障害者向けインターンシップとは?参加メリットや内容を知って就活準備を始めよう

インターンシップ中の学生と従業員

就活準備と聞くと、企業説明会や業界研究、自己分析などを思い浮かべる方が多いと思います。しかしそれらに加え、近年はインターンシップへの参加も非常に多くなっています。それは障害者雇用においても同様で、就活準備としてインターンシップを活用する学生は増えており、障害者向けのインターンシップ機会を設ける企業も増加しています。この記事では、インターンシップ制度の概要をご説明し、近年広まっている障害者向けインターンシップで実施されている内容や参加のメリットなどをご紹介します。

そもそもインターンシップとはどのような制度?

インターンシップとは、就職活動を控えた学生が業務の現場に入って実際に仕事を体験する制度です。日本語では「就労体験」「就業体験」などと訳されます。つまりインターンシップは、学生が学生であるうちに実際の仕事場を体験できる機会です。
インターンシップは仕事の現場を知れることにとどまらず、就職活動に際して必要となる業界研究や、職種研究に活かすこともできます。

インターンシップに参加できる期間は、夏季(6月~9月頃)のサマーインターンシップ、秋~冬(10月~翌年2月頃)のオータム&ウインターインターンシップの2期間が一般的です。ご自身の就職活動のスケジュールに照らし合わせ、適した期間で参加を検討しましょう。

インターンシップに参加することで、実際に就業するイメージをより具体的に持つことができます。また、ご自身の特性や強みをより詳細に知り、この先の就職活動の方向性を検討する有用な材料ともなります。

障害者向けのインターンシップも増えている

近年、インターンシップ制度そのものはポピュラーになってきていますが、最近では障害者を対象としたものも増えてきました。障害者のインターンシップは、障害者本人と採用する企業の双方のマッチングのために、とても効果的だからです。

企業側も障害者の方が長くはたらき続けでもらうためには、障害特性に合わせた業務の選定や、障害に関する社内の理解が必要となります。障害者本人の必要な配慮が整っているか、また就職後に業務についていけるのかなど、事前に確認できることで早期離職を予防する側面もあります。

厚生労働省も、障害者の雇用促進活動と合わせて就労支援を年々手厚くしています。具体的には障害者に対するインターンシップの導入や職場実習の実施など、障害者と企業をつなぐ取り組みが盛んになっています。

インターンシップではどんなことをするの?

インターンシップでは、どのようなことが行われているのでしょうか。ここでは、インターンシップでの具体的な活動内容や期間をご紹介します。

プログラム内容

インターンシップのプログラム内容は、企業によって異なります。一般的には、実際の現場での職場体験、疑似体験やグループワークなどが実施されます。

インターンシップの期間

1日のみのケースや2、3日から1週間程の「短期型」、そして数週間~数ヶ月間にわたる「長期型」があります.
ただし2024卒の学生以降は、5日以上の就業体験を行うことがインターンシップの条件になることが決まっています。超短期、単日の就業体験ケースは「オープン・カンパニー」などの分類となり、学生情報の採用活動での活用の対象外となります。
詳しい内容はこちら
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(令和4年6月13日改正)

障害者向けインターンシップに参加するメリット

ここからは、障害のある方に向けたインターンシップについて解説します。まず、障害者の方がインターンシップに参加するメリットを見ていきましょう。

企業理解を深められる

車いす利用者のいるオフィス

インターシップに参加することで、求人情報や会社説明会の内容だけでは分からない、企業の独自性やはたらく人たちのことなどを知ることができます。実際に職場を訪れることで、オフィス内がどのような雰囲気なのか、障害がある方がどのようにはたらいているのか、また段差の有無などのバリアフリー化の状況なども、設備に関しても自分の目でみて把握できるでしょう。

ご自身の適性が分かる

実際の業務を体験することで、仕事内容やはたらき方がご自身と合っているかどうかが分かります。実践的な体験によって、ご自身の障害特性と業務内容のミスマッチを防ぐことも可能でしょう。業務やコミュニケーションにおける得意分野や苦手分野も、実体験によってより詳しく見つけることができます。

