私は、障がい者活躍推進担当として、360名ほど在籍する障害者枠で入社した職員が、安心してはたらける体制づくりをしています。具体的には、採用、定着、雇用率管理、相談窓口が主な業務ですが、最も大切にすることは、一人ひとりに向き合って声を聴くことです。障がい者活躍推進担当になって最初に行ったことは、全国にいる職員のところに出向き、全員と面談することでした。困っていることはないか、会社に配慮して欲しいことはないかなど、一人ひとりの声を聴くのに3年かかりました。時間はかかりましたが「相談しやすい障がい者活躍推進担当」というお互いの信頼関係ができました。
今できる小さな取り組みを愚直に積み重ね、安心できる職場へ
当社ではたらく障害者の1/3強にあたる138名(2019年6月1日現在)が、聴覚障害です。面談をすると、多くの職員が「情報が入ってこない」ことで悩んでいました。手話通訳が欲しい、この要望はとても多く、しかし、各組織で手話通訳を配置することは現実的に難しいことです。どうしたらより良い職場がつくれるか?と考え、まず私が手話を覚えようと、「手話奉仕員養成講座」に通い、手話技能検定試験を受験しました。そして、手話の教材を作って全国の拠点に配布したんですね。現場の中に、少しでも手話が分かる職員が育てば、「情報が入ってこない」といった状態は改善するはずです。この取り組みで、昨年70名が手話技能検定試験の7級~5級に合格し、今年も受験に向けて勉強しています。
この事例のように、面談によって知り得た「現場で起きていること」に真摯に向き合い、今できることを考え行動に移す、この積み重ねによって、安心してはたらける職場づくりに繋がると信じています。
転職活動者へのメッセージ
採用から入社後の相談窓口まで、障がい者活躍推進担当が一貫しておりますので、フォロー体制に安心いただきたいですね。首都圏など可能なかぎり、私かもう一人の担当者のどちらかが採用面接から同席し、ご応募頂いた方にとって不安が残らない面談になるよう心がけています。遠方などどうしても同席ができないときは、例えば、「住所から、車通勤の質問があるかもしれないので、周辺の地図を用意しておく」といった細かいようなことであっても、ご本人にとっては知っておきたい大切な情報であろう項目を想定し、質問シートを作って面接官に共有しています。
当社は、障害者採用において、相手を理解しようとする心を大切に、100%安心してはたらける体制づくりにこれからも取り組み続けていきます。