障害者雇用のフルタイム勤務を選ぶメリットは?働き方の課題と実現する方法

時短勤務のイメージ

「障害者雇用でフルタイム勤務は難しいのでは?」とお悩みではないでしょうか。実際には、フルタイムではたらく障害者は多いです。どんな人が障害者雇用でフルタイム勤務しやすく、またどのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では、そんな疑問を解消するために、障害者雇用におけるフルタイム就労について分かりやすく解説します。

障害者雇用でフルタイムではたらくメリット

障害のある人が障害者雇用でフルタイム勤務することには、次のようなメリットがあります。

安定した収入を得やすい

障害者雇用においても、フルタイムで就労することで、短時間勤務の場合より給与水準が高くなります。基本的に収入は労働時間に比例するからです。収入が安定して生活・貯蓄などに余裕が生まれることで、精神的な安心にもつながるでしょう。

社会保険や福利厚生が充実している

フルタイム就労は短時間勤務と比べて、健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険や、福利厚生が充実している傾向があります。通勤手当や住宅補助は経済的な負担軽減につながり、特別休暇やレクリエーションなどの福利厚生は心身のリフレッシュに役立つでしょう。

キャリア形成がしやすい

フルタイム勤務で就労すると、経験・スキルが求められる仕事を任されることが増えます。安定して就労できる証明にもなり、将来的なキャリアアップを目指しやすくなるため、転職にも有利にはたらくでしょう。

障害者雇用でフルタイム勤務ができる方の条件

次のような条件に当てはまる方は、障害者雇用でフルタイム勤務ができる可能性が高いです。

安定就労できる状態が整っている

一般雇用と同じく、障害者雇用のフルタイム勤務も「安定就労」が求められるので、長時間労働に耐えられるように、心身の状態が整っていることが大前提です。万全な状態にするために、治療を続けて主治医にフルタイム勤務の許可を得ましょう。不安がある場合は就労移行支援事業所などを利用すると、はたらくための準備を整えることができます。

ご自身の障害特性を理解できている

体調や症状が安定していても、フルタイム勤務は心身に大きな負担がかかるものです。ストレスを軽減しながらはたらくためには、適切な合理的配慮を得る必要があります。ご自身の得手・不得手を把握したうえで「どんな配慮があれば仕事で成果を出せるか」を明確化しておきましょう。

障害者雇用専門の転職エージェントを活用する

障害者雇用のフルタイム勤務の求人を探すためには、ご自身の障害特性・適性を理解したうえで、条件に合った求人を選ぶ必要があります。障害者専用の転職・就職支援サービスを活用すると、プロのサポートを得ながら「適職」を探すことが可能です。さらに、履歴書作成や面接対策のサポートもあるので、安心して就職・転職活動ができるでしょう。

障害者雇用における働き方の現状

障害者雇用における働き方の現状について、厚生労働省が2023年に実施した「令和5年度障害者雇用実態調査」を参照しながら、次のポイントから解説します。

障害の種類別の労働時間

障害種別ごとの1週間当たりの労働時間は次のとおりです。

週30時間以上 身体障害者:75.1%
知的障害者:64.2%
精神障害者:56.2%
発達障害者:60.7%
週20~30時間 身体障害者:15.6%
知的障害者:29.6%
精神障害者:29.3%
発達障害者:30.0%
週10~20時間 身体障害者:7.2%
知的障害者:3.2%
精神障害者:8.4%
発達障害者:4.8%
週10時間未満 身体障害者:1.2%
知的障害者:2.1%
精神障害者:2.7%
発達障害者:3.9%

過半数が週30時間以上はたらいており、フルタイムに近い働き方であることが分かります。

障害の種類別の雇用形態

障害者雇用で「正社員」としてはたらく人の割合は、障害の種類別に次のとおりです。

身体障害者 59.3%
知的障害者 20.3%
精神障害者 32.7%
発達障害者 36.6%

障害種別によって大きな差があり、身体障害者は6割近くが正社員としてはたらいています。

障害者雇用でフルタイム勤務する場合の注意点

障害者雇用でフルタイムではたらくことを検討する際は、次の点に注意が必要です。

経験・スキルの条件が厳しくなる

経験不足やブランクなどで企業にアピールできる要素が少ない場合は、フルタイム勤務の求人に応募すること自体が難しいかもしれません。最初は時短勤務から開始し、経験やスキルを身に付けてからフルタイムへ変更するという方法もあります。