就職活動に活かせる

インターンシップに参加することで、業界や企業に対する理解が深まります。ご自身の就職活動に関しても方向性を見つけやすくなり、適職を判断したりはたらきやすい職場選びに役立てたりするための材料とすることができます。特に、就職活動に際して一般採用枠を選ぶか、障害者雇用枠にするか迷っている方にとっては、インターンシップでの体験は重要な判断材料となるでしょう。
また、インターンシップへの参加経験をエントリーシートに記載したり面接で話したりすることもできるため、実際の就職活動における強みとすることも可能です。

障害者向けインターンシップに参加する際の注意点

障害がある方がインターンシップへ参加することにはさまざまなメリットがありますが、気をつけるべき点もあります。ここでは、障害者向けのインターンシップへの参加を検討する際に注意したい点をご紹介します。

希望する仕事体験ができるとは限らない

インターンシップは、先に述べた通り企業によってプログラムの内容が異なります。このため、ご自身が体験してみたい業務内容が、そのままインターンシップの体験内容として設けられていない可能性もあり、注意が必要です。

企業によってインターンシップを実施していないこともある

企業によっては、障害者向けインターンシップが実施されていない場合もあります。希望している企業であっても、障害者向けインターンシップを行っていなければ参加できないか、一般採用向けのインターンシップを検討する必要が出てくるかもしれません。

インターンシップの内容だけでは入社後のイメージを判断できない

インターンシップで得られた印象が、そのまま就職後のはたらき方に直結するとは限りません。インターンシップで好印象だったとしても、確実に就業後もその印象のままはたらけるわけではないため、さまざまな可能性を想定しておく必要があります。

就活準備に向けてインターンシップへ参加しましょう

笑顔のインターンシップ生

インターンシップに参加するタイミングは、一般的に就職活動が本格化する前がおすすめです。就職活動の前に行うことで、エントリーシートへの記載事項や面接対策として、インターンシップで得た経験を活用することができるためです。また、就活にあたって必須といわれる業界研究でも、インターンシップに参加することで一定の知見を得られます。

特定の業界や職種を志望している方や気になる企業がある方だけでなく、やりたいことが見つからない方も、ぜひインターンシップへの参加を検討してみましょう。就職活動にあたっての方向性が定まり、はたらきたい職場像を明確にすることができるかもしれません。

しかし、インターンシップ参加に際しては注意点もあり、自分だけで判断するのが難しい場合もあるでしょう。また、障害者向けのインターンシップ制度が拡大しているといっても、まだ実施企業は限定的です。

障害がある方がインターンシップ参加を検討するにあたっては、就職・転職エージェントに登録して相談することも有効です。障害者手帳を持っている方の就職・転職支援を実施するdodaチャレンジでは、インターンシップ参加に関するアドバイスも含め、障害者の就活に有益な情報や支援を行っています。インターンシップはあくまで短期間の体験ですから、それだけで企業や就活のすべてが分かるものとは限りません。もしインターンシップ参加後に悩みごとや相談ごとが生じた場合も、エージェントに相談できる状況があれば心強いでしょう。

まとめ

学生の就職活動の一環として一般的になったインターンシップですが、障害者雇用の広まりにともない障害者向けインターンシップの実施も拡大しています。就職をめざす障害者の方は企業が実施するインターンシップ制度を活用し、よりご自身に合った職場探しに役立てると良いでしょう。
インターンシップの参加を含む就活の進め方や業界研究、自己分析など、就活に関するお悩みがある障害者の方はdodaチャレンジまでぜひご相談ください。

公開日:2022/11/28

監修者:木田 正輝(きだ まさき)
パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
  • ■国家資格キャリアコンサルタント
  • ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士
  • dodaチャレンジで、専任のキャリア
    アドバイザーに転職・就職活動を相談する

    会員登録(無料)

    まずは就労準備トレーニング。実際の
    仕事と同程度の実習で「はたらく力」を。

    就労移行支援
    「ミラトレ」について