障害者雇用における自己紹介とは?面接成功のコツや注意点を解説
就活・転職活動における面接では、その多くが自己紹介で始まります。自己紹介では、これまでの経歴や得意分野などについて話しますが、障害者雇用においては、自身の障害特性について説明することも大切です。
しかし、自身の障害について面接でどのように話すべきか分からないことや、質問にどう答えるべきかイメージしづらいこともあるでしょう。そこで本記事では、障害者雇用の就活でどのように自己紹介すればいいか、例文やテンプレを交えて解説します。
障害者雇用の面接で「自己紹介」が求められる理由
障害者雇用の就活における面接では、次のような理由から自己紹介が求められます。
- 求職者の緊張をほぐすため
- 人柄や経歴を確認するため
- コミュニケーション能力を把握するため
求職者の緊張をほぐすため
面接時の求職者の緊張を和らげるために、話しやすい雰囲気を作ることが自己紹介の主な目的です。緊張により本来のパフォーマンスが出せなければ、求職者の魅力や能力を把握することができません。そのため、面接官は自己紹介を挟むことで会話のきっかけを作り、求職者を普段の状態に近づけようとするのです。
人柄や経歴を確認するため
求職者に自己紹介をしてもらうことで、人柄や経歴などを面接官が大まかに把握することができます。その話の内容は、選考に関すること以外の話題にもなり、求職者の本来の姿を理解することにもつながります。つまり、求職者をさまざまな方向から見るために、面接官にとって自己紹介には大きな意味があるのです。
コミュニケーション能力を把握するため
求職者のコミュニケーション能力の把握も、自己紹介の重要な目的のひとつです。例えば、面接官の質問に対して、その内容を理解して回答できるかどうかをチェックできます。その受け答えの内容から、求職者の大まかな性質や印象も把握することが可能です。
障害者雇用の自己紹介で重要なポイント
障害者雇用の面接の自己紹介では、次のポイントを意識しましょう。
- 自己紹介に必要な要素を盛り込む
- 重要なポイントを簡潔にまとめる
- 身だしなみや話し方などに注意する
- 障害特性について分かりやすく説明する
自己紹介に必要な要素を盛り込む
就活の面接では、短時間で自分自身のことを面接官に伝え、興味を感じてもらうことが重要です。そのため、次の項目は必ず盛り込むようにしましょう。
氏名 | 自身のフルネームを簡潔に伝える |
前職での役割 | 前職における業務内容や役割について、社名と年数を含めて伝える |
実績やスキルなど | 前職や学習などで習得した実績やスキルを説明する |
簡潔な志望動機 | なぜその企業に応募したかを簡潔に説明する |
障害特性に関する説明 | 障害の名前や必要な配慮について伝える |
障害者雇用における自己紹介では、障害特性についてあらかじめ簡単に伝えておくと、面接官がそのあとに必要なことを質問しやすくなります。
重要なポイントを簡潔にまとめる
就活における自己紹介は、先ほど紹介した重要なポイントについて、1分前後で簡潔にまとめて話すことが重要です。自己紹介が長すぎると話の焦点がぼやけて理解しづらくなり、逆に短すぎると準備不足という印象をもたれてしまいます。
面接官が特に重視するのは、「前職で培った経験」や「配慮すべき障害特性」なので、そこに焦点を当てて話すことで好印象を与えることができるでしょう。
身だしなみや話し方などに注意する
他人に対する印象は、初対面のごく短時間で決まるといわれているため、面接では「第一印象」に気を配ることも大切です。例えば、清潔感のない服装や身だしなみ、だらしない話し方は面接官に悪印象しか与えません。
清潔感のある頭髪や汚れのない服装、はっきりした明るい話し方を心掛けることで、第一印象を良くすることができるでしょう。また、男性の場合はヒゲの剃り残し、女性の場合はビジネスシーンに合ったメイクを意識することも大切です。
障害特性について丁寧に説明する
自身の障害特性について分かりやすく説明することも大切です。障害者雇用では、誰もが何らかの障害を抱えており、採用担当者は業務上の配慮のために、求職者の障害特性について理解する必要があります。
そのため、障害によって業務上苦手なことや困りごとについて、包み隠さず話すことが肝心です。障害特性について分かりやすく伝えることで、「障害と付き合って安定した状態を保っている」という好印象につなげることもできます。
障害者雇用における自己紹介の例文・テンプレ
障害者雇用の面接では、さまざまな形で自己紹介が求められます。ここでは代表的なパターンの自己紹介の例文・テンプレをご紹介します。
「まずは簡単な自己紹介をお願いします」
山田太郎と申します。本日はお時間をいただきありがとうございます。私はA株式会社で事務職として5年間勤務し、経理業務を担当していました。在職中にスキルアップを目指し、「日商簿記2級」を取得しました。この経験を活かし、御社でも経理としてキャリアを積んでいきたいです。
なお、私は下肢に先天性の障害がありますので、移動に車椅子が必須です。そのため前職では、スペースが広めで移動しやすい場所にあるデスクを使用させていただいておりましたが、経理業務に支障はありません。本日は何卒よろしくお願いいたします。
前職での経験やスキル、自身の障害特性について簡潔に説明していることがポイントです。この分量であれば、1分程度で自己紹介が完結するため、面接官に良い印象を与えることができるでしょう。
「職歴や自己PRを含めた自己紹介をお願いします」
山田花子と申します。本日はお時間をいただきありがとうございます。私は前職で株式会社Bのシステム開発部門でプログラマとして、業務用の基幹システムの開発を担当していました。具体的な業務としては、要件定義に沿ったコーディングやデバッグなどです。
業務ではC++をメインで使用していますが、スキルアップのためにC#やJavaなどのプログラミング言語も習得し、「応用情報技術者試験」や「情報処理技術者試験」などの資格も取得しました。その知識を活かして、より高品質なシステム開発のための提言を行い、上司から高い評価をいただいておりました。
なお、私には聴覚障害があり補聴器を使用していますが、そのときの体調や環境などの影響で聞き取りづらいことがあります。そのような場合は、筆談や文字起こしアプリなどでご対応いただけると幸いです。一方で、集中力を発揮して同じことを継続することが得意なので、忍耐強く開発を続けることが得意です。本日は何卒よろしくお願いいたします。
職歴や実績に焦点を当てた自己紹介なので、面接官の要望に応えることができます。この場合も障害特性について丁寧に説明することが大切です。
障害者雇用の就活には「dodaチャレンジ」がおすすめ
障害者雇用の就活において、面接の自己紹介を成功させるためには、「前職で培った経験」や「配慮すべき障害特性」を簡潔かつ分かりやすく説明することが重要です。また、身だしなみや話し方などにも注意することで、面接官に好印象を与えることができるでしょう。
「dodaチャレンジ」では、経験豊富な障害者専任のキャリアアドバイザーが、障害の状況や配慮事項などを丁寧にヒアリングし、一人では難しい面接対策や自己紹介、志望動機の作成などをサポートしています。すべてのサービスが無料で利用できますので、面接や自己紹介について不安や悩みがある方は、まずはdodaチャレンジのキャリアアドバイザーにご相談ください。
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キャリアドバイザーが親身にお話をうかがいます
公開日:2024/7/19
- 監修者:木田 正輝(きだ まさき)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
- 旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士