省及び経済産業省合意「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」

  • タイプ1:オープン・カンパニー(個社・業界による情報提供・PR)
  • タイプ2:キャリア教育(大学や企業による教育プログラム)
  • タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ(職場における就業体験)
  • タイプ4:高度専門型インターンシップ(高度な専門性を重視した就業体験)

学生のキャリア形成支援における各分類の取り組みについて以下の表にまとめました。

目的 参加期間(所要日数) 就業体験 実施時期 取得した学生情報の採用活動への活用
タイプ1:
オープン・カンパニー
・企業・業界の情報提供
・PR
単日・半日 なし 学士・修士・博士課程の全期間(年次不問) 不可
タイプ2:
キャリア教育
・教育 授業・プログラムによって異なる 任意 学士・修士・博士課程の全期間(年次不問) 不可
タイプ3:
汎用的能力・専門活用型インターンシップ
・就業体験
・自らの能力の見極め
・評価材料の取得
・汎用的能力活用型:短期(5日以上)
・専門活用型:長期(2週間以上)
必須 ・学部3年・4年ないしは修士1年・2年の長期休暇期間
・大学正課および博士課程は長期休暇に限定されない
採用活動開始以降に限り、可
タイプ4:
高度専門型インターンシップ
・就業体験
・実践力の向上
・評価材料の取得
・ジョブ型研究インターンシップ:長期(2ヶ月以上)
・高度な専門性を重視した修士課程学生向けインターンシップ試行中
必須 採用活動開始以降に限り、可

オープン・カンパニーに参加するメリット

スーツを着た就活生

ここからは、オープン・カンパニーに参加するメリットをご紹介します。

業界・企業への理解を深められる

オープン・カンパニーは、業界・企業情報を学生へ提供するための場であるため、正しい情報を得て理解を深めることができます。さまざまな業界・企業について直接話を聞いて比較することで、自分の適性やキャリアと向き合えるでしょう。オープン・カンパニーはインターンシップとは異なり、採用活動には直結しませんが、今後の就活に向けた情報収集のためにも、参加する意味があります。

早期に自分のキャリアを検討できる

オープン・カンパニーの参加対象者に制限はないため、大学一年生からでも参加することが可能です。早いうちから参加し情報を集めておくことで、自分のキャリアをじっくり検討する時間がつくれます。本格的に就活に取り組むときに慌てることなく、希望の企業を見つけやすいでしょう。

学業との両立がしやすい

オープン・カンパニーは、短期もしくは単日で実施されるケースがほとんどです。その分開催される回数が多いため、自分の都合に合わせて、日程を調整することができます。そのため、学業の時間もしっかりと確保できるでしょう。

はたらくイメージができるようになる

何も知らないまま、企業のことを想像するのは難しいですが、オープン・カンパニーに参加することで企業へ行って職場環境の見学ができる場合があります。実際に企業の雰囲気を感じることではたらくイメージがつきやすくなり、より理解を深められるでしょう。

障害者向けオープン・カンパニーに参加する際の注意点

近年では、障害者を対象としたオープン・カンパニーを実施する企業も増えていますが、事前に知っておくべき注意点もあります。ここでは、障害者向けのオープン・カンパニーに参加する際の注意点をご紹介します。

行きたい業界・企業を事前に調べておく

自身の障害特性や興味関心から参加したい業界・企業を絞り、ホームページで経営方針や事業内容などを調べておきましょう。業界知識もある程度勉強してから参加するとより理解を深めやすいです。
また、オープン・カンパニーを通して確認したい項目や目的を持って参加しましょう。仕事内容や環境は自分の適性に合いそうか、ほかの企業との違いはどこかなど、就活のときに活用できる判断材料を得られるように用意しておくのがおすすめです。

障害者向けオープン・カンパニーを実施していないことがある

障害者向けオープン・カンパニーは、企業によって実施していない場合もあるため、興味のある企業があってもオープン・カンパニーに参加できないことがあります。一般向けのオープン・カンパニーへの参加する場合は、障害による障壁や配慮内容が見えにくいという点を念頭に置いて、検討する必要があります。

オープン・カンパニーの内容だけで決めないようにする

オープン・カンパニーでの内容や印象が、そのままはたらき方に直結するわけではありません。入社前のイメージと入社後で大きなギャップを感じ、早期離職につながるケースも少なくないため、さまざまな選択肢を想定しながら検討することが大事です。

オープン・カンパニーの探し方

パソコンを操作する男性

オープン・カンパニーへの参加を決めたら、以下の方法で情報を集めることができます。

企業のホームページ

オープン・カンパニーの開催時期が近づいてきたら、企業のホームページにオープン・カンパニーに関する情報が記載されることが多いです。また、最近はSNSで情報を発信している企業も増えています。応募受付期間が設けられている場合もあるため、行きたい企業がある場合は、こまめにチェックしておくと良いでしょう。

学校のキャリアセンター

学校に設置されているキャリアセンターでは、学生の就職支援を目的としたサービスを無料で利用することができます。キャリア相談や就活対策、さらにその学校ならではの情報を得ることができるなど、さまざまなメリットがあります。

就職サイト

就職サイト中には業界特化のサイトもあるため、興味のある業界がある場合はチェックしてみましょう。就職サイトに登録すれば、オープン・カンパニーに関する情報を発信している場合があります。

障害者雇用枠の就職活動は早期準備がポイント!

オープン・カンパニーは、低学年のうちから就活に向けた業界研究・企業研究を行うことができるのが大きなメリットです。障害者を対象としたインターンシップはまだまだ実施企業も少ないため、興味のある業界・企業がある方も、まだやりたい仕事が見つかっていない方も、オープン・カンパニーへの参加は有効です。早期に行動することで業界・企業を絞りやすくなり、就活をスムーズに進めることができるでしょう。

オープン・カンパニーの参加検討と並行して、障害者雇用での就職活動はエージェントに相談するのがおすすめです。dodaチャレンジでは障害者手帳をお持ちの方の就職支援を行っており、障害者雇用に関する情報提供を含め、障害者雇用枠での就活をトータルサポートしています。

dodaチャレンジでは、幅広い求人の中から求職者に最適な求人を提案するだけでなく、障害者専任のキャリアアドバイザーが、就職活動全般をサポートします。障害者雇用枠での就職に悩んでいる方は、ぜひdodaチャレンジまでご相談ください。

まとめ

オープン・カンパニーは業界・企業情報を提供する場であり、それだけで就職先を判断できるものではありません。
しかし、オープン・カンパニーを活用すれば早い段階で業界・企業理解を深められ、今後の就活に有益な情報を得られるでしょう。障害者雇用枠の就活における業界・企業研究や対策方法などでお悩みがある場合は、dodaチャレンジまでご相談ください。

公開日:2024/4/2

監修者:入口 聖徳(いりぐち きよのり)
パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部
新卒支援グループマネジャー
  • ■国家資格キャリアコンサルタント
  • 大手ブライダル業界、外資系生命保険での営業、高齢者向けのベンチャー企業での営業を経て、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース株式会社)に入社。dodaチャレンジのキャリアアドバイザーとして身体障害のある方や未経験職種へのキャリアチェンジなどご支援実績多数。現在は新卒学生専門の就職支援グループのマネジャーとして同領域のマネジメントやプロジェクト推進に関わっています。

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