体力やメンタルへの負担が大きい

フルタイム勤務は短時間勤務と比べて、労働時間が長いことはもちろん、責任のある仕事やポストを任されることが増えるため、身体的・精神的な負担が重くなります。無理をしすぎると症状が悪化して休職・離職につながる恐れがあるため、安定してはたらける状態か見極めることが重要です。

柔軟な勤務時間の調整が難しい

フルタイム勤務の場合は、基本的に1日8時間・週5日勤務することが前提となります。勤務時間や仕事内容について配慮を得ることは可能ですが、短時間勤務と比べると柔軟な調整に限界があります。体調が悪化したときや通院が必要な場合でも時間を確保しづらいなど、障害との付き合い方に課題が生じるかもしれません。

障害者雇用でフルタイム勤務しやすい職種

PCでデスクワークをする男性のイメージ

次のような職種は、障害のある方が特性・症状と付き合いながら、フルタイム勤務ではたらきやすい傾向があります。

IT・テクノロジー系

IT・テクノロジー系の職種は、在宅勤務やテレワークが可能なケースも多く、体調やメンタルの管理をしながらはたらきやすいです。特に発達障害のある方は、論理的思考力や集中力を活かしやすいので、IT系の仕事が向いています。

ただし、IT系は企業や分野によっては長時間労働が求められることがあるため、事前に「残業時間」や「休日出勤」などの条件をよく確認しておくことが重要です。

事務職・バックオフィス系

事務職やバックオフィス系は、仕事内容がルーチンワーク化されていて働き方の柔軟性も高いため、障害者雇用で特に人気の高い職種です。なお、事務職にもさまざまな種類があり、経理や外国語など専門スキルを活かせるケースもあります。

製造業・物流業

事製造業・物流業の中でも軽作業やライン管理などの仕事は、作業手順が明確で定型化されています。基本的にコミュニケーションの機会が少なく、残業や休日出勤なども少ない傾向があるので、心身のストレスを軽減できる働き方を実現しやすいです。

障害のある方がフルタイムではたらきやすい企業の特徴

障害のある方がフルタイムではたらきやすい企業には、次のような特徴があります。

ダイバーシティを推進している

ダイバーシティ(多様性)を経営理念に掲げている企業は、多様な人材が輝ける職場構築の一環として障害者雇用にも力を入れています。単なる数値目標ではなく「戦略的な人材活用」を念頭に置いているため、フルタイム勤務やキャリア支援なども充実しています。

大手企業の特例子会社である

特例子会社とは、障害者雇用を推進するために設立された企業であり、大企業の子会社であることが多いです。給与水準は低い傾向にありますが、正社員やフルタイムに近い勤務体系など、安定してはたらきやすい環境が整っています。特例子会社の詳細については次の記事もご参照ください。

柔軟な働き方に対応している

フルタイム勤務ではたらくにあたり「安定就労できるかどうか」は大きな課題です。通勤の負担の大きい方が時間差出勤を選べたり、周囲の音に敏感な方がオフィスの座席を自由に選べたりするなど、障害特性に合った働き方や環境を選べると安心です。

また、投薬や通院の都合でフルタイムのオフィス勤務が難しい場合は、在宅勤務制度が充実しているとフルタイム就労しやすくなります。

障害者雇用のフルタイム勤務をお探しの方は「dodaチャレンジ」にご相談ください

スマホで検索する女性のイメージ

フルタイム勤務する障害者の方は多く、「安定した収入を得やすい」「キャリア形成がしやすい」などのメリットが得られます。一方で、障害者雇用でもフルタイム勤務は体力・メンタルへの負担が大きいため、まずは安定就労できる状態を整えることが大切です。

障害のある方がフルタイム勤務を目指すにあたり、「仕事が見つかるか」「安定してはたらけるか」「職場で理解が得られるか」などさまざまな不安があるでしょう。障害者専門の転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」には、フルタイム勤務の求人が多数あります。ご相談いただくことで、プロのキャリアアドバイザーが伴走し、あなたの特性や希望に合った仕事・職場をご案内いたします。

公開日:2026/1/23

監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)
パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】
  • ■国家資格キャリアコンサルタント
  • ■障害者職業生活相談員
  • dodaチャレンジで、専任のキャリア
